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2017年11月30日木曜日

2017年11月の教員不祥事報道

 今日で11月もおしまいでした。夕ご飯を食べた後に気づき,慌ててツイログを漁った次第です。

 今月,私がネット上でキャッチした教員不祥事報道は44件です。いつものように,記事名・媒体名と当該教員の属性を記録します。

 赤字は注目事案。59歳,定年寸前の高校校長が盗撮で捕まった件ですが,100%懲戒免職でしょうから,もらう予定だった莫大な退職金がパー。一時の快楽と,それと引き換えに失うものとを天秤にかけることはしないのでしょうか。

 「正式採用ちゃうねんで」と,部下にパワハラをした校長。公立学校の教員は,最初の1年間は条件付きの採用で,この期間をクリアしてから正式採用になります。一般の公務員は半年ですが,教育公務員はその倍の1年間です。専門職ゆえ,適性の見極めに慎重さが求められる故とのこと。

 2015年度の統計によると,公立学校の新規採用教員のうち,この期間をクリアできず正採用に至らなかったのは316人,全体の1.03%と報告されています。脱落率は,およそ100人に1人。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/jinji/1380718.htm

 明日から師走です。会社勤めの方は,忘年会など,お酒が入る機会が増えると思いますが,酒がらみのトラブルにはご注意を。

 私は,生活に何の変化もありません。今年こそ秋旅行に行きたかったのですが,歯の手術を2回受け,医療費が思ったよりかさんだので,見合わせました。来週,2度目の手術の予後観察に行きますが,「抜歯」という最悪の判断にならないことを祈るばかりです。

 今年もあとひと月。がんばりましょう。

<2017年11月の教員不祥事報道>
少女にわいせつの疑い 長浜市の小学校講師を逮捕
 (11/1,琵琶湖放送,滋賀,小,男,27)
女子中学生に裸画像送らせた疑い 高校講師を逮捕 
 (11/1,日刊スポーツ,神奈川,高,男,27)
下着盗んで撮って戻す20回、教諭免職(11/2,京都新聞,奈良,小,男,48)
中学教諭、飲酒後に運転 京都 市教委に報告せず
 (11/3,京都新聞,京都,中,女,20代)
小学教諭、医療機関で20代女性職員に無理やり抱きつく
 (11/7,産経,宮崎,小,男,56)
女子児童のスカート内盗撮か、38歳小学校教諭逮捕
 (11/7,日刊スポーツ,石川,小,男,38)
盗撮:県立高の教諭を容疑で逮捕 富士吉田(11/8,毎日,山梨,高,男,30)
通勤電車で盗撮容疑=高校教諭を逮捕
 (11/8,時事ドットコム,大阪,高,男,25)
校長、穴開きハンドタオルで隠したカメラで女性のスカート内盗撮
 (11/8,産経,兵庫,高,男,59)
男子高生にホテルでわいせつな行為…容疑の府立高講師を逮捕 
 (11/9,サンスポ,京都,高,男,38)
愛知の教諭、小2児童の頭を黒板にぶつける(11/9,朝日,愛知,小,男,40代)
生徒にわいせつ 中学校教諭を懲戒免職処分
 (11/10,琉球朝日放送,沖縄,中,男,20代)
酒気帯びで追突の男性教諭を懲戒免職(11/11,産経,大阪,中,男,35)
教員免許取得未申請のまま勤務 明石商業高の男性職員
 (11/11,産経,兵庫,高,男,25)
小学校教諭が酒気帯び運転、容疑否認(11/11,日テレ,茨城,小,男,50)
児童ポルノ、児童買春…。名誉毀損の男性教諭(11/11,産経,滋賀,高,男,25)
小学校教諭 強制わいせつか逮捕(11/12,NHK,埼玉,小,男,29)
女子生徒と性行為・水着窃盗… 教諭ら4人処分
 (11/14,朝日,愛知,性行為:中男28,水着窃盗:小男38,手紙で好意伝達:高男52,わいせつ:高男39)
同僚女性教諭に暴行、男性講師を停職処分(11/15,朝日,岐阜,特,男,26)
小学校教師が児童の口に"ティッシュ"詰め込む 
 (11/15,北海道ニュース,北海道,小)
勤務先高校で同僚の現金や財布窃盗容疑(11/16,産経,福岡,高,男,43)
女子生徒肩車し「意外と重い」、セクハラで教諭処分 
 (11/17,産経,宮崎,高,男)
遠征費不正受給や不適切メッセージ 群馬県立高教諭を停職
 (11/18,産経,群馬,高,男,41)
教諭 小1の口にテープ貼る(11/18,読売,大分,小,女,50代)
九九の暗唱させながら…長崎の小学教諭、教室で児童盗撮
 (11/18,朝日,長崎,小,男,61)
下着窃盗で教諭逮捕「買うのが恥ずかしくて盗んだ」
 (11/19,日刊スポーツ,大阪,高,男,30)
教え子の女子児童6人にわいせつ行為 60代教諭を懲戒免職
 (11/20,佐賀新聞,佐賀,小,男,62)
体罰の中学男性教諭を戒告処分(11/20,岩手放送,岩手,中,男,53)
万引きで女性教諭を懲戒処分 名古屋市教委(11/21,CBCテレビ,愛知,小,女)
歩道で転倒の62歳、中学教諭の車にひかれ重体
 (11/21,読売,北海道,中,男,30)
上田の中学教諭2人が女生徒の身体的特徴記したLINEを交換
 (11/21,信越放送,長野,中,男,20代,40代)
「正式採用ちゃうねんで」 部下にパラハラ、セクハラ発言の男性校長を懲戒
 (11/21,神戸新聞,兵庫,高,男,59)
女子中学生に「キスしてやろうか」、肩や髪触るなどのセクハラ
 (11/22,サンスポ,北海道,中,男,59)
教頭の上履き隠すなど嫌がらせ、高校教諭を減給
 (11/23,朝日,北海道,高,男,51)
酒気帯び運転で逮捕の小学校教諭を懲戒処分(11/23,毎日,兵庫,小,男,25)
酒気帯び容疑逮捕 小学教諭を懲戒免(11/23,茨城新聞,茨城,小,男,50)
バレー部員6人に常習的体罰 講師を懲戒処分
 (11/24,毎日,大阪,中,男,29)
校内で女子生徒と“行為” 中学教師、卒業後も関係
 (11/24,テレビ朝日,神奈川,中,男,35)
酒気帯び運転、中学校長懲戒免職処分(11/25,静岡新聞,静岡,中,男,57)
埼玉のふじみ野で市立中学教諭が全校生徒の身体測定データ紛失
 (11/25,産経,埼玉,中,女)
スカートの下にスマホ、盗撮の疑い 中学校教諭逮捕
 (11/28,朝日,大阪,中,男,23)
修学旅行中生徒に体罰 能代工高の男性教諭(11/28,河北新報,秋田,高,男)
同僚の女性教諭にわいせつ行為、30代男性教諭を懲戒免職
 (11/28,産経,北海道,小,男,30代)
トイレ侵入などで2教諭を懲戒免職 速度違反で1人戒告
 (11/29,産経,新潟,トイレ侵入:中男47,わいせつ:高男35)

