月末の恒例,教員不祥事報道の整理です。今月,私がネット上でキャッチした不祥事報道は41件でした。後期授業が始まりネット探索の時間が短くなったので,オチがあるかもしれませんが,拾った分を記録しておきます。
今月は,女性教員のケースが比較的多いように思います。同僚の財布を盗む,スーパーでの万引きなど,生活困窮に関わる犯罪が見受けられます。件の詳細を知りたい方は,記事名でググられたし。
教員の不祥事報道収集作業は今年1月から始めていますが,1月は40件,2月は85件,3月87件は,4月は42件,5月は55件,6月は49件,7月は53件,8月は37件,そして9月の41件というように推移しています。総計489件。
だいぶ数がたまってきました。もう少しで,地域,校種,性,年齢によるクロス集計にたえる数になるでしょう。教員の不祥事発生の条件分析です。今後も,記事収集を継続いたします。
<2013年9月の教員不祥事報道>
・中学校水浸しにした疑い、教諭を再逮捕へ(9/3,朝日,愛知,中,男,26)
・女子中学生徒の体触った男性教諭免職に 車や学校内でキス
(9/3,埼玉新聞,埼玉,中,男,29)
・外国語指導助手、店で女性の腰など触った疑い (9/3,読売,長崎,高,男,33)
・帰省先でスカート内盗撮、小学校講師を懲戒免職(9/3,読売,京都,小,男,23)
・教員が突き飛ばし、生徒骨折 横須賀市立中、公表せず (9/4,朝日,神奈川,中,男,30代)
・いたずらを注意、平手で20人殴った野球部顧問(9/4,読売,兵庫,中,男,29)
・教諭が腹蹴り、中2男子重傷 横浜市教委、公表せず (9/5,朝日,中,男,40代)
・児童生徒、4人がけが 神奈川県教委、体罰の6教諭処分
(9/6,朝日,神奈川,小41,高53,高51,高52,小45,中54 *性別は不明)
・高2女子の尻、駅ホームで触った支援学校教諭 (9/6,読売,大阪,特,男,44)
・「用足そうと思って」住居侵入…教諭を処分 (9/7,読売,福岡,中,男,50代)
・酒気帯び運転の中学教諭を懲戒免職(9/10,アットエス,静岡,中,男,54)
・女性教諭、同僚女性らの財布から現金盗む(9/11,読売,兵庫,小,女,27)
・「居酒屋で飲んだ」酒気帯び運転の女性教諭逮捕(9/12,読売,京都,中,女,45)
・暴行の疑いで教諭を書類送検(9/12,山形新聞,山形,小,男,40代)
・<懲戒免職>密輸とわいせつの2教諭処分(9/12,毎日,愛知,小男43,中男43)
・窃盗:小学校教諭が児童の積立金 容疑で再逮捕(9/12,毎日,広島,小,男,25)
・盗撮容疑で免職、酩酊し迷惑行為 群馬で2教諭を懲戒
(9/13,朝日,群馬,盗撮:高男54,迷惑行為:高男27)
・女性臨時講師、教員免許更新忘れ5か月教壇に(9/13,読売,大阪,特,女,38)
・麻薬密輸入など2教諭免職処分
(9/13,読売,愛知,麻薬密輸入:小男43,わいせつ:中男43)
・体罰で教諭2人減給 部活で平手打ち、過剰指導
(9/14,福島民友新聞,福島,高男30代,中男30代)
・小学校講師、うそ110番=軽犯罪法違反容疑で書類送検
(9/14,時事通信,大阪,小,男,33)
・高校教諭 生徒289人の情報記載した手帳紛失(9/16,読売,岐阜,高,女,30代)
・忘れ物の罰、はだしでランニング…68人けが (9/17,読売,兵庫,中,男,20代)
・高校男子バレー部顧問が平手打ちの体罰 映像ネットに投稿で発覚
(9/17,静岡新聞,静岡,高,男,41)
・「裸写真ばらまく」と脅した教員を懲戒免職(9/18,産経,埼玉,小,男,29)
・麻薬所持容疑、教諭逮捕(9/19,時事通信,神奈川,高,男,56)
・給食アレルギー事故で処分(9/19,時事通信,東京,小,男,29)
・セクハラ・中抜け…大阪市公募3校長、不祥事か
(9/20,読売,大阪,セクハラ・中抜け・教頭に土下座させる)
・スカート内スマホ盗撮した小学校教諭、懲戒免職(9/21,読売,宮城,小,男,45)
・<飲酒運転>中学校教諭逮捕 「居酒屋でビール」(9/21,毎日,大阪,中,男,33)
・スーパーで万引きした教諭「生活費惜しかった」 (9/22,読売,埼玉,中,女,49)
・買春教諭を懲戒免職処分(9/25,アットエス,静岡,小,男,56)
・福岡・柳川高で陸上部監督が女子部員に平手打ち(9/25,読売,福岡,高,男,55)
・同僚の女性につきまといの教諭ら戒告
(9/25,神戸新聞,兵庫,つきまとい:小男30代,セクハラ:小男50代)
・体罰で中1男子が手首骨折、教諭に押し倒される (9/26,読売,山口,中,男,40代)
・生徒平手打ちの教諭、戒告処分 茨城県立高
(9/26,朝日,茨城,体罰:高男47,酒気帯び運転:高男28,盗撮:高男25)
・女子部員にスリッパ投げ平手打ち、女性教諭停職(9/27,読売,宮崎,高女32,高男25)
・女性看護師に一目ぼれ、つきまとった市立中教諭(9/28,読売,千葉,中,男,51)
・中学校長、酔って追い抜きざまに女性触った疑い(9/30,読売,宮城,中,男,58)
・知人女性にストーカー行為 館山の中学校教諭逮捕(9/30,産経,千葉,中,男,51)
・給料差し押さえに「火つけたる」 市役所に電話、容疑の中学講師逮捕
(9/30,産経,大阪,中,男,53)
2013年9月30日月曜日
2013年9月28日土曜日
男性の年収の正規・非正規格差
昨日の朝日新聞Web版に,「民間給与2年連続の減少,非正規と正規の差300万円」と題する記事が載っています。紹介されているデータの出所は,国税庁の『民間給与実態統計調査』です。
