本日,大腸内視鏡検査を受けてきました。そのいきさつの記録です。
私は毎年,横須賀市の成人特定健康診断を受けています。会社員なら強制的に健診は受けさせられますが,私のような在野人は,自分で手配しないといけません。まあ市から送られてくる受診券を持って,近くのかかりつけ医に行くだけですが。
有料のオプションとして,胸部検査や大腸がん検診もついています。後者については躊躇する人も多いでしょうが,私は毎年受けることにしています。お肉をバクバク食べますのでね。
昨年の11月半ば,渡された検査キットを使って,自宅にて便を採取しました。正確さを期すため2回行うのですが,2回目は,お尻を拭いたトイレットペーパーに血がついていました。排便の時に,肛門が切れるような感覚があり,おそらく痔だなと思いました。しかし便に血が混ざってしまった可能性が高く,これは陽性と出るな,と覚悟を決めました。
1か月経った12月半ば,検査結果を聞きにいったら,案の定,「大腸がん検診が陽性と出ています」と,ドクターから通告されました。「陽性と出た人には,精密検査を受けてもらうことになっています」と言われ,検査をやってくれる医院を紹介されました。
私は翌日,紹介状をもって,当該の医院に出向きました。ドクターと面会し,「大腸内視鏡検査を受けていただきます」と言われ,詳しい説明を受けました。肛門から内視鏡を挿入し,大腸内をくまなく観察し,がんが潜んでないかを調べる検査です。そして,検査に必要とのことで,血液を採取しました。
その後,受付の人と日程を調整し,年明けの1月19日に検査することになりました。検査前日の食事制限について説明した資料と,検査当日に飲む下剤を受け取り,家路につきました。
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年が明け,検査前日の18日がやってきました。ツイッターにも書きましたが,この日は食事制限です。消化されにくく,腸内に残ってしまうような食べ物はNG。具体的には,繊維が多いキノコ類や海藻類,野菜もです。
消化されやすいメニューを少量食べてほしい,とのこと。病院から渡された「おすすめメニュー」に従い,次のようにしました。朝は食パン1枚と目玉焼き,昼は素うどん1杯,夜はおかゆです。当然,空腹でお腹がグーグー鳴りましたが,キャンディーをなめて空腹感をまぎらわせました。夜の9時に,指定された下剤をのみ,早めに就寝しました。
さて検査当日。この日は朝から絶食で,腸内をカラにするための強力な下剤を飲みます。私が飲むように指示されたのは,マグコロール1.8リットルです。粉が入った容器に水を入れ,よく混ぜて完成。これを10分間隔でコップ1杯ずつ,時間をかけて飲み干していきます。
大腸内視鏡検査で一番辛いのは,大量の下剤を飲まされることだ,という体験談がネット上に溢れかえっていますが,私は嫌な感じはしませんでしたね。味はポカリそのもので,まずくも何ともない。
飲み始めてから30分ほどで,強烈な便意が襲ってきました。お腹をキューと締め付けられるような感じです。トイレに座ったら,出るわ出るわ。その後もおよそ15分間隔でトイレに行き,6回くらい排便したら,粒一つない完全な水便になりました。
これで前処置は完了。指定された14:15に医院に行き,血圧を測定して待合室でちょっと待ちました。検査室に呼ばれ,検査(手術)への同意書を提出。体調や病歴について問診を受けた後,検査服に着替えました。下は,お尻の部分に穴が開いている半パンです。
さあ,いよいよ検査開始。検査台に横向きに寝ころび,左手をさしだして,鎮静剤を注入するための針をさしてもらいます。それからドクターによって鎮静剤が注入されると,意識が朦朧とします。「眠いでしょ。寝ちゃっていいよ」というドクターの声は覚えていますが,それからの記憶はなし。「終わりましたよ」と,看護師さんに肩を揺さぶられて目覚めました。
その後,30分ほど休み,フラフラとした足取りで脱衣所に移動し,検査服を脱ぎました。着替えて待合室でちょっと待ち,診察室に呼ばれてドクターから結果の説明。開口一番,「異常はありませんでした」とのこと。安堵しました。腸内の写真をいただきましたが,ポリープ1つも見つからなかったそうです。
どうやら,便潜血検査で陽性と出たのは「痔」のためだったようです。「今後3年間は,便潜血検査で陽性と出ても,精密検査を受ける必要はない」と言われました。すなわち,便潜血検査を受ける必要はないと。また3年後の2027年1月に,大腸内視鏡検査を受けることとしましょう。
毎年,ちまちまと便潜血検査を受けるより,3年に1回,内視鏡検査を受けるほうがいいかもしれませんね。こちらのほうがずっと精度は高いですし。ちなみに費用は保険診療なんで6000円ほどでした。ポリープ切除の場合はもっと高くなりますが,異常なしの場合はこんなものです。
大腸内視鏡検査というと躊躇する人が多いと聞きます。医者から受けるように進言されても受けないままで,がんが進行し,人工肛門になってしまう人もいます。
しかしやってみると,何のことはありません。がん年齢と言われる40歳を過ぎたら,一度,受けてみるといいと思います。日本人の半分が生涯のうちにがんを患うという統計があり,部位別にみると大腸がんは上位に挙がっています(女性では首位)。食生活の洋風化(肉食化)が進んでいるのもあるでしょう。
便潜血検査で陽性反応が出て,内視鏡検査を受けるよう通告され,あたかも死刑宣告を受けたかのように不安におののいている人もいるかと思いますが,私の体験記が不安低減に役立てば幸いです。
便潜血検査で陽性となるのは6%,そのうち内視鏡検査で大腸がんが見つかるのは5%。こういう数字も,頭の片隅におきましょう。