2017年11月29日水曜日

「**子」という名前

 2017年に生まれた子どもの名前で最も多いのは,男子は「悠真」,女子は「結菜」だそうです。
http://www.asahi.com/articles/ASKCX446SKCXUTFK00H.html

 元資料は,明治安田生命の「生まれ年別・名前ランキング」です。スゴイことに,戦前期から毎年,男女の名前のベスト10を知ることができます。
http://www.meijiyasuda.co.jp/enjoy/ranking/index.html

 戦前から戦後,そして現在にかけて社会は大きく変わりましたが,親が子どもにつけるな名前にも変化が見られます。よく言われるのは,女の子に「**子」という名前をつける親が減っていることです。

 私の母(故)が生まれた1940年,私が生まれた1976年,そして2016年について,女の赤ちゃんにつけられた名前のベスト10を整理すると,以下のようになります。


 「**子」という名前には,ピンクのマークをしています。1940年では,上位10は軒並み「**子」です。

 2位に「和子」があがっていますが,戦争中のデータをみると,ほとんどの年で首位は「和子」となっています。庶民の心の内では,平和への希求があったのでしょうか。

 しかし高度経済成長を経た76年になると,「**子」は上位10の中で半分以下に減ります。2016年現在では,5位の「莉子」だけです。

 これはラフな3時点のピンポイント推移ですが,変化を仔細に跡付けてみましょうか。1920~2016年の各年について,女子の上位10の名前のうち「**子」にマークをつけた図を作ってみました。ヒマ人っすね…。


 1950年代までは,ピンクのマークで染まっています(1920年の9位は「キヨ」)。しかし60年代からぼちぼち「真由美」などの名前がランクインし,60年代後半から「**美」といった名前の比重が増してきます。

 80年代後半以降は,「**子」はほとんどなくなります。最近において点在しているマークは,「莉子」です。

 1年刻みで丁寧に変化を辿ると,変化の過渡期は60年代後半から80年代前半であったことが知られます。私は,こうした過渡期のど真ん中の時期(76年)に生まれたのだなあ。

 もちろん今でも,「**子」という名をつける親はいます。2年前に電車で小学生の遠足集団と乗り合わせたとき,「和子」や「智子」といった(古風な)ネームをちらほら見かけました。

 そうそう。「**子」という名の女子は頭がいい,という調査結果があるそうですが,まあこれは,良家(高学歴)の親に古風な考えの人が多いからかな…。

 興味本位でしょーもない作業をしましたが,名前という切り口でも,社会の変化を見て取れるのは面白いですね。ちなみに男子は,今は多くが漢字2字ですが,1950年代までは,上位10は軒並み漢字1字です(「清」「茂」「博」など)。

 1文字の名前の出現度など,観点を変えれば,また違った変化の様を取り出せるでしょう。学生さんなら,どういう作品を作るかな。半ば「お遊び」ですが,調査統計法の作業課題としていいんじゃないかと思います。

2017年11月27日月曜日

男性の稼ぎ寄与度の国際比較

 今からちょうど20年前の1997年,山一証券が倒産しました。私が学部3年の頃です。

 そのニュースが流れた翌日,経済学の授業でつい居眠りをしていたところ,教授から「おい,そこのお前。気持ちよさそうに寝ているけど,大企業もつぶれる時代なんだぞ」と,たしなめられたのを覚えています。

 それからわが国の経済状況は急激に悪化。翌年の98年には,年間の自殺者が3万人を超えました。増分の多くは,無慈悲なリストラに遭った中高年男性です。50代男性の自殺者は,97年は3875人だったのが,98年には5973人に急増しました(厚労省『人口動態統計』)。たった1年間で,2千人以上も自殺者が増えたわけです。