http://www.asahi.com/business/update/0927/TKY201309270334.html
2012年調査より,正規と非正規とに分けた集計を始めたとのこと。それによると,2012年の平均年収は正規雇用者で468万円,非正規雇用者で168万円だったそうな。なるほど。記事のタイトルでいわれている通り,その差は300万円。スゴイ差です。
ところで,雇用形態別の年収統計は,総務省の『就業構造基本調査』にも掲載されています。こちらは,公務員等も含む全有業者のものです。また,性別・年齢層別の細かいデータも知ることができます。
私はこの資料を使って,男性雇用者の年収の正規・非正規格差がどれほどかを,仔細に明らかにしてみました。ファインディングスのいくつかをツイッターで発信したところ,みてくださった方が何人かおられます。ここにて,その全貌をご覧いただきましょう。
まずは,15歳以上の男性雇用者全体の年収をみてみます。下表は,2012年の『就業構造基本調査』をもとに作成した,正規雇用者と非正規雇用者の年収分布表です。
2012年10月時点でみると,年収が分かる正規雇用者は2,255万人,非正規雇用者はが638万人であり,だいたい「4:1」です。男性に限ると,まあこんなものでしょう。
しかし,年収の分布はだいぶ違っていて,正規では300万円台,非正規では100万円台前半が最も多くなっています。低すぎないかと思われるかもしれませんが,10代後半や高齢層も含みますので,違和感はありません。
この分布をもとに,正規と非正規の平均年収を出してみましょう。度数分布表から平均値を出すやり方は,ご存知ですよね。各階級の値を,一律に中間の値(階級値)とみなしてしまいます。年収300万円台の正規雇用者441.8万人の年収は,一律に中間の350万円と仮定するのです。上限のない1,500万円以上の階級は,2,000万円ということにしましょう。
この場合,正規雇用者の平均年収は,以下のようにして求められます。全体を100とした相対度数を使ったほうが,計算が楽です。
[(25万×0.3人)+(75万×0.5人)+・・・(2000万×0.6人)]/100.0人 ≒ 500.7万円
男性の正規の年収は500.7万円ですか。同じ方法で非正規の年収を出すと187.8万円となります。男性だけのデータで,かつ公務員等も含みますので,冒頭の新聞記事で紹介されていた,『民間給与実態統計調査』の数値よりも高めになっています。これでみると,正規と非正規の差は312.8万円なり。結構な開きがありますね。
これは全年齢層の男性雇用者の平均年収ですが,正規と非正規の差は,年齢層によって異なるでしょう。私は,男性の正規・非正規の平均年収を5歳刻みで計算し,各層の値をつないだ折れ線グラフを描いてみました。下図の左側は全国,右側は大都市の東京のものです。
正規は加齢とともに年収がアップしますが,非正規はそれがありません。よって年収の開きはだんだん大きくなり,左の全国でいうと,50代前半では420万円もの差が出るようになります。東京はもっとすごく,同年齢の正規・非正規の差は553万円,倍率にすると前者は後者の3.3倍です。これはもう,「差」ではなく「格差」ですよね。
上図から,よくいわれる正規・非正規の年収格差は,地域によってかなり異なるのではないかと思われます。私は,自分の年齢層の30代後半について,正規雇用者と非正規雇用者の平均年収を都道府県別に計算してみました。
30代後半の男性といえば,バリバリの働き盛りです。自活を強く期待され,非正規の仕事といえど,それで暮らしを立てている者が大半でしょう。こういうことを念頭に置いて,この層に注目することとしました。
下表は,算出された正規・非正規別の平均年収の一覧です。47都道府県中の最高値には黄色,最低値には青色のマークをしています。正規が非正規の何倍かという倍率も出し,参考までに,非正規雇用者の量的比重も添えました(右端)。
正規・非正規の年収格差が最も大きいのは京都です。正規が465.3万円,非正規が183.4万円で,その差は2.54倍なり。一方,差が最も小さいには広島で,こちらは1.67倍にとどまっています。
広島で差が小さいことの要因は,非正規の年収が高いことです。当県の非正規の年収は273.4万円であり東京よりも高く,全国1位です。
7月13日の記事でみたところによると,この県では最近5年間にかけて,若者のワープア率や非正規率が大きく減じています。加えて,上表から分かるように,非正規雇用者の年収が全国1位ときた。広島では,どういうことをやっているのかしらん。県のホムペをみたところ,「ひろしま若者しごと館」,「若者交流館(広島地域若者サポートステーション)」といった機関での実践がなされているようですが,その内実は如何。
http://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/68/1176968923039.html
最後に,上表の格差倍率を地図化しておきましょう。濃い色の県は,30代後半男性の正規・非正規の年収格差が(相対的に)大きい県です。
首都圏や近畿圏が濃く染まっていることから,正規・非正規の格差は都市部で大きいように思えますが,最下位の広島をはじめ,大阪や福岡が白であることからして,そう単純な構造でもないようです。各県の政策の有様も影響していることでしょう。
