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2014年3月30日日曜日

2012年度の鉄道自殺

 国土交通省に情報公開申請をして,「運転事故等整理表(平成24年度)」という内部資料を出してもらいました。2012年4月1日から2013年3月31日までの1年間に発生した,鉄道自殺事件の詳細が記載されています。

 私は,①会社名,②地域,③日時,④月,⑤時間,⑥曜日,および⑦場所という項目からなる,簡単なデータベースをつくってみました。データ入力済みのエクセルファイルで提供してもらったので,さして手間はかかりませんでした。


 ピボットテーブル機能を使うことで,単純集計はもちろん,クロス集計もらくらく行うことができます。月別や時間別の単純度数分布はツイッターで発信しましたが,ここでは,「曜日×時間」のクロス集計表をご覧に入れようと思います。鉄道自殺は,どの曜日のどの時間帯に多いのか。検出してみましょう。

 上記の資料によると,2012年度間に起きた鉄道自殺事件は631件となっています。1日あたり1.7件。結構起きていますね。これらの事件を,「曜日×時間」のマトリクス上に散りばめると,以下のようになります。


 まず合計からみると,曜日では金曜が最も多いのですね。憂鬱な月曜かと思いきや,ちょっと意外でした。時間帯別でみると,魔の時間は10~11時台です。その次が14~15時台。ラッシュから外れた時間帯なり。

 曜日と時間をかけ合わせるとどうでしょう。10件を超えるセルにはマークをつけ,15件を超える場合は数字をゴチの赤色にしました。後者の数は5つ。

 ・月曜日の14~15時台
 ・水曜日の22~23時台
 ・金曜日の10~11時台
 ・金曜日の14~15時台
 ・日曜日の18~19時台

 ふうむ,解釈が難しい。日曜日の18時台は,子どもやサラリーマンを憂鬱にさせる,あの「サザエンさん」ソングが流れる時間ですが,他はどうみたものか。ここではデータの提示にとどめておきましょう。

 これからデータベースを充実させていこうと思いますが,私が加えてみたいのは,事件発生時の天候です。曇天や雨天の影響は大きいと思われます。事件が起きた地域・日時の天気は,気象庁のホムペで調べられます。

 ただ,これは多大な労力を要するので,調査統計法の受講学生さんの力を借りようかと。こうした共同作業を通して,データベース作成や集計の技法を体得してもらえたらなと考えています。今年度の前期は,武蔵野大学有明キャンパスで調査統計法2という授業を担当予定です。