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2011年3月1日火曜日

鉄道自殺④

 前回は,自殺が多い鉄道会社,路線を明らかにしました。今回は,場所に着眼したいと思います。分析対象は,2009年度に東京都内で発生した鉄道自殺143件です。

 私が入手した当局の資料には,自殺の場所が記録されています。3件以上起きているデンジャラス・スポットは,東武東上線の「大山~中板橋駅間」4件,地下鉄日比谷線の竹ノ塚駅構内3件,東京駅構内3件,有楽町駅構内3件,でした。このように細かくみても傾向がつかみにくいので,大雑把に,都内の市区町別に発生件数を集計し,地図化してみました。


 黒色は,年度間に10件以上起きている地域です。板橋区と千代田区です。両区は,先ほど紹介したデンジャラス・スポットがある地域です。赤色(5~9件)の地域は,都心のターミナル駅からほど遠くない所に位置しています。郊外よりも,都心に近い地域で自殺は多発する傾向にあるようです。最近,中央線の国立から立川間が高架化されましたが,郊外では,高架路線が多いためでしょうか。

 もっと多くのデータを集めれば,より明確な傾向が出てくることでしょう。国土交通省には,2002年度からの鉄道自殺のデータが保存されているようです。これらを全部集めれば,6,000件ほどのケースを擁する,すごいデータベースができ上がります。私1人では大変ですので,来年度の社会数学の授業で,学生さんの力を借りようかと思います。課題「みんなでつくろう。東京都内の鉄道自殺マップ」です。