正規・非正規の待遇差はあって当然と考える向きもあるでしょうが,属性や地域によっては,許容範囲を逸しているとみられるケースも見受けられます。とくに,ここで重点的にみた30代後半男性などは,非正規といえど,それで生計を立てている者がほとんどです。この層にあっては,正規・非正規の格差が重くのしかかることでしょう。
余談ですが,今朝の読売新聞Web版にて,無差別殺傷事件を起こした犯人の動機の統計が紹介されていました。トップは「自分の境遇への不満」が42.3%でダントツです。雇用の非正規化が進行し,かつ正規・非正規の不当なレベルでの待遇格差が放置されたままの現代日本にあっては,無差別殺傷事件のような惨劇を起こす予備軍が確実に増えてきていることと思います。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130928-OYT1T00192.htm
私は,雇用の非正規化とは働き方の多様化ともとれるものであり,一概に悪いこととはいえまい,という考えを持っています。ですがそれは,非正規といえど人間らしい生活が保障される,という条件を伴う限りです。しかるに,非正規は給与も低く,保険も年金も全部自腹というように,各種の保障から疎外されています。これでは,いつまで経っても「非正規化」というタームは否定的な意味合いでのみ語られることになるでしょう。
ここで私が言いたいのは,どういう働き方(生き方)を選んでも,人間らしい生活が保障される社会でありたい,ということです。この点は,今月26日発刊の『受験ジャーナル』(実務教育出版社)掲載の拙稿でも書かせていただきました。「若者の非正規化・ワープア化」というタイトルの記事です。よろしければ,こちらもご覧いただけますと幸いです。
http://jitsumu.hondana.jp/book/b122778.html
http://www.asahi.com/business/update/0927/TKY201309270334.html
2012年調査より,正規と非正規とに分けた集計を始めたとのこと。それによると,2012年の平均年収は正規雇用者で468万円,非正規雇用者で168万円だったそうな。なるほど。記事のタイトルでいわれている通り,その差は300万円。スゴイ差です。
ところで,雇用形態別の年収統計は,総務省の『就業構造基本調査』にも掲載されています。こちらは,公務員等も含む全有業者のものです。また,性別・年齢層別の細かいデータも知ることができます。
私はこの資料を使って,男性雇用者の年収の正規・非正規格差がどれほどかを,仔細に明らかにしてみました。ファインディングスのいくつかをツイッターで発信したところ,みてくださった方が何人かおられます。ここにて,その全貌をご覧いただきましょう。
まずは,15歳以上の男性雇用者全体の年収をみてみます。下表は,2012年の『就業構造基本調査』をもとに作成した,正規雇用者と非正規雇用者の年収分布表です。
2012年10月時点でみると,年収が分かる正規雇用者は2,255万人,非正規雇用者はが638万人であり,だいたい「4:1」です。男性に限ると,まあこんなものでしょう。
しかし,年収の分布はだいぶ違っていて,正規では300万円台,非正規では100万円台前半が最も多くなっています。低すぎないかと思われるかもしれませんが,10代後半や高齢層も含みますので,違和感はありません。
この分布をもとに,正規と非正規の平均年収を出してみましょう。度数分布表から平均値を出すやり方は,ご存知ですよね。各階級の値を,一律に中間の値(階級値)とみなしてしまいます。年収300万円台の正規雇用者441.8万人の年収は,一律に中間の350万円と仮定するのです。上限のない1,500万円以上の階級は,2,000万円ということにしましょう。
この場合,正規雇用者の平均年収は,以下のようにして求められます。全体を100とした相対度数を使ったほうが,計算が楽です。
[(25万×0.3人)+(75万×0.5人)+・・・(2000万×0.6人)]/100.0人 ≒ 500.7万円
男性の正規の年収は500.7万円ですか。同じ方法で非正規の年収を出すと187.8万円となります。男性だけのデータで,かつ公務員等も含みますので,冒頭の新聞記事で紹介されていた,『民間給与実態統計調査』の数値よりも高めになっています。これでみると,正規と非正規の差は312.8万円なり。結構な開きがありますね。
これは全年齢層の男性雇用者の平均年収ですが,正規と非正規の差は,年齢層によって異なるでしょう。私は,男性の正規・非正規の平均年収を5歳刻みで計算し,各層の値をつないだ折れ線グラフを描いてみました。下図の左側は全国,右側は大都市の東京のものです。
正規は加齢とともに年収がアップしますが,非正規はそれがありません。よって年収の開きはだんだん大きくなり,左の全国でいうと,50代前半では420万円もの差が出るようになります。東京はもっとすごく,同年齢の正規・非正規の差は553万円,倍率にすると前者は後者の3.3倍です。これはもう,「差」ではなく「格差」ですよね。
上図から,よくいわれる正規・非正規の年収格差は,地域によってかなり異なるのではないかと思われます。私は,自分の年齢層の30代後半について,正規雇用者と非正規雇用者の平均年収を都道府県別に計算してみました。
30代後半の男性といえば,バリバリの働き盛りです。自活を強く期待され,非正規の仕事といえど,それで暮らしを立てている者が大半でしょう。こういうことを念頭に置いて,この層に注目することとしました。
下表は,算出された正規・非正規別の平均年収の一覧です。47都道府県中の最高値には黄色,最低値には青色のマークをしています。正規が非正規の何倍かという倍率も出し,参考までに,非正規雇用者の量的比重も添えました(右端)。
