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2014年12月20日土曜日

東大生の出身地域の偏り

 『東京大学学生生活実態調査』は,最高学府の学生の出自を教えてくれる定番の資料として,研究者の間でよく知られています。
http://www.u-tokyo.ac.jp/stu05/h05_j.html

 実家の年収分布に注目されることが多いのですが,出身地域の分布はどうなのでしょう。実家の所在地を尋ねた設問への回答をグラフにしてみました。2012年の学部生調査のデータです。一般群との差を「見える化」すべく,同年春の高卒者の住所地分布も添えています。


 何もいいますまい。東京ないしは関東圏への集中度が高くなっています。東京出身者の比重は一般群では9.4%ですが,東大生男子では25.5%,女子では31.4%にもなります。女子の場合,東京居住者からの東大生輩出確率は,通常期待される水準の3倍以上です。

 前に,東大・京大合格者出現率を県別に出したところ,著しい都道府県差がありました。そこでの知見と符合しています。
http://tmaita77.blogspot.jp/2013/05/blog-post_16.html

 最高学府への到達チャンスの地域格差という個人にとっての問題と同時に,わが国を牽引するエリート候補の出身地域の偏りが,国内の不均衡な地域発展を助長しかねないという,社会にとっての問題も提起されるでしょう。

 拡大して,国会の廊下に貼っていただきたい図の一つです。