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2014年4月22日火曜日

睡眠時間の国際比較

 OECDは先月,“Balancing paid work, unpaid work and leisure” という資料を公表しました。1日あたりの生活行動の平均時間が国ごとに掲載されています。15~64歳の成人男女のデータです。

 先日,日経デュアルに寄稿した記事では,家事と仕事時間の国際比較をしたのですが,睡眠時間を比べてみると,こちらも「日本的」な特徴が出ています。今回は,その図をご覧いただきましょう。

 ここでいう平均時間とは,平日・休日をひっくるめた1日あたりの平均時間です。統計の年次は国によって異なりますが,おおよそ2009年近辺となっています(日本は2011年)。横軸に男性,縦軸に女性の平均睡眠時間をとった座標上に,28の国をプロットしてみました。各国の位置に注意してください。


 予想通りといいますか,日本の睡眠時間は短くなっています。男性は下から3位,女性に至っては最下位です。対極には南アフリカがありますが,失業率がべらぼうに高いことの影響でしょうか。

 図中の斜線は均等線であり,この線よりも下に位置する場合,「男性>女性」ということを意味します。ほう。女性よりも男性の睡眠時間が長い社会は国際的にみて少数派であり,日本,メキシコ,エストニア,インドの4国だけです。

 なお,「男性>女性」の度合いが最も高いのは日本なのですが,これは,家事や育児・介護などの負担が女性に偏っていることの表れでしょうか。日経デュアルの記事でデータを出しましたが,わが国は,家事時間の性差が大きい社会です(4.8倍!)。睡眠時間というプライマリーな行動時間からも,日本的ジェンダーを見て取ることができます。

 今回のデータは,成人男女全体,それも平日・休日をひっくるめたラフ・データですが,働き盛りの層に限定したらどうか。平日に限ったらどうか。分析の精緻化は,『社会生活基本調査』のデータを使うことで可能です。手がけてみようと思います。
http://www.stat.go.jp/data/shakai/2011/index.htm