私は40歳ですが,今もらっている仕事だけで食えなくなったら,どうするか。美味しい賄いも出ることだし,H屋でアルバイトでもしようかしらん。
ちゃんとした正規雇用の仕事に就こうとしたら,選択肢はかなり限られるでしょうね。如何せん,もう40歳ですので。
私は教員免許状を持っていますが,たとえば,高校教員になれるチャンスはどれくらい開かれているか。厚労省の『賃金構造基本統計』では,「職種×年齢×経験年収」のクロス集計がなされています。短時間労働者を除く,一般労働者のデータです。ほぼ正規職員に近いとみてよいでしょう。
2015年の同統計によると,経験年数0年(1年未満)の男性の高校教員は1300人。このうち,40歳以上の者は160人となっています。新米の教員のうち,40歳以上の割合は12.3%ですか。少ないですね。多いのは,大学を出て間もないピチピチの20代でしょう。
しかしタクシー運転手の場合は違っていて,経験年数が1年に満たない男性の新米運転手のうち,40歳以上が84.2%も占めています。中年期からでも参入しやすい職業といえるでしょう。確かに,そんなイメージはあります。
他の職業についても,同じ値を計算してみました。経験年数1年未満の男性新米労働者のうち,40歳以上の中高年の割合です。割り算のベースが100人に満たない職業は,分析対象から外しました。計算に使った数値は,下記サイトの表3から得ています。
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020103.do?_toGL08020103_&tclassID=000001058843&cycleCode=0&requestSender=estat
値が高い順に並べたランキング表です。トップは,自家用乗用自動車運転者で99.6%なり。この職業では,新米のほぼ全てが40歳以上です。いわゆる,お抱え運転手ですが,若い頃からの積み上げ(キャリア)は要しないでしょう。
2位は大学教授ですが,教授昇進の年齢が大抵40歳以上であることによります。最近は,民間で長期のキャリアを積んだ社会人畑出身の教授も多くなっていますしね。
守衛や用務員などは,定年後に始める人も多し。
表の左上の職業は,中年期からでも比較的参入しやすい職業ですが,右下はその反対です。青色の職業は,新米のうち40歳以上は皆無。左官などは昔ながらの徒弟制で,若い頃からの「たたき上げ」がモノをいう伝統が生きているのでしょうか。
40歳までニートだった者が,比較的就きやすい職業の目安になるでしょうか。新米の一般労働者(≒正規職員)のうち,40歳以上の中高年の割合を職業別に計算してみた結果でした。