 悲しいかな。男性の自殺率は,社会の経済状況を鋭敏に反映する傾向を持っています。たとえば,失業率と自殺率の時系列カーブを描くと,驚くほど近似しています。下図は,1960年から2016年までの長期推移です。

 失業率は,各年の12か月の平均値です。15歳以上の労働力人口に占める,完全失業者の割合です。自殺率は,人口10万人あたりの年間自殺者数です。前者は総務省『労働力調査』,後者は厚労省『人口動態統計』に,計算済の数値が出ています。
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000000110009&cycode=0
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001191145


 明瞭な共変関係ですねえ。この46年間のデータで相関係数を出すと,+0.938にもなります。失業率が分かれば,自殺率をほぼ正確に言い当てられるレベルです。これが因果関係を意味するとは限りませんが,「失業→生活苦→自殺」という経路を想定するのは容易いでしょう。

 昨日,このグラフをツイッターで発信したところ,ある方が「なぜ,男性は女性に経済的に頼ることを考えないのか?」という疑問を呈されました。
https://twitter.com/lalahearttwit/status/934614998319554561

 なるほど。「男性は,妻子を養って当たり前」という,わが国のジェンダー呪縛を逆照射する指摘ですね。97年から98年にかけて,リストラに遭った中高年男性の自殺者が急増したのですが,「家族に保険金を」という動機もあったことでしょう。

 女性にあっては,失業率と自殺率の間に明白な共変関係は見られません。男性に限っても,上図のようなトレンドが出てくるのは,日本くらいではないでしょうか。「一家を養うべし」というジェンダー呪縛,「仕事=生活」という価値観が最も浸透した社会ですので。

 わが国では,男性が女性に「経済的に頼ること」は稀ですが,諸外国ではどうなのでしょう。私はこの点を可視化すべく,共働き夫婦の稼ぎ分担を数値で出してみました。夫の稼ぎが,夫婦の稼ぎの何%に相当するかです。

 ISSPが2015年に実施した「労働環境の意識調査」では,就業者に対し,自分の年収と世帯の年収を尋ねています。日本の25~54歳の共働き男性(自分も妻も働いている男性)を取り出し,双方の分布をとると,以下のようになります。無回答は除く,有効回答の分布です。
http://www.issp.org/data-download/by-year/


 年収の階級は,階級値で示されています。250万円とは,年収200万円台の者です。この分布から平均値を出すと,個人年収は526万円,世帯年収は692万円となります。前者が後者に占める割合は,76.0%です。

 日本の25~54歳の共働き男性を取り出すと,世帯年収(夫婦の稼ぎ)の4分の3を当人が稼いでいると。

 他国はどうでしょう。同じやり方で,共働き夫婦の男性の稼ぎ割合を試算してみました。下表は,日本と欧米の6か国のデータです。お隣の韓国は,上記調査の対象になっていません。


 日本は76.0%ですが,欧米では6割くらいですね。イギリスやスウェーデンでは,夫婦の稼ぎが半々近くになっています。

 むろん三世代同居の世帯もあり,分母に自分(配偶者)の親の稼ぎも含まれている可能性はありますが,欧米では三世代同居はほとんどないので,夫婦の稼ぎに占める,夫の稼ぎの比重とみて間違いないでしょう。

 日本では三世代同居が結構いるかもしれませんが,核家族世帯に絞ったら,夫の稼ぎ比率は8割に達するかもしれませんね。

 このような簡単な検討からも,日本では,男性に重いジェンダー呪縛が課せられていることが知られます。最初の図でみたように,失業率と自殺率が気持ち悪いくらい同調するわけです。オトコが「女性に経済的に頼ること」を知っている社会では,こうはなりますまい。

 世界を見渡せば,少なからぬ女性が「主たる家計支持者」という国もあります。南国のタイでは,30~40代の有配偶女性の6割近くが,「自分が主たる家計支持者だ」と答えています。スゴイですねえ。男性が怠け者なんでしょうか。
http://tmaita77.blogspot.jp/2014/05/blog-post_11.html

 日本では,男女の双方にジェンダー呪縛が課されています。男性の稼ぎ分担率が主要国で首位なら,女性の家事・育児分担率は世界でトップです。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/03/post-4607.php

 収入源を絶たれたら即座に自殺する男性,家事・育児のワンオペで潰れる女性……。まったくもって,残念なことです。両性が,伝統的な相互の役割にもっと乗り入れるようになったら,事態は大きく変わることでしょう。

2017年11月23日木曜日

『スーパー過去問ゼミ5 教育学・心理学』

 ちょっと早いですが,新刊のご案内です。国家公務員試験対策用の問題集『スーパー過去問ゼミ5 教育学・心理学』の出来本が,実務教育出版より届きました。発売は,12月1日の予定です。
https://jitsumu.hondana.jp/book/b310521.html


 2014年刊行の旧版を,近年の出題傾向をもとに改訂しました。教育学のパートは,私が執筆しています。

 教育学は,国家総合職・国家一般職・法務省専門職員試験の選択科目として設けられています。受験者が多い一般職では,毎年5問が出題されますが,傾向は完全に固定されています。毎年,以下の5分野からの出題です。

