2015年2月15日日曜日

非親族世帯人員の割合

 最近,ルームシェアなるものが流行っているそうですが,これをやっている学生さんにたまに出会うことがあります。「友達と住んでるんで・・・」ってやつです。

 基幹統計の『国勢調査』では,この種の者は非親族世帯の人員としてカウントされます。「2人以上の世帯員からなる世帯のうち,世帯主と親族関係にない者がいる世帯」で暮らしている者です。以下では,非親族世帯人員ということにしましょう。

 こういう人間は若者に多いと思われますが,2010年の『国勢調査』によると,20代の非親族世帯人員は31万人ほどとなっています。ベースの20代人口は1372万人ですので,出現率にすると2.35%,およそ43人に1人です。ほう,結構いるのですね。

 非親族世帯人員の出現率を1歳刻みで出しグラフにすると,下図のようになります。全国と東京の曲線を描いてみました。


 20代後半に山があるきれいな型です。全国よりも,大都市の東京で出現率は高くなっています。東京のピークは27歳の4.39%です。23人に1人が,非親族世帯の住人ということになります。

 この中には,友人などと一緒に住んでいるルームシェアのほか,恋人との同棲も含まれます,遠い親類の家に下宿なんていうのは「下宿・間借り」の世帯とみなされますので,含まれないと思われます。会社の寮に入っている者や入院中の者なども,別個のカテゴリーがありますので,ここでみている非親族世帯の中には入らないと考えられます。

 上図からもうかがえるように,この指標は都市部の若年層で高いのですが,首都圏(1都3県)の20代の出現率マップをつくってみましたので,ご覧にいれましょう。各区市町村の20代の非親族世帯人員数を,ベースの20代人口で除した値です。単位は%です。


 首都圏の中でも,東京都内の特別区部に濃い色が多くなっています。やはり都市性と関連があるようですね。マックスは東京の新宿区の8.48%となっています。およそ12人に1人なり。

 1都3県の243区市町村のランキング表も作成しましたので,上位40位までの部分を載せておきます。若者のルームシェアや同棲が相対的に多い地域の顔ぶれとみても,大きな間違いではないでしょう。


 ここで注目した非親族世帯は,最近定義が変わったようなので,過去との比較ができないのが残念なのですが,以前に比して増えていることは確かでしょう。新たなライフスタイルの浸透度の指標として,これから先,注視していきたい指標です。