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2011年2月6日日曜日

生活不満

 世論調査の最もオーソドックスな設問に,「今の生活に満足ですか」というものがあります。1990年代以降の近況に限定して,この問いへの回答がどう変わってきたのかをみてみましょう。

 内閣府が毎年実施している『国民生活に関する世論調査』では,上記の設問を設け,「満足」,「まあ満足」,「やや不満」,「不満」の4段階で答えてもらっています。ここでは,後2者を合算した「不満」の割合に注目します。

 1991年から2009年までの隔年の統計をみると,最も低かったのは1995年の24.6%です。最も高いのは2003年の39.6%です。2009年では37.7%であり,少し減少しています。では,2009年の生活不満率を年齢層別に仔細にみてみましょう。


 今世紀以降,30代後半から50代までの働き盛りの層において,不満率が40%を超えています。インクをこぼしたように,黒色に染まっているのが不気味です。ここでは示していませんが,不満率は女性よりも男性で高いことを考慮すると,おそらく収入や職場生活面での不満が大きいものと思われます。ちなみに,2009年の不満率のピークは40代前半で47.6%,ほぼ半数に達します。

 社会の健全度を測るには,経済成長率のような経済指標ももちろん重要ですが,それだけでは不十分です。「実感なき経済成長」という言葉があるように,現実と人々の生活意識はしばしば食い違っています。社会の成員が将来に希望を見出しているか,生活に満足しているか,という意識面の計測も大事です。今後も,公的な世論調査にあたって,使えそうな指標がないかを調べてみます。