 ・教育史
 ・教育社会学
 ・教育法規
 ・生涯学習
 ・教育方法学

 教育社会学は,教員採用試験の教職教養では「アウト・オブ・眼中」なのですが,国家公務員試験では大変重視されています。いいことです。

 生涯学習も必出。少子高齢化の進行により,生涯学習の重要性が増しているためでしょう。この点も,教員採用試験とは違っています。

 本書には,試験での出題頻度が高く,かつ広範な知識を吸収できる88の過去問を盛り込んでいます。解説も,懇切丁寧にしたつもりです(関連知識の紹介など)。これらを繰り返し解いてモノにすることで,試験を突破する実践力が確実に培われることと思います。

 参考書の機能も持たせるため,「POINT」というページを設け,必ず押さえておくべき最重要の知識を盛っていますが,如何せんページ不足のため,これだけでは不足です。そこで,『教職教養らくらくマスター』も併用されることをお勧めします。教員採用向けの本ですが,国家公務員試験対策にも使える作りになっています。
https://jitsumu.hondana.jp/book/b297721.html

 出題頻度の高い西洋教育史は,本書の136~143ページの思想家一覧表を使った学習が効果的でしょう。ルソーなら主著として『エミール』,思想上のキーワードは「子どもの発見」「消極教育」。これだけ押さえておけばOKです。

 ある人物の名前を提示されたら,即座に主著とキーワードを答えられるようにすること。これだけで,問題の大半は解けます。教育学の問題は,著名人物の学説の正誤判定がほとんどですので。

 教育法規については,上記の要点整理集の「教育法規」のチャプターで紹介されている,重要法規の条文を押さえるといいでしょう。教育基本法,学校教育法,教育公務員特例法,教育職員免許法,地方教育行政法など。

 そうそう。教育社会学は,専門用語の理解を試す問題も多し。「隠れたカリキュラム」「文化的再生産」「感情労働」など。現存の教育社会学の用語集としては,岩井・近藤編『現代教育社会学』(有斐閣)の巻末用語集がベストだと思います。過去問をみても,この部分からの出題が数回あり。本書は2010年刊行ですが,版を重ねた最新版を手元に置かれたし。巻末用語集だけでなく,本文の内容もためになります。
http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641183827

 これらの参考書も併用して,『スーパー過去問ゼミ5 教育学・心理学に繰り返し取り組めば鬼に金棒。

 上述のように,教育学は出題傾向が固定されており,問題の難易度もさほど高くありません。それに,教育は誰もが実際に経験してきていることなので,現実感をもって,楽しく学習することができるでしょう。「ああ,こういうことだったのか」と,自分の体験との往復運動も面白い。ぜひとも,教育学の選択をお勧めしたいと思います。

 マイナーな科目ゆえ,教育学・心理学の過去問集は,本書しかないと聞いています。唯一の過去問集です。需要があったのか,2014年刊行の旧版は3刷まで行きました。
https://twitter.com/p_xs3/status/526903103837061121

 長くなりましたが,新刊『スーパー過去問ゼミ5 教育学・心理学のアナウンスでした。来週の末に,書店に並ぶ予定です。「国家公務員試験を教育学で受けようかな」という皆さん,お手にとっていただけますと幸いです。

2017年11月21日火曜日

年齢・性差別の国際比較

 差別(discrimination)は,いつの時代,どの社会でも,重要な社会問題の根幹をなしています。性・年齢・人種など,当人では如何ともしがたい外的属性によって,社会的な処遇や富の配分に傾斜をつけることです。

 差別は,生活のあらゆる領域で起こり得ますが,最も頻度が高いのは,仕事の場(職域)ではないでしょうか。昔の社会病理学のテキストを開くと,「職域の病理」というチャプターの中で,必ずといっていいほど,差別の問題に触れられています。

 ISSPの「職場環境に関する調査」(2015年)では,就業者(就業経験者)に対し,過去5年間で,仕事上の差別を受けたことがあるか,と問うています。回答は,「イエス」or「ノー」。
http://www.issp.org/data-download/by-year/

 日本の労働者の回答は,「はい」が133人,「いいえ」が1011人となっています(無効回答は除く)。被差別の経験率は,133/(133+1011)=11.6% となります。仕事に関わる差別を受けたことがある労働者の割合は,全体のおよそ1割。

 「はい」と答えた者には,差別の主な理由を答えてもらっています。11の選択肢から1つを選ぶ形式です。それを整理すると,下表のようになります。


 被差別経験者133人の回答によると,主な差別理由として「年齢」を選んだ者が49人と,最も多くなっています。わが国の(悪しき)年齢主義が出ていますねえ。その次は,「その他」の45人です。分かりやすい外的属性以外の差別もあるのでしょう。

 3番目は障害。日本の職場はまだまだ,障害者にとって働きやすいとはいえますまい。その次は性別です。サンプルが少ないので分析できませんが,女性に限ったらこの理由の比重は高くなるでしょう。

 上の表は,日本の職場における差別理由ですが,様相は国によって違っています。多民族国家のインドでは,差別理由で最も多いのは「人種」です。南米のベネズエラでは,「政治的信念」が最も多くなっています。

 しかし大観すると,年齢・性別という,人間を分かつ基本属性に由来する差別が多くなっています。

 この2つの理由が,差別理由全体の中で何%を占めるか。調査対象の37か国の国際比較をしてみましょうか。

 「どれでもない」と「無回答」を除く9つの理由全体に占める,年齢・性別の比重を計算してみました。日本の場合,年齢は,49/124=39.5%です。性別は,8/124=6.5%なり(上記の表参照)。

