WHOホームページに掲載されている,最新の2012年のデータを使って,172か国の自殺率を計算してみました。同年中の自殺者数とベース人口は,下記サイトの「BY COUNTRY 2012」の表から得ることができます。双方をエクセルにコピペして割り算をするだけですので,カンタン。
http://www.who.int/healthinfo/global_burden_disease/estimates/en/index1.html
下の表は,値が高い順に並べた順位表です。自殺率の定義は,ベース人口10万人あたりの自殺者数です。国名も原資料のものをコピペしましたので,英語表記になっていますがご容赦ください。
トップは北朝鮮,2位は韓国,3位はガイアナ,4位はリトアニア,5位はスリランカです。日本は9位となっています。
首位と2位は朝鮮半島の2か国なのですが,どの年齢層の自殺率が高いのか。下図は,これら2国と主要国の自殺率年齢曲線です。各層の自殺者数をベース人口で除して自殺率を出し,線でつないだグラフです。
北朝鮮と韓国では,高齢層の自殺率が格段に高くなっています。儒教社会で子が親の面倒をみる伝統が強い国ですが,近年それが急激に崩れていると聞きます。その一方で,老後の社会保障は未整備。ゆえに,生活苦による自殺が多いとみられます。変動期の危機に直面しているといってよいでしょう。
172か国の自殺率年齢曲線は,タイプが多様です。高齢層で高い右上がりだけでなく,15~29歳の青年層に山がある社会も結構あります。このタイプは,発展途上国に多い。自殺率年齢曲線の型によって,社会を読み解くなんてこともできそうです。