東京都の港区に,高さ330メートルの超高層ビルが建設されるそうです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190822/k10012044561000.html
入るのはオフィスや商業施設等ですが,54階以上の高層階には一般住宅も入るとのこと。54階以上の天空の暮らしって,どういうものなんでしょう。下々の私には,思いも及びません。
当然,子どもがいる世帯も入居すると思うのですが,高さの感覚が育っていない乳幼児の場合,高所平気症が懸念されます。高所から下を見下ろしても怖さを感じないことで,幼児がベランダから身を乗り出して転落する事故が相次いでいます。
タワマンの高層階に住む子どもなんて,超マイノリティだろうと思われるでしょうか。ネイションワイドでみればそうですが,東京のような大都会ではさにあらず。都内23区に住む0~4歳の乳幼児は36万1401人ですが,このうちの2万8470人(7.9%)が,共同住宅の11階以上に住んでいます(『国勢調査』2015年)。
東京23区では,乳幼児の13人に1人が,マンションの11階以上の高層階に住んでいると。区別にみると,もっとスゴイ値が出てきます。
赤字は10%で,ゴチの赤字は20%を超える区です。中央区と港区では,高層階の居住率が3割を超えます。中央区では34.6%,ヨチヨチの乳幼児の3人に1人が,マンションの11階以上に住んでいることになります。タワマンタウン,恐るべしです。
地図にして,地域性もあぶり出しておきましょう。5%未満,5%以上10%未満,10%以上,の3段階で23区を塗り分けてみました。
タワマンが林立する湾岸エリアでは,高層階に居住する子どもの率が高くなっています。
東京は狭し。にもかかわらず人口がどっと押し寄せ,経済や文化の中枢としての役割も負わされたまま。そこで狭い土地を有効活用せんと,東京はどんどん「空に伸びる」と言われます。前から疑問なんですが,23区の総面積のうち,10回以上の高層階の面積って何%くらいなんですかね。延べ面積にしたら,土地の面積を越えているかもしれません。
東京の都心では,少子化などどこ吹く風。子どもは増え続け,とくに湾岸エリアの学校は悲鳴を上げています。タワマンに越してくるファミリーの影響ですが,これから先,高層階の部屋で暮らす子どもは増えてくるでしょう。
自宅のベランダや窓からの転落はむろん,学校での事故も怖い。高さへの恐怖がないと,学校の校舎や校庭の遊具からの転落事故が起きやすくなります。地上50メートル,100メートルの高さで暮らしている子にとって,学校の校舎や校庭の遊具の高さなんて何でもありません。それで無茶をして,事故が起きてしまう。
高さの感覚は,小学校に上がる前の幼少期である程度固まってしまうといいます。この時期の外遊びで,ジャングルジムや滑り台等の遊戯に上らせ,高さへの恐怖(警戒心)を植え付ける必要があります。
子どもを狙った犯罪が多発していることから,幼子の外遊びを控える家庭が多くなっているといいますが,幼少期の大半を,大地から離れた天空で過ごさせるのは避けねばなりません。