 横軸に年齢,縦軸に性別の比重をとった座標上に,37の国を配置すると,以下の図のようになります。点線は,37か国の平均値を表します。


 横軸の年齢差別の比重は,日本はオーストラリアに次いで高くなっています。性差別は,国際平均より下。近くに,メキシコやフィリピンといった発展途上国がありますが,女性差別にセンシティヴでない,という見方もできます。

 南アフリカやスリナムでは,両方の比重が低くなっていますが,これらの社会では,「人種」という理由を選ぶ人が圧倒的に多くなっています。南アの人種隔離政策(アパルトヘイト)の歴史は,よく知られていること。その伝統が,見えざる形で残存しているのでしょう。

 右上は,年齢や性差別の申告度が高い社会ですが,フィンランドはセンシティヴですねえ。アイスランド,ノルウェー,そしてスウェーデン(瑞)といった北欧諸国では,性差別の比重が高し。女性の就業率が高いので,こういう結果になるのでしょうが,ジェンダーの問題に真摯に向き合っていることの表れともとれます。

 性差別にどれほどセンシティヴか? この点を計測する尺度とか,どこかの研究者が考案していないものか。いくつかの行為を提示し,「差別と思うか」と答えさせ,点数化するなど。おそらく,左上と右下の社会では,かなり違った結果が出るでしょう。

 ただ日本でも年齢差別の問題は認識されているようです,現実にもありますしね。年齢え求職者を門前払いしたり,若いという理由で,才能ある人材を指導的なポジションに就かせなかったり…。校長の若年比率の国際比較をすると,よく分かります。

 16日公開のニューズウィーク記事にも書きましたが,こういう悪しき年齢主義を打破するには,履歴書の年齢欄を撤廃することから始めるといいかもしれません。年齢を記した履歴書を求めること,求人票に「*歳まで」と書くことなどは,諸外国では年齢差別以外の何物でもありません。

 20代のフリーターの7割が月収20万未満で,8割が正社員を希望しているというデータが報じられています。超売り手市場で,学生がこないと企業は嘆いていますが,新卒だけでなく,こういう既卒層,さらにはわれわれのようなロスジェネにも目を向けるべきでしょう。同じ人間,何も違うところはありません。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171120-00000065-zdn_mkt-bus_all

 少子高齢化で労働力が減っていく時代にあって,年齢主義や新卒至上主義のような慣行は,まずもって撤廃しないといけません。

2017年11月14日火曜日

労働時間と知的好奇心

 OECDの国際成人力調査「PIAAC 2012」のローデータ分析にのめり込んでいます。

 パソコンのメモリを16GBに増やしたのを機に,全対象国(31か国)のデータを接合した,コンプリート版のデータベースを作りました。エクセルに落とすと260MBにもなります。
http://www.oecd.org/skills/piaac/publicdataandanalysis/

 この調査は成人の学力調査ですが,各国の成人の生活状況や学びについても調べています。明らかにできることはいろいろありますが,そうですねえ。「働き方改革」がいわれる,昨今のわが国の状況にかんがみ,労働時間の国際比較をやってみましょうか。

 高齢者やパートも含めた全就業者ではなく,働き盛りのフルタイム就業者に絞った比較をしましょう。上記調査はサンプルが多いので,こういう統制も十分可能です。*WVS(世界価値観調査)やISSPでも,この手のデータは作れますが,サンプルが少なく,傾向が安定しないのが難点でした。

 上記調査のローデータをもとに,25か国について,30~40代のフルタイム就業者の週間就業時間分布を明らかにしました。下図は,日本とノルウェーの比較です。大雑把な4カテゴリーの内訳(%)にしています。


 同じ働き盛りのフルタイム労働者ですが,違うものですねえ。わが国の法定の週間就業時間は40時間(8時間×5日)ですが,ノルウェーでは,半分以上がこれを下回っています。

 予想通り,長時間労働は日本のほうがずっと多くなっています。4割が週50時間以上,6人に1人が週60時間(1日12時間)以上働いています。ノルウェーでは,こんな働き方をしている労働者はごくわずかです。ICTの先進国ですが,こういう技術を活用して,生産性を高めているのでしょう。

 平均をとると,日本の1405人の週間平均就業時間は46.7時間,ノルウェーは40.4時間となります。6.3時間の差です。

 他国はどうでしょう。下図は,25か国を高い順に並べたランキングです。アメリカとドイツは年齢を訊いていないので,分析対象に含めていないことを申し添えます。


 トップはトルコで,その次は韓国,日本は3位です。4位にギリシャがきていますが,これはちょっと意外。まあ偏見は持たず,客観的な数値として受け入れましょう。

 下の方をみると,働き盛りの労働時間が最も短いのは,先ほど比べたノルウェー。その次はデンマークで,その上はフランスです。分かるような気がしますね。

 ここにて,25か国について,働き盛りのフルタイム労働者の仕事時間を出したのですが,これを,前回取り上げた知的好奇心と関連づけてみると,興味深い事実が浮かび上がります。

 知的好奇心のレベルは,「新しいことを学ぶのが好きだ」という項目に対し,「非常によく当てはまる」ないしは「よく当てはまる」と答えた人の割合で測ります。

 横軸に週間の平均就業時間,縦軸に知的好奇心をとった座標上に,25か国を配置すると,以下のような布置図になります。両軸とも,30~40代のフルタイム就業者のデータです。


