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2011年2月21日月曜日

保育所の子どもたち

 小学校に上がる前の子どもを対象とした就学前教育を行う機関として,幼稚園と保育所があります。前者は文科省管轄の学校ですが,後者は厚労省管轄の児童福祉施設です。幼稚園の対象は,満3歳から小学校に上がるまでの子どもですが(学校教育法第26条),保育所の場合,こうした年齢規定はありません。1歳に満たない乳児も在所しています。いわゆる「0歳保育」です。

 最近,少子化により,幼稚園の園児は減少の一途をたどっていますが,保育所の在所児数は逆に増加傾向です。共働世帯が増える中,終日保育を行ってくれる保育所への需要が高まっていることが知られます。都市部では,保育所に入所したくてもできない待機児童の問題が深刻化しているほどです。

 厚労省『社会福祉施設調査』によると,1960年の保育所在所児童数はおよそ69万人で,0~6歳人口の6.1%でした。それから半世紀を経た2009年では,在所児数は約210万人に膨れ上がり,6歳までの乳幼児の28%を占めるに至っています。今日,乳幼児の4人に1人は保育所に預けられているわけです。在所児数をベースの人口で除した在所率を,年齢別にみてみましょう。


 どの年齢でも,時代を下るにつれ在所率が高くなってきます。2009年の3~5歳では,およそ4割です。あと一点,高率ゾーンが下に伸びていっていることも注目されます。今日,1歳でも20%を超えています。0歳の乳児では,4.8%です。「0歳保育」の対象者は,乳児20人に1人という水準です。

 育児をはじめとした家族の諸機能が次第に外部化していくのは,どの社会についてもいえる共通の定理です。それに対応した条件整備が求められます。その意味で,保育所的な機能を備えた幼稚園ともいえる,認定子ども園の制度が創設されたことは,喜ばしいことだと思っています。