今年の3月より,日経デュアルの連載を持たせていただいています。共働きのママさん・パパさん向けのWeb誌です。「デュアル(dual)」とは「共」を意味するそうな。
http://dual.nikkei.co.jp/
編集部の皆さんも,共働きで子育てをしておられるとのこと。読者と編集者が同じ立場ということもあってか,内容に共感が持たれ,かなりの人気を博しているようです。私の駄文が,その品位を下げることになっていなければいいですが・・・。
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私はもち登録しているのですが,先週の金曜に送られてきたメールの中に「家事分担率」という言葉がありました。メールを発信した編集者氏(男性)が,「自分の家事分担率はどれくらいか?」と,恐る恐るパートナーに尋ねたのだそうです。
なるほど,こういう指標もあるのですね。私は早速,これを数値化してみようと思い立ちました。夫(H)の家事時間が,夫と妻の合算分(H+W)の何%を占めるか,というものです。
私は,共働きで子育てをしている夫婦について,この指標を計算してみました。6歳未満の幼子がいるDUAL世帯です。この世帯の場合,家事に加えて育児も大きなタスクになりますから,家事+育児の時間をみることにしましょう。
総務省の『社会生活基本調査』から,1日あたりの平均時間を知ることができます。最新の2011年度調査のデータによると,6未満の子がいる共働きの夫の家事・育児時間は54分,妻のそれは329分となっています。平日と休日をひっくるめた,1日あたりの平均時間です。
http://www.stat.go.jp/data/shakai/2011/index.htm
よって,夫の家事・育児分担率は,54/(54+329)=14.1%と算出されます。夫婦の合計分のおよそ7分の1ですが,こんなものでしょうか。
これだけでは「ふーん」でおしまいですので,もう少し深めてみましょう。私は,同じ値を都道府県別に出してみました。下表は,その一覧です。計算に使った元データも添えておきます。算出された夫分担率については,最高値に黄色,最低値に青色のマークをしました。また,上位5位の数値は赤色にしました。
県別にみると,結構な差があります。2割を超える県もあれば,1ケタの県もあり。最高の島根では22.4%ですが,大阪ではわずか6.7%なり。
赤字が東北ゾーンに多く,1ケタの数字が近畿圏に集中していることから,地域性のようなものもありそうです。上記の夫分担率を地図にして,この点を可視化してみませう。4つの階級を設けて,47都道府県を塗り分けてみました。
DUAL世帯の夫の家事・育児分担率マップですが,地域性もありますなあ。率が高いのは,東北,首都圏(一部),四国で,その逆は近畿,九州もかな。
私としては,「こんなじゃないかな」というモヤモヤが可視化された印象ですが,皆さんはいかがでしょうか。しかしこれは国内の地域比較であって,国際的にみれば,「井の中の蛙」であることは言うまでもありません。北欧国で同じ値を出したら,おそらくは4割,半分という水準になるでしょう。
今回は,6歳未満の子がいるDUAL世帯を一括りにした都道府県比較でしたが,子どもの発達段階ごとの差にも興味が持たれます。末子の年齢ごとに数値を出し,折れ線を描いたらどうなるか。それを県別にみたら,「下降型」「上昇型」というようなタイプが出てくるかもしれません。
もっと分析を深めてみて,意義ある結果が出たら,日経デュアル誌にて発表しようと考えております。今日は秋晴れ。日曜のよい午後をお過ごしください。