 働き盛りの労働時間と知的好奇心の相関図ですが,いかがでしょう。右下がりの配置で,仕事時間が長い国ほど,知的好奇心が低いという,負の相関関係が見受けられます。相関係数は,-0.7064です。

 うーん,長時間労働は知的好奇心を枯らす,ということでしょうか。あまりの長時間労働だと,新しいことへの興味,未知のことを吸収しようという意欲も萎える。十分,あり得ることです。

 そもそも,学びを可能ならしめる一番の資本は「ヒマ」です。学校(スクール)の語源が,閑暇(スコレー)であることは,よく知られています。長時間労働は,学びを時間的に不可能ならしめると同時に,その意欲も奪ってしまうでしょう。

 前回述べたように,変動社会では,知的好奇心を枯らすことなく,絶えず学び続けることが不可欠。そのことで,斬新なイノベーションも生まれてきます。上記の傾向が因果関係の面を含んでいるとしたら,長時間労働は早急に是正すべしという,強い提言につながりますね。

 しかし,上図の傾向が相関関係の表現と断定はできません。2つの変数には,共通の背因(根)があるかもしれません。もしかすると,双方とも,子ども期の学校教育の影響によるかもしれませんね。

 わが国の学校教育では,長時間労働を厭わない精神が子どもに植え付けられるでしょう(教師がそのモデルになっている!)。また,受験主義の詰め込み教育ですので,学びとは苦痛だ,勉強は楽しくない,という思い込みも刻みこまれるでしょう。お隣の韓国も然り。しかるに,対極の北欧諸国では,その度合いが薄いと。

 だとしたら,学校教育の在り方の問題になります。折しも,今年春に公示された新学習指導要領では,こうした弊を克服する方向が示されています。子どもの能動的な学びを重視する「アクティブ・ラーニング」がキーワードです。

 ともあれ,知的好奇心という変数を切り口に据えると,わが国の職業社会や学校の病理が浮かび上がってくるようで,興味深い思いがします。

2017年11月12日日曜日

成人の知的好奇心と学生比率

 歯の再手術で入院したこともあり,ブログの更新が滞ってしまいました。

 入院の前日にデスクトップパソコンを秋葉原に送り,メモリを8GBから16GBに増やしてもらいました。依頼したのは,パソコン工房秋葉原サポートセンターです。「安い・早い・誠実」の3拍子がそろった,おススメのお店です。
https://pc-support.unitcom.co.jp/contents/shop/akihabara_support.php

 私は,国際調査のローデータをよく分析しますが,容量がべらぼうに大きいファイルもあります。「PISA 2015」などは,73か国52万人のデータが入ってますので,エクセルに落とすと240MBにもなります。

 8Gでも何とかなりますが,動作が不安定化します。「エクセルは応答していません」というフリーズ状態になるのもしばしば。ユーチューブの動画を並行してかけるのは,まずNGです。しかし16Gに増やしてからは,こういう弊はなくなりました。

 昨日は,OECDの国際成人力調査「PIAAC 2012」について,各国のローデータを一つのファイルに集約する作業に没頭しました。データの容量があまりに大きいため,当局のダウンロードサイトでは,ファイルが国ごとに分割されているのですが,それらを接合したわけです。31か国分で260MBにもなりましたが,パワーアップしたパソコンでは,こういう超大規模ファイルのデータも快適に処理できます。

 これで,「PIAAC 2012」のローデータも存分にしゃぶり尽くすことができます。手始めに以下の2つの作品をつくり,ツイッターで発信したところ,見てくださる方が多いようですので,ブログにも載せましょう。

 1)30~40代の知的好奇心と学生比率
 2)年齢別の知的好奇心の日瑞比較

 1)は,働き盛りの年齢層に限定した国際比較です。「PIAAC 2012」の対象は16~65歳ですが,この幅広い層(成人全体)をひっくるめるのではなく,働き盛りの層に絞ってみました。

 知的好奇心とは,「新しいことを学ぶのは好きだ」という項目に,自分は「非常によく当てはまる」ないしは「よく当てはまる」と答えた者の比率です。学生比率は,分析対象の30~40代のうち,学生である者が占める割合です。こちらは,千人あたりの比率()にしています。

 横軸に知的好奇心,縦軸に学生比率をとった座標上に,データが得られる25か国を配置すると以下のようになります。


 変動が激しい社会では,学校を終えたら勉強は終わりではありません。社会に出てからも知的好奇心を枯らすことなく,絶えず新しいことを摂取し続けないといけません。

 また大学等にもう一度戻って学び直す「リカレント教育」の普及も望まれます。わが国では,閉じた企業内訓練が支配的なのですが,自分の会社だけでなく,どこでも通じる「汎用性」のあるスキルを身に付けるのは,外部の機関における学びも必要になります。職務から離れる「Off-JT」は,斬新なイノベーションを得るきっかけにもなるでしょう。

 しかるに上のグラフによると,日本はどちらも芳しくないようです。働き盛りの知的好奇心は他国と比して低く,学校で学び直している者も少ない。お隣の韓国も似た位置ですが,受験競争が激しいこれらの社会では,子ども期にかけて「勉強は苦行」という刷り込みがなされるのでしょうか。