正規・非正規の年収格差が最も大きいのは京都です。正規が465.3万円,非正規が183.4万円で,その差は2.54倍なり。一方,差が最も小さいには広島で,こちらは1.67倍にとどまっています。
広島で差が小さいことの要因は,非正規の年収が高いことです。当県の非正規の年収は273.4万円であり東京よりも高く,全国1位です。
7月13日の記事でみたところによると,この県では最近5年間にかけて,若者のワープア率や非正規率が大きく減じています。加えて,上表から分かるように,非正規雇用者の年収が全国1位ときた。広島では,どういうことをやっているのかしらん。県のホムペをみたところ,「ひろしま若者しごと館」,「若者交流館(広島地域若者サポートステーション)」といった機関での実践がなされているようですが,その内実は如何。
http://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/68/1176968923039.html
最後に,上表の格差倍率を地図化しておきましょう。濃い色の県は,30代後半男性の正規・非正規の年収格差が(相対的に)大きい県です。
首都圏や近畿圏が濃く染まっていることから,正規・非正規の格差は都市部で大きいように思えますが,最下位の広島をはじめ,大阪や福岡が白であることからして,そう単純な構造でもないようです。各県の政策の有様も影響していることでしょう。
正規・非正規の待遇差はあって当然と考える向きもあるでしょうが,属性や地域によっては,許容範囲を逸しているとみられるケースも見受けられます。とくに,ここで重点的にみた30代後半男性などは,非正規といえど,それで生計を立てている者がほとんどです。この層にあっては,正規・非正規の格差が重くのしかかることでしょう。
余談ですが,今朝の読売新聞Web版にて,無差別殺傷事件を起こした犯人の動機の統計が紹介されていました。トップは「自分の境遇への不満」が42.3%でダントツです。雇用の非正規化が進行し,かつ正規・非正規の不当なレベルでの待遇格差が放置されたままの現代日本にあっては,無差別殺傷事件のような惨劇を起こす予備軍が確実に増えてきていることと思います。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130928-OYT1T00192.htm
私は,雇用の非正規化とは働き方の多様化ともとれるものであり,一概に悪いこととはいえまい,という考えを持っています。ですがそれは,非正規といえど人間らしい生活が保障される,という条件を伴う限りです。しかるに,非正規は給与も低く,保険も年金も全部自腹というように,各種の保障から疎外されています。これでは,いつまで経っても「非正規化」というタームは否定的な意味合いでのみ語られることになるでしょう。
ここで私が言いたいのは,どういう働き方(生き方)を選んでも,人間らしい生活が保障される社会でありたい,ということです。この点は,今月26日発刊の『受験ジャーナル』(実務教育出版社)掲載の拙稿でも書かせていただきました。「若者の非正規化・ワープア化」というタイトルの記事です。よろしければ,こちらもご覧いただけますと幸いです。
http://jitsumu.hondana.jp/book/b122778.html
2013年9月26日木曜日
明治中期の学齢人員の組成
昨日は,夕方の授業までの間,国会図書館に行ったのですが,職員さんにスゴイことを教えられました。著作権の保護期間が過ぎた明治期の官庁統計のほんとんどは,全文がネット公開されており,自宅でも閲覧できるとのこと。
国立国会図書館の蔵書のデジタル化が進んでいるとは聞いていましたが,館内だけでなく,自宅でみれる資料も多くなっているとは。いやはやスゴイ。
下の写真は,自宅のパソコンで映し出した,明治25年の『文部省年報』の一部です。学齢人員の就学状況の統計です。
9月9日の記事では,明治23年の学齢人員の不就学者率を出しました。不就学者とは,卒業を待たずして小学校を辞めた中退者と,一度も小学校に通ったことがない未就学者の合算です。
しかるに,明治25年以降では,未就学の理由ごとの人数も計上されています。今回は,明治25(1892)年の断面に注目して,学齢人員(6~14歳)の組成がどうであったかを,より仔細に明らかにしてみましょう。明治19年の諸学校令による近代学校体系樹立の6年後ですが,小学校への就学が期待されていた学齢人員のすがたは如何。
私は,この年の学齢男女について,①就学,②中退,③未就学(貧窮による),④未就学(疾病による),⑤未就学(其他の理由による),の構成を明らかにしました。結果を面積図で表現します。
男女とも就学が最も多くなっていますが,調査時点において小学校に通っていない不就学者も結構いたようです。女子では,貧窮という理由での未就学者が3割もいました,貧窮と疾病以外の理由による未就学率は約2割。これは,親の無理解などでしょう。
農業社会で機械化も未進行であった当時にあっては,子どもといえど貴重な労働力でした。また,この頃はまだ,小学校でも授業料が徴収されていました。こういうことから,子を学校にやれない,ないしはやるのを嫌った家庭が多かったであろうと思われます。時代をもっと上がった明治初期では,民衆による「学校焼き討ち」が各地で頻発していたこともよく知られています。
次に,地域別の統計もみていただきましょう。下の図は,都道府県ごとの構成比を表した帯グラフです。男女で分けています。
