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2015年5月26日火曜日

共働き世帯の稼ぎ分担率

 1月15日の日経デュアルの記事にて,共働き夫婦の家事分担率を計算したのですが,稼ぎ分担率なんてのはどうでしょう。デュアル世帯の強みは二馬力ですが,夫婦の稼ぎの合算に占める,妻の比重の相場はどれほどか。こういうデータはあまり見かけません。
http://dual.nikkei.co.jp/article.aspx?id=4493

 2012年の「就業構造基本調査」の世帯統計から,この指標を割り出せることを知りました。ここにて,私の試算結果をご覧いただこうと思います。

 私が使ったのは,下記サイトの表222の統計です。共働き世帯の数が「夫の年収×妻の年収」のクロス表で集計されています。
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020103.do?_toGL08020103_&tclassID=000001048179&cycleCode=0&requestSender=search

 年収は,以下の16カテゴリーで区切られています。

 ①:50万未満 (25)
 ②:50~99万 (75
 ③:100~149万 (125)
 ④:150~199万 (175)
 ⑤:200~249万 (225)
 ⑥:250~299万 (275)
 ⑦:300~399万 (350
 ⑧:400~499万 (450)
 ⑨:500~599万 (550)
 ⑩:600~699万 (650)
 ⑪:700~799万 (750)
 ⑫:800~899万 (850)
 ⑬:900~999万 (950)
 ⑭:1000~1249万 (1125)
 ⑮:1250~1499万 (1375)
 ⑯:1500万以上 (2000)

 妻が30代の共働き世帯(夫婦と子からなる世帯)でみると,最も多いのは,夫の年収が⑦,妻の年収が②の世帯です。その数,12万6000世帯。この群の場合,妻の稼ぎ分担率は,(   )内の階級値を使って以下のようにして求められます。

 妻の稼ぎ分担率=75/(350+75)=17.6%

 このやり方で,各セルに該当する共働き世帯について,妻の家事分担率を算出しました。下の表は,10%区切りの分布を百分比で示したものです。妻の年齢階層別に分けています。世帯構造の影響を除くため,夫婦と子からなる共働き世帯(核家族世帯)に対象を限定していることも申し添えます。


 まず上段の全体からみると,妻が30歳未満の世帯では,妻の稼ぎ分担率が30%台の世帯が最も多くなっています。それより上の年代になると,妻が非正規になったり主婦になったりするためか,ピークは10%台の階級に下がります。

 下段は,妻がパートの世帯の除いた場合の分布ですが,こちらは当然,分布が上方にシフトしています。妻が50代の世帯では,妻が半分ちょっと稼いでいる世帯(50%台)が最多です。夫が定年退職した世帯が多いためでしょう。

 上表の分布の特性を,簡易な代表指標でまとめてみましょう。平均値と,夫より妻が稼いでいる世帯(妻分担率50%超)の世帯の割合を出し,表に整理しました。平均値は,各セルの分担率を当該セルの世帯数に乗じ合算し,それを世帯全数で除して出したものです。


 大雑把にいうと,共働き世帯の妻の稼ぎ分担率の相場は3割ってとこでしょうか。右欄をみると,夫より妻のほうが稼いでいる世帯も少なからず存在します。

 共働きの読者のみなさん,最初の表の分布において,あなたの世帯はどこに位置しますか。全体における,ご自身の位置を確かめてみるのもよいかと思います。