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2011年2月28日月曜日

鉄道自殺③

 今日も,鉄道自殺がありました。時間は朝の8時45分ごろ,中央線の西荻窪駅構内で,男性が列車に飛び込んだようです。「また中央線か」と思われた方もいるでしょう。首都圏で,自殺が最も多く発生する路線は中央線といわれています。

 はて,本当か。ちょうど,2009年度に発生した鉄道自殺682件のデータベースを作成したところですので,それを分析してみることにしました。原資料は,国土交通省に情報公開申請をして入手したものです。詳細は,2月17日の記事を参照してください。


 まず,どの会社の路線で自殺が多いのかをみてみましょう。件数が上位10位の会社を掲げました。1位は,JR東日本で261件です。これだけで,682件全体の38%,およそ4割を占めます。JRは営業路線が多いので,自ずと件数が多くなるのでしょうが,私鉄でみると,東武,名鉄,西武,東急,そして小田急という順序です。

 以上の点について私的な解釈を加えてもあまり意味はありませんが,これら10社の路線での自殺が,全件数の約9割を占めていることを少し強調しておこうと思います。では,自殺が多発する具体的な路線名を紹介しましょう。上位20位まで示します。


 1位は,巷の通説がいうように,中央線でした。年間32件です。1年は365日ですから,中央線では,おおよそ11日に1件の割合で自殺が起きていることになります。次は,東北本線,東海道本線ですが,場所は,首都圏内が大半です。私鉄でみると,1位は東武東上線,2位は西武池袋線です。いずれも,都心から埼玉方面へ向かう路線です。

 東武東上線のどこで自殺が多く起きているかというと,「大山駅から中板橋駅の間」が4件となっています。都内でも,最も自殺が多い場所です。鉄道と一般道路を仕切る柵が低いなど,飛び込みを誘発する要因でもあるのでしょうか。

 次回は,東京都内で起きた143件に限定して,発生件数の地域マップをお見せします。