男子は,沖縄を除いてどの県でも就学率が半分を越えていますが,女子はさにあらず。ほとんどの県で,赤枠の不就学者の比重が大きくなっています。
学齢女子の就学率は,鹿児島では12.8%,沖縄では6.1%に過ぎません。代わって,これらの2県では,家庭の貧窮という理由での未就学者が6割以上もいたことが知られます。へえ,この辺りは,教育史の教科書に載っている全国統計からは分からないことだなあ。初めて知った。
上図の青色は,小学校に通っている就学者の領分ですが,ジェンダー差が大きいですね。「女に学校(学問)はいらん」という考えの表れでしょうが,その程度は地域によって一様ではないようです。
私は,男子の就学率が女子の何倍かを計算してみました。全国統計でいうと,先ほどの面積図から分かるように,ちょうど2倍です(71.7/36.5 ≒ 2.0)。しかし,県ごとにみると,値は大きく変異します。下のジェンダー倍率地図をご覧ください。
北東北や南九州では,学齢子女の就学率のジェンダー差が大きかったようです。鹿児島では,実に5倍もの開きがありました(男子63.7%,女子12.8%)。私の郷里ですが,「・・・」という感じです。今から120年前の統計ですが,「男尊女卑の県」という通説,さもありなん?
以上が,明治中期の断面でみた,6~14歳の学齢人員のすがたです。今でこそ,学齢の子どものほぼ全員が義務教育学校に就学していますが,昔はそうではなかった。また,性や地域によるバリエーションもきわめて大きかった。このことを押さえておきたいと思います。
さて,昔の『文部省年報』が自宅で見放題ということが分かったので,戦前期の教育現実の発掘作業にも力点を置こうと思います。
今度は,学齢が終わった後の進路分化の様相を明らかにしてみたいな。戦前期は複線型の学校体系でしたが,中学校,高等女学校,実業学校,師範学校など,多様な中等教育諸機関への配分構造はどうであったか。
当時の資料は充実しており,入学者の家庭の職業なども知ることができるので,出身階層ごとの傾向も分かります。師範学校に入った者,すなわち教員を志したのはどういう階層の子弟であったか,という問題を追及することだってできます。
さらに,中学校,高等学校を経て,最高峰の帝国大学まで上りつめることができたのは,同世代のどれほどだったか,という点も知りたい。
原資料を自宅で思う存分見れる。この恩恵は,一部の研究者だけではなく,万人に開かれています。せいぜい活用しようではありませんか。
国立国会図書館の蔵書のデジタル化が進んでいるとは聞いていましたが,館内だけでなく,自宅でみれる資料も多くなっているとは。いやはやスゴイ。
下の写真は,自宅のパソコンで映し出した,明治25年の『文部省年報』の一部です。学齢人員の就学状況の統計です。
9月9日の記事では,明治23年の学齢人員の不就学者率を出しました。不就学者とは,卒業を待たずして小学校を辞めた中退者と,一度も小学校に通ったことがない未就学者の合算です。
しかるに,明治25年以降では,未就学の理由ごとの人数も計上されています。今回は,明治25(1892)年の断面に注目して,学齢人員(6~14歳)の組成がどうであったかを,より仔細に明らかにしてみましょう。明治19年の諸学校令による近代学校体系樹立の6年後ですが,小学校への就学が期待されていた学齢人員のすがたは如何。
私は,この年の学齢男女について,①就学,②中退,③未就学(貧窮による),④未就学(疾病による),⑤未就学(其他の理由による),の構成を明らかにしました。結果を面積図で表現します。
男女とも就学が最も多くなっていますが,調査時点において小学校に通っていない不就学者も結構いたようです。女子では,貧窮という理由での未就学者が3割もいました,貧窮と疾病以外の理由による未就学率は約2割。これは,親の無理解などでしょう。
農業社会で機械化も未進行であった当時にあっては,子どもといえど貴重な労働力でした。また,この頃はまだ,小学校でも授業料が徴収されていました。こういうことから,子を学校にやれない,ないしはやるのを嫌った家庭が多かったであろうと思われます。時代をもっと上がった明治初期では,民衆による「学校焼き討ち」が各地で頻発していたこともよく知られています。
次に,地域別の統計もみていただきましょう。下の図は,都道府県ごとの構成比を表した帯グラフです。男女で分けています。
男子は,沖縄を除いてどの県でも就学率が半分を越えていますが,女子はさにあらず。ほとんどの県で,赤枠の不就学者の比重が大きくなっています。
学齢女子の就学率は,鹿児島では12.8%,沖縄では6.1%に過ぎません。代わって,これらの2県では,家庭の貧窮という理由での未就学者が6割以上もいたことが知られます。へえ,この辺りは,教育史の教科書に載っている全国統計からは分からないことだなあ。初めて知った。
上図の青色は,小学校に通っている就学者の領分ですが,ジェンダー差が大きいですね。「女に学校(学問)はいらん」という考えの表れでしょうが,その程度は地域によって一様ではないようです。
私は,男子の就学率が女子の何倍かを計算してみました。全国統計でいうと,先ほどの面積図から分かるように,ちょうど2倍です(71.7/36.5 ≒ 2.0)。しかし,県ごとにみると,値は大きく変異します。下のジェンダー倍率地図をご覧ください。
北東北や南九州では,学齢子女の就学率のジェンダー差が大きかったようです。鹿児島では,実に5倍もの開きがありました(男子63.7%,女子12.8%)。私の郷里ですが,「・・・」という感じです。今から120年前の統計ですが,「男尊女卑の県」という通説,さもありなん?