 対極には,北欧の諸国がありますね。社会福祉のみならず,生涯学習も進んでいるようです。スウェーデン(瑞)では,学生の3分の1は社会人といいますし。

 上記の図は,働き盛りの生活条件(長時間労働)の問題と同時に,子ども期の教育の有様を問うているともいえるでしょう。

 次に,2番目のグラフです。知的好奇心ですが,加齢とともにだんだん萎んできます。これはある意味,生理現象ともいえますが,その傾斜は社会によって違いますし,Aという社会の老人のほうが,Bという社会の若者よりギラギラした好奇心を持っているケースもある。

 先ほどの散布図で対極の位置関係にある日本とスウェーデンについて,年齢別(1歳刻み)の知的好奇心のグラフをつくり,左右に並べると恐ろしい事実が判明します。


 「新しいことを学ぶのは好きだ」という項目に対する反応分布のグラフですが,日本の若者の好奇心は,スウェーデンの老人とほぼ同じであることが知られます。両国のグラフはつながっているように見えます。

 日本人は,スウェーデン人の老後を生きているような感じですねえ。

 子ども期において,知識をがむしゃらに詰め込むのではなく,学ぶのは楽しいことを分からせ,生涯にわたって自発的に学ぶ態度を養わねばなりますまい。これが,21世紀の学校のあるべき姿です。

 私は教育学を勉強する学徒ですが,子どもの教育学(ペダゴジー)よりも,大人の教育学(アンドラゴジー)に関心を持ちます。「PIAAC 2012」は,わが国の成人教育の問題点を浮き彫りにできるデータの宝庫です。

 全対象国をまとめたローデータのファイルができましたので,これを徹底的に分析し,問題提起をしていこうと思います。

2017年11月5日日曜日

年齢別の在籍学校

 年齢が分かったら,その人がどのライフステージ(教育期,仕事期,引退期…)にいるか見当がついてしまう。「エイジ」と「ステージ」が硬直的に結びついた社会。

 変動が速く,かつ人生100年の時代にあっては,こういう社会の仕組みは変えないといけない。リンダ・グラットン教授の名著『ライフ・シフト』で言われていることですが,その典型は日本でしょう。

 学校に通っている子ども・若者をとっても,年齢から当人の在籍学校は容易に言い当てることができます。7歳なら小学校,14歳なら中学校,17歳なら高校,21歳なら大学というように。

 その様は統計でも分かります。2010年の『国勢調査』では,何らかの学校に通っている通学者の在籍学校を,年齢別に集計しています。0~22歳の内訳を帯グラフにすると,以下のようになります。数値の出所は,下記リンク先の表13-1です。


 6歳,15歳,18歳といった節目の年齢を除くと,各年齢の在籍学校はほぼ一様に決まっています。7~14際の子どもは,ほぼ100%が小・中学生です。

 学校教育法で,この年齢の子ども(学齢児童・生徒)は,小・中学校への就学を義務付けられていますので,当然といえばそうなのですが。

 しかるに,諸外国ではそうではありません。内閣府の『我が国と諸外国の若者の意識に関する調査』(2013年)では,13~29歳の生徒・学生の在籍学校を調べています。いま,13~15歳の生徒を取り出し,在籍学校の内訳を国ごとに比べてみると,下図のようになります。ローデータを加工して,独自に作成したグラフです。


 日本ではほぼ100%が中学ないしは高校ですが,諸外国はさにあらず。韓国では7.813人に1人),アメリカでは4.1%(24人に1人)が大学・大学院に籍を置いています。優れた才能を持つ者は,年齢に関係なく大学に入学できる「飛び級」の制度が普及しているのでしょう。

 日本でも飛び級の制度はありまが,「高校に一定年数以上在籍したこと」という条件なので(学校教育法90条),10代前半の青少年が大学に入ることはできません。義務教育段階では,落第もなければ飛び級もない「年齢主義」になっています。*落第の国際比較は下記記事。
http://tmaita77.blogspot.jp/2015/12/2012.html

 しかるに,14歳で数学検定1級をとったとか,小学校低学年で優れた文芸作品を発表したとか,幼くして才能を発揮する子どももいます。それを伸ばすことも求められるでしょう。
 
 教育,とりわけ義務教育の目的は「調和のとれた人間形成」ですが,金太郎飴のごとく,均質な「バランスのとれた」人間を育てる必要はありますまい。斬新なイノベーションが重要となる21世紀では,バランスに欠けていても,特定分野の才能がずば抜けた逸材がもっと出てきてもいい。

 堀江貴文さんが「バランスのとれた人間はつまらない」と言われていますが,言い得て妙だと思います。皆が同じ時間に出社し,同じ服を着て,同じやり方でモノを大量生産する「20世紀型」の工業社会は終わっています。

 日本の労働生産性の低さは,年齢による役割規範が強すぎること,年齢によって才能を抑えつける風潮があることとも関連しているでしょう。

 何かにつけて,わが国では年齢が問われるのですが,悪しき年齢主義を打破するには,履歴書の年齢記入欄を撤廃することから始めるのもいいかもしれませんね。履歴書に年齢記入欄を設けること,求人票に「*歳まで」と書き込むなどは,諸外国では差別以外の何物でもありません。

 少子高齢化社会,イノベーション社会では,年齢主義は排除されるべきものです。

2017年11月1日水曜日

2017年10月の教員不祥事報道

 昨日で10月は終わりでした。教員不祥事報道の整理を忘れてましたので,今日やります。先月,私がネット上で把握した不祥事報道は35件です。

 わいせつが多いのは毎月のことですが,酔って書類をなくした,他人の家に上がり込んだなど,酒がらみの事案が目立ちます。これからお酒が入る機会が多くなりますが,飲酒運転も含め,酒がらみの不祥事を起こさぬよう,注意していただきたいものです。

