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2015年2月20日金曜日

何歳まで生きるんだろう?

 長生きしようとは思いませんが,「自分は何歳まで生きるんだろう」と思うことがあります。突発事故で明日逝くかもしれないし,まかり間違って90歳,いや100歳まで生きてしまうかもしれない・・・。

 それは神のみが知るところですが,自分と同世代の人間の何%が何歳まで生存するかということは,統計から見当をつけることができます。その統計とは,国立社会保障・人口問題研究所の「将来推計人口」です。
http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Mainmenu.asp

 この資料から,未来の各年の年齢別人口を知ることができます。東京オリンピックが開催される2020年には,私の世代(1976年生まれ)は44歳になりますが,この年の44歳人口は男性で90.4万人,女性で88.0万人です。2036年に60歳となりますが,その数は順に84.5万人,85.1万人と見込まれています(中位推計)。

 私はこの統計をつなぎ合わせて,自分の世代の推定生存率を出してみました。今年(2015年)で39歳ですが,その数を基準とした生存確率です。口で説明するより,表を見ていただいたほうが早いでしょう。


 ほう,多くの人が長生きすることが予想されますね。男性でみると,70歳時点で現在数の84%が生存していると見込まれ,半分を切るのは86歳になってからです。94歳の時点でも21%,つまり5人に1人が生き残っているようです。女性に至っては,もっと長し。

 現在の同世代人口の半分が85歳,5人に1人が94歳まで生きると(男性)。まあ私は,その中には入らないでしょうし,先のことなど考えない主義ですが,長期的な展望を持たざるを得ないのかなあ,とも思ったりします。

 なお上表の数字には,人口の国際移動の分も入っていますが,高齢になってから流入してくる人はそういないでしょうし,流入と流出が相殺するとみなし,大勢に大きな影響はないとみてもよいでしょう。

 39歳現在の人口を基準とした推定生存率をグラフにしておきます。


 これは1976年生まれのデータですが,後の世代では,曲線がもっと上にシフトすることでしょう。そういえば,リンダ・グラットン教授の『ワーク・シフト』では,今世紀以降に生まれた子どもの多くは100歳まで生きるであろう,という予言が記されていました。

 これから先,医療技術はさらなる進歩を見せるでしょうし,若返り細胞まで開発されるというのですから,あり得ないことはでありません。人生100年,150年の時代になったら,既存の人間生理学や生涯発達心理学のテキストは,大きく書きかえられねばなりません。30~40代は青年期なんていう記述がされたりするかもしれませんね。

 冒頭の問いに立ち返ると,私の世代の男性は,現在人口の半分が80代半ば,5分の1が90代半ばまで生きるであろうことを知りました。今年の学生さん(1990年代生まれ)の世代は,どうかな。統計法の授業でやらせてみたい課題です。