以上が,明治中期の断面でみた,6~14歳の学齢人員のすがたです。今でこそ,学齢の子どものほぼ全員が義務教育学校に就学していますが,昔はそうではなかった。また,性や地域によるバリエーションもきわめて大きかった。このことを押さえておきたいと思います。
さて,昔の『文部省年報』が自宅で見放題ということが分かったので,戦前期の教育現実の発掘作業にも力点を置こうと思います。
今度は,学齢が終わった後の進路分化の様相を明らかにしてみたいな。戦前期は複線型の学校体系でしたが,中学校,高等女学校,実業学校,師範学校など,多様な中等教育諸機関への配分構造はどうであったか。
当時の資料は充実しており,入学者の家庭の職業なども知ることができるので,出身階層ごとの傾向も分かります。師範学校に入った者,すなわち教員を志したのはどういう階層の子弟であったか,という問題を追及することだってできます。
さらに,中学校,高等学校を経て,最高峰の帝国大学まで上りつめることができたのは,同世代のどれほどだったか,という点も知りたい。
原資料を自宅で思う存分見れる。この恩恵は,一部の研究者だけではなく,万人に開かれています。せいぜい活用しようではありませんか。
2013年9月24日火曜日
夫婦の就業タイプの国際比較
世には無数の夫婦が存在しますが,就業という点で分類すると,夫・妻ともフルタイムでバリバリ働いている夫婦もあれば,夫がフルタイム就業,妻は家計の補助的なパートないしは専業主婦という型もみられます。わが国では,後者のいわゆる伝統的な夫婦が多いことでしょう。
こうした夫婦タイプの構成がどうなっているかですが,国内の時代比較や地域比較はよく見かけます。しかるに国際比較の資料はないものかと前から思っていたのですが,PISAの生徒質問紙調査のデータを使うことで,実態を明らかにできることを知りました。
PISAとは,各国の15歳の生徒を対象に,OECDが定期的に実施している国際学力調査ですが,対象生徒の生活や意識について尋ねる質問紙調査も含まれています。そこでは,父母の就業状態について尋ねており,①フルタイムで働いている,②パートタイムで働いている。③働いていないが,仕事を探している,④専業主婦(夫)・退職など,のいずれかを選んでもらっています。
私は,各国の生徒の回答を,フルタイム就業(①)とその他(②~④)の2区分にリコードしました。こうすると,生徒の父母の就業組み合わせとして,2×2=4タイプが析出されることになります。
最新のPISA2009の結果によると,父母双方の就業状態が判明する日本の生徒は5,503人です。このうち,父がフルタイム就業,母がその他という者が3,287人で最も多くなっています。全体の約6割が,こうした伝統タイプであることが知られます。
では,想定される4タイプの内訳をみてみましょう。下図は,各タイプの相対量を正方形の面積で表現したものです。比較対象として,北欧のスウェーデンの結果も描いています。ちなみに,ここで提示するデータは,上記調査の未加工データを,私が独自に加工して作成したものであることを申し添えます。ローデータは,下記サイトよりDL可能です。
http://pisa2009.acer.edu.au/downloads.php
日本では,「父フルタイム&母その他(パート,専業主婦等)」という伝統型が最多ですが,スウェーデンでは,父母ともフルタイムという生徒が最も多くなっています。母がフルタイムで父がその他という非伝統型が,わが国より多いのも注目されます。
スウェーデンは,女性の社会進出が進んだ国といわれますが,15歳生徒の親世代夫婦(40代くらい)の就業組み合わせタイプにも,それが表れていますね。
PISA2009の対象となっているのは74か国ですが,他の社会のタイプ構成も明らかにしてみました。その全貌を示すことはできませんが,量的に多い第1象限(右上)と第4象限(右下)の比重をご覧にいれましょう。
下図は,横軸に「父フルタイム&母その他」型,縦軸に「父母ともフルタイム」型の生徒比率をとった座標上に,74の社会をプロットしたものです。
フルタイム共働き型が伝統型より多い社会とその逆の社会は,数的にはほぼ半々です。大雑把にいうと,北欧諸国や米英仏は前者に属し,日本やアジア・アフリカ諸国は後者に属します。男女共同参画,女性の社会進出の進展具合を表す,一つの見取り図とみてよいでしょう。ドイツが右下にあるのがちょっと意外ですが・・・。
昨年実施されたPISA2012の結果は,今年の12月に公表されます。2012年のわが国の位置はどうなっているでしょう。斜線(均等線)を越え,フルタイム共働き型が伝統型より多い社会の仲間入りを果たしているでしょうか。ここ数年の男女共同参画政策の成果は如何。