 今年も11月。本当に早いですね。私は来週,また立川病院に入院し,歯根端切除の再手術を受けます。ちょうどいい機会ですので,入院前日にデスクトップパソコンを秋葉原に送り,メモリを現在の8GBから16GBに増やしてもらいましょう。

 これで,PISAのローデータの超大規模ファイル(200MB!)を開いても,動作が不安定化しなくなります。私は,データ分析が生業ですので,こういう部分の投資は惜しみません。

 寒さが本格化してきました。かといって,昼になると気温が上がる。朝夕と昼の寒暖差が大きく,まいっています。体調管理には留意くださいますよう。

<2017年10月の教員不祥事報道>
中学校長 酒気帯び運転疑い 富士宮署逮捕
 (10/1,静岡新聞,静岡,中,男,57)
無免許疑い教諭逮捕 高岡で衝突、女性重体
 (10/3,北日本新聞,富山,小,男,28)
中学教諭、教え子の男子生徒に淫行疑い 部活動の遠征先で
 (10/5,沖縄タイムス,沖縄,中,男,40代)
「小学5、6年生が好き」 女児盗撮容疑で中学教諭逮捕
 (10/8,朝日,神奈川,中,男,40)
酒気帯び運転、教諭逮捕=車に追突―大阪府警
 (10/8,時事通信,大阪,中,男,35)
10代女性に乱暴疑いで教諭逮捕(10/10,NHK,北海道,高,男,34)
臨時講師 スクールセクハラで減給処分
 (10/10,大分テレビ,大分,高,男,40)
SNSで知り合った女子高生とのわいせつ動画撮影
 (10/10,産経,京都,特,男,23)
酒気帯び運転疑いで50代男性教諭摘発
 (10/11,福島民友新聞,福島,小,男,50代)
大津市で免許不更新の養護教諭採用が発覚、無効に
 (10/12,毎日,滋賀,中,女,30代)
スーパーで万引き、養護教諭に懲戒処分 愛知県教委
 (10/12,朝日,愛知,小,女,30)
「ナンパ断られ、むらむら…」強制わいせつ容疑でさいたま市立小教諭を逮捕
 (10/12,産経,埼玉,小,男,23)
横浜市立中学教諭を逮捕、路上で強制わいせつの疑い 
 (10/12,日刊スポーツ,神奈川,中,男,55)
少女の下半身をスマホで盗撮、小学教諭を懲戒処分 
 (10/13,日刊スポーツ,富山,小,男,29)
生徒の氏名入りテスト解答用紙が盗難 川口工業高の教諭が買い物中
 (10/14,埼玉新聞,埼玉,高,男,50代)
「お金もったいなかった」万引疑いで小学校教頭逮捕
 (10/16,サンスポ,北海道,小,男,48)
千円払って女子生徒に授業させる 定時制の61歳男性教諭を戒告
 (10/17,産経,東京,高,男,61)
女性スカートの中盗撮で30代教諭を懲戒免職
 (10/17,日刊スポーツ,山口,中,男,30代)
生徒にキス、高校教諭免職 教員わいせつ6人目 5年で最多
 (10/19,千葉日報,千葉,高,男,50)
酔って帰宅、あれウチじゃない? 住居侵入の校長停職
 (10/20,朝日,宮崎,中,男,59)
パチンコに負け、店の消火器壊す 沖縄県教委、中学教諭減給
 (10/20,琉球新報,沖縄,中,男,40代)
女子生徒にキスした教諭らを懲戒免職処分
 (10/20,神奈川新聞,神奈川,わいせつ:高男59,大麻所持:中男29)
万引で53歳小学教諭免職 島根県教委(10/20,産経,島根,小,男,53)
車にはねられ男性死亡 容疑の私立高校教諭を逮捕
 (10/22,埼玉新聞,埼玉,高,男,23)
教諭が盗撮した動画を削除・隠蔽容疑 校長ら書類送検
 (10/23,朝日,中,男,59,54)
運転代行で帰ったはずが飲酒運転 中学校の男性教諭を懲戒免職
 (10/24,岩手放送,岩手,中,男,53)
大分の特別支援学校で教諭が生徒に不適切指導(10/24,TBS,大分,特,女)
女子高生にわいせつ行為 臨時講師を懲戒免職
 (10/24,神戸新聞,兵庫,特,男,23)
スカート内にスマホ差し入れ 山梨、容疑の教諭逮捕
 (10/24,日経,山梨,高,男,30)
帰省先でスカート内盗撮を繰り返した小学校教諭を懲戒免職
 (10/27,産経,大阪,小,男,32)
千葉の教諭2人、うっかり失職 免許更新手続き行わず
 (10/28,産経,千葉,特女50代,中男40代)
水泳の授業中「溺れればいい」と暴言 新潟の中学教諭を減給処分
 (10/28,産経,新潟,中,男,40代)
教諭が酒酔い、テストなど紛失(10/30,神戸新聞,兵庫,小,男,53)
補習指導でスカート内にスマホ 滋賀、高校教諭を免職
 (10/31,京都新聞,滋賀,高,男,28)
懲戒処分:泥酔し暴行の男性教諭停職 横浜市教委
 (10/31,毎日,神奈川,中,男,57)