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2013年12月22日日曜日

小・中学生の学力と大卒者の正規就職率の相関

 こういうデータが出たのですが,偶然(見かけ)の相関でしょうか…。


 大卒者の正規就職率は,他の教科の平均正答率とも強く相関しています。公立中学校3年年生の国語Aとは+0.743,国語Bとは+0.534,数学Bとは+0.694の相関です。公立小学校6年生の国語Aとは+0.499,国語Bとは+0.469,算数Aとは+0.516,算数Bとは+0.466の相関なり。

 沖縄を「外れ値」として除外すると係数値は下がりますが,統計的に有意な+の相関関係は保たれます。*上図でいうと,+0.745から+0.563に下がります。

 大卒者の正規就職率と関連する指標といったら,地域の求人倍率などが思い浮かびますが,そうした労働市場の指標よりも強く,子どもの学力と関連しているのですな。

 『全国学力・学習状況調査』で試される学力というのは,受験向きの学力とは違った,いわゆる「確かな学力」です。その定義は,「知識や技能はもちろんのこと,これに加えて,学ぶ意欲や自分で課題を見付け,自ら学び,主体的に判断し,行動し,よりよく問題解決する資質や能力等まで含めたもの」とされています(文科省)。

 なるほど。こうした学力の多寡が,就職に影響する経路というのは,考えられなくもないです。全国学力調査の正答率に依拠して生徒を分け,各群の成人後の状況を追跡するなどの調査研究が求められるかもしれませんね。

 教育の効果というのは,こうした長期的な視点からも観察・計測されるべきでしょう。