なお,ここで検出した父母の就業タイプによって,生徒の社会化の有様がどう異なるかも興味深いところです。たとえば,フルタイム共働き型や非伝統型(父その他,母フルタイム)の家庭では,生徒,とりわけ女子生徒の将来展望はどういう方向に仕向けられるでしょう。
PISAの生徒質問紙調査では,将来展望をはじめとした各種の生活意識についても問うています。父母の就業タイプをコアにしたクロス集計により,この点を吟味することが可能です。面白い結果が出ましたら,ご報告します。
こうした夫婦タイプの構成がどうなっているかですが,国内の時代比較や地域比較はよく見かけます。しかるに国際比較の資料はないものかと前から思っていたのですが,PISAの生徒質問紙調査のデータを使うことで,実態を明らかにできることを知りました。
PISAとは,各国の15歳の生徒を対象に,OECDが定期的に実施している国際学力調査ですが,対象生徒の生活や意識について尋ねる質問紙調査も含まれています。そこでは,父母の就業状態について尋ねており,①フルタイムで働いている,②パートタイムで働いている。③働いていないが,仕事を探している,④専業主婦(夫)・退職など,のいずれかを選んでもらっています。
私は,各国の生徒の回答を,フルタイム就業(①)とその他(②~④)の2区分にリコードしました。こうすると,生徒の父母の就業組み合わせとして,2×2=4タイプが析出されることになります。
最新のPISA2009の結果によると,父母双方の就業状態が判明する日本の生徒は5,503人です。このうち,父がフルタイム就業,母がその他という者が3,287人で最も多くなっています。全体の約6割が,こうした伝統タイプであることが知られます。
では,想定される4タイプの内訳をみてみましょう。下図は,各タイプの相対量を正方形の面積で表現したものです。比較対象として,北欧のスウェーデンの結果も描いています。ちなみに,ここで提示するデータは,上記調査の未加工データを,私が独自に加工して作成したものであることを申し添えます。ローデータは,下記サイトよりDL可能です。
http://pisa2009.acer.edu.au/downloads.php
日本では,「父フルタイム&母その他(パート,専業主婦等)」という伝統型が最多ですが,スウェーデンでは,父母ともフルタイムという生徒が最も多くなっています。母がフルタイムで父がその他という非伝統型が,わが国より多いのも注目されます。
スウェーデンは,女性の社会進出が進んだ国といわれますが,15歳生徒の親世代夫婦(40代くらい)の就業組み合わせタイプにも,それが表れていますね。
PISA2009の対象となっているのは74か国ですが,他の社会のタイプ構成も明らかにしてみました。その全貌を示すことはできませんが,量的に多い第1象限(右上)と第4象限(右下)の比重をご覧にいれましょう。
下図は,横軸に「父フルタイム&母その他」型,縦軸に「父母ともフルタイム」型の生徒比率をとった座標上に,74の社会をプロットしたものです。
フルタイム共働き型が伝統型より多い社会とその逆の社会は,数的にはほぼ半々です。大雑把にいうと,北欧諸国や米英仏は前者に属し,日本やアジア・アフリカ諸国は後者に属します。男女共同参画,女性の社会進出の進展具合を表す,一つの見取り図とみてよいでしょう。ドイツが右下にあるのがちょっと意外ですが・・・。
昨年実施されたPISA2012の結果は,今年の12月に公表されます。2012年のわが国の位置はどうなっているでしょう。斜線(均等線)を越え,フルタイム共働き型が伝統型より多い社会の仲間入りを果たしているでしょうか。ここ数年の男女共同参画政策の成果は如何。
なお,ここで検出した父母の就業タイプによって,生徒の社会化の有様がどう異なるかも興味深いところです。たとえば,フルタイム共働き型や非伝統型(父その他,母フルタイム)の家庭では,生徒,とりわけ女子生徒の将来展望はどういう方向に仕向けられるでしょう。
PISAの生徒質問紙調査では,将来展望をはじめとした各種の生活意識についても問うています。父母の就業タイプをコアにしたクロス集計により,この点を吟味することが可能です。面白い結果が出ましたら,ご報告します。
2013年9月22日日曜日
幼子がいる共働き夫婦の家事分担
家庭は,成員の生活保障・情緒安定を図り,子を育てることを主な機能とする第一次集団ですが,その機能遂行は成員の協働によってなされるべきものです。核家族化が進んだ現代にあっては,とりわけ夫婦間の役割分担が重要であるといえましょう。
しかるにわが国では,家事の担い手が妻に偏している家庭が多いといわれます。夫婦ともに就業している共働き世帯であっても然りです。
