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2018年9月3日月曜日

職業別の年収変化(2010~17年)

 今日の午後,ツイッター職業別の年収変化を発信しました。2010年から2017年にかけて,推定年収が何%増えたかです。上位20位と下位20位を切り取った結果を載せました。

 多くの方が見てくださっているようですが,2010年と2017年の年収の絶対額を知りたい,というリクエストが多々寄せられています。ツイッターではそんな膨大な情報提供は不可能ですが,ブログでは可能ですので,ここに載せましょう。

 職業別の推定年収は,厚労省の『賃金構造基本統計』からはじき出したものです。残業代込みの月収額(決まって支給する現金給与額)の12倍に,年間賞与額を足して推し量りました。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html

 一般労働者・職種のページにある,職種別きまって支給する現金給与額,所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」という統計表に,職業別の月収(6月)と年間賞与額(前年)が出ています。一般労働者とは短時間労働者を除く労働者のことで,フルタイム労働者とほぼ同義と考えてよいでしょう。

 129の職業について,2010年と2017年の推定年収,ならびに両年間の増加率の一覧表を掲げます。2010~17年の増加率が高い順に並べた表です。表がタテに長くなるので,2つに分けます。


 トップは精紡工で,この8年間で年収が1.5倍になっています。黄色マークは注目の職業。運転手,介護職員の年収の増加幅が大きくなっています。少子高齢化に伴い,需要が増しているためでしょう。

 ただし,絶対水準はまだまだです。今日のNHKサイトで,待遇の劣悪さからバスの運転手が離職する,というニュースが出ていました。上表のように,全国統計では年収が427万円から457万円にアップしていますが,これは都市部に釣り上げられた結果で,地方では悲惨な事態になっています

 人手不足もあってか,現業系の職業の年収がアップしているようです。次に,残りの後半部を見ていただきましょう。


 横線より下は,好況にもかかわらず年収が減っている職業です。予備校講師,教員,大学教授,弁護士…。供給過剰が言われる職業ですね。弁護士は,1271万円から1029万円と,2割の陥落です。社会保険労務士も激減。

 高度化した社会は,人々の分業で成り立っていますが,職業の需要というのは時代によって大きく変動します。求人倍率だけでなく,職務遂行に対する対価,すなわち年収の変化によっても,それを可視化できるようで面白い。

 参考資料としてご覧ください。