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2012年9月3日月曜日

私にとってのブログ

 総務省情報通信政策研究所が,『ブログの実態に関する調査研究』という報告書を公刊しています。公刊年月は,2009年3月です。
http://www.soumu.go.jp/iicp/chousakenkyu/seika/houkoku.html

 この調査では,ブログを運営しているブロガーに対して,ブログを更新する動機やブログの利用スタイルについて尋ねています。私も一応,ブロガーですので,調査対象者になったつもりで,設問に回答してみました。

 まずは,ブログの更新動機です。14の項目を提示して,それぞれの重要度を5段階で自己評定することが求められています。私の回答は以下の通りです。


 私がブログを更新するのは,既存統計を自分なりのやり方で加工・分析し,知り得た知見を発信するためです。いってみれば,私設出版社です。アフィリエイトでお金を稼ぐとか,知り合いを増やすとかいうことは,あまり意図していません。

 次に,ブログの利用スタイルです。こちらは,10の項目が提示されています。それぞれの重要度を,思うがままに自己評定してみました。


 「誰に向けて書くか」,「何を書くか」という枠組みで項目が構成されているようです。私は,「世間一般」に向けて記事を書いています。自分向けの覚書のようなこともたまに書きますが,特定の他者を想定することは滅多にありません。

 書く内容のメインは,データに基づいた「事実」です。「ジニ係数の求め方」というような,知識やノウハウを開陳することもあります。心情や意見を前面に出すことはあまりないです。

 まとめると,私にとってのブログとは,「世間一般に向けた,研究成果発信のためのツール」というところでしょうか。多くのブログは,身辺雑記がメインの日記的なものが多いようですが,本ブログにはそのような意味合いをあまり持たせていません。むろん,無味乾燥な数字ばかりでは味気ないので,写真入りの日記を書くこともありますが・・・。

 なお,私はブログを実名で書いていますが,全体的傾向からみれば,それはとてもイレギュラーなケースのようです。上記調査の回答分布をみると,実名でブログを書いているブロガーはたったの2%です。「教師のホンネ」というような,ちょっとヤバい内容を書くのなら実名はためらわれますが,自分のことを知ってもらいたい,旗揚げをしたい,という意図があるのなら,実名のほうがよいと思っています。

 潮木守一先生は,インターネット時代の到来のことを,「ポスト・グーテンベルク革命」と形容されています。グーテンベルク革命によって印刷術が生まれ,情報が紙媒体で出回るようになりました。しかし,その後(post)の革命は,情報をインターネット上で発信することを可能にしました。ブログというのは,そのためのツールです。

 この恩恵は,一部の人間だけではなく,万人にもたらされています。ブログは,誰もが無料で簡単に開設することが可能です。特別な知識やスキルがなくとも,日々,記事の内容を手軽に更新することができます。オリジナルな創作物を生み出すことを業とするクリエイター(研究者含む)が,この恩恵を利用しない手はありますまい。

 上記の総務省調査によると,2008年1月現在において,ネット上で開設されている国内ブログの数は1,690万ほどだそうです。ごく単純に考えると,国民7人につき1人がブロガーということになります。今後,この数はますます増えていくことでしょう。

 何かハマっていることがあるという人,ぜひともブログを始めようではありませんか。「我ここにあり」と,世間に旗揚げするチャンスです。しかし,あまり凝り過ぎて,二次元の世界の住人にならないよう,ご注意ください。