47都道府県の学力と大学進学率の布置図をツイッターに載せたところ,見てくださる方が多いようなので,ブログにも転載しておきます。
横軸の学力は,2013年度の『全国学力・学習状況調査』における,公立中学校3年生の数学Bの平均正答率です。数学の応用的な事項を問う科目であり,正答率の地域分散が最も大きいものです。
縦軸の大学進学率は,浪人込の4年制大学進学率です。2013年春における各県の高校出身の大学入学者数を,推定18歳人口(3年前の中学校・中等教育前期課程卒業者数)で除した値です。文科省の『学校基本調査』より数字を採取して計算しました。詳細は,9月12日の記事をご覧ください。
学力と大学進学率の間に,有意な正の相関関係はみられません。秋田や福井のように,生徒の学力は高くとも,大学進学率が低い県が結構あります。*点線は全国値。
大学進学に際しては,個々の生徒の能力とは違った,諸々の社会的要因が関与することが示唆されます。家庭の所得水準,ないしは自地域に大学があるかないかなど。また地域に大卒者が少なく,大学に進学して勉強することについてのイメージを生徒が持ちにくい,という事情も想起されます。
「ヒト」が唯一の資源である日本ですが,この図をみると,地方に埋もれている才能って結構あるんじゃないか,という気がします。