この点を可視化できるデータがないものかと,総務省『社会生活基本調査』の統計表一覧を眺めていたところ,夫・妻の家事時間別に世帯の数を集計したクロス表があることに気づきました。ありがたいことに,末子の年齢ごとの区分けもなされています。
http://www.stat.go.jp/data/shakai/2011/index.htm
最新の2011年調査によると,0歳の乳児がいる共働き世帯で,平日の夫・妻双方の家事時間が分かる世帯数は30万5千世帯です。これらの世帯を,「夫の家事時間×妻の家事時間」のマトリクス上に散りばめると,下表のようになります。
前後しますが,ここでいう家事とは,「家事,介護・看護,育児及び買い物」の時間のことをいいます(用語解説)。
平日の1日あたりの家事時間ですが,夫はゼロ,妻が10時間以上という世帯が5万9千世帯で最も多くなっています。全体の19.3%に相当。家事分担が妻に著しく偏した家庭が,全体の5分の1をも占めています。
青色のセルは,妻の家事時間が夫より5時間以上長い世帯ですが,これらを合計すると24万4千世帯であり,全体の8割にもなります。
これが,乳児がいる共働き世帯でみた,夫婦の家事分担の実態です。妻が育休取得中とか数時間のパート勤務とかいう事情もあるでしょうが,この偏りには驚かされます。
さて,上記の表の位置に依拠して,夫婦間の家事分担のタイプ分けをしてみましょう。青色は先ほど述べたように,妻の家事時間が夫より5時間以上長い世帯です。妻に著しく偏した型であり,「妻≫夫」型としておきましょう。
赤色は,妻の家事時間が夫より5時間未満長い世帯なり。これは,「妻>夫」型とします。緑色は,夫と妻の家事時間が同じくらいの「均等」型です。最後の紫色は,夫の家事時間が妻よりも長「妻<夫」型なり。
上表の30万5千世帯をこの4タイプに分かつと,「妻≫夫」型が80.0%,「妻>夫」型が17.0%,「均等」型が1.6%,「妻<夫」型が1.3%,という構成です。夫が妻と同程度か,あるいはそれ以上家事をしている世帯は,やはり少ないですねえ。
これは,0歳の乳児がいる共働き世帯の平日のデータですが,土曜や日曜ではどうでしょう。また,子どもがより大きくなった時点では如何。私は,曜日別・末子の発達段階別に,共働き世帯の家事分担のタイプ構成を明らかにしました。
末子の発達段階は,乳児(0歳),乳幼児(1~2歳),幼児(3~5歳),児童(6~8歳),という4段階に分けています。
仕事が休みの土曜・日曜では,「均等」型や「妻<夫」型の世帯の比重がちょっと増えてきます。「ちょっと」です。
子どもの発達段階別にみると,乳児段階では「妻≫夫」型が多くなっていますね。上述のように,平日では全体の8割がこのタイプです。生後間もない乳児の場合,授乳など,母親でしかなし得ないことが多いためと思われます。しかし,土日でもこのタイプが半分以上とは・・・。
曜日や子どもの発達段階といった条件による変異はありますが,上図を全体的にみて,青色や赤色の比重が大きいことが知られます。女性の社会進出とともに男性の「家庭進出」をも促すことで,緑色や紫色の比重を意図的に増やしていくことが求められるでしょう。
乳児がいる世帯の平日では,「均等」型や「妻<夫」型はほんのわずか(2.7%)しかいませんが,これなどは,男性の育休取得が困難であることの表れであるとみられます。
『社会生活基本調査』は5年おきの実施ですが,2016年データでは,どういう図柄になっていることか。男女共同参画の取組が盛んになっていますが,男女の共同参画は職域のみならず家庭においても求められます。
政府が定期的に策定する『男女共同参画基本計画』では,上図でいう「均等」型ないしは「妻<夫」型が何%,というような数値目標を立てたらどうでしょう。こういう面の数値化・計測も積極的に行いたいものです。
しかるにわが国では,家事の担い手が妻に偏している家庭が多いといわれます。夫婦ともに就業している共働き世帯であっても然りです。
この点を可視化できるデータがないものかと,総務省『社会生活基本調査』の統計表一覧を眺めていたところ,夫・妻の家事時間別に世帯の数を集計したクロス表があることに気づきました。ありがたいことに,末子の年齢ごとの区分けもなされています。
http://www.stat.go.jp/data/shakai/2011/index.htm
最新の2011年調査によると,0歳の乳児がいる共働き世帯で,平日の夫・妻双方の家事時間が分かる世帯数は30万5千世帯です。これらの世帯を,「夫の家事時間×妻の家事時間」のマトリクス上に散りばめると,下表のようになります。
前後しますが,ここでいう家事とは,「家事,介護・看護,育児及び買い物」の時間のことをいいます(用語解説)。
平日の1日あたりの家事時間ですが,夫はゼロ,妻が10時間以上という世帯が5万9千世帯で最も多くなっています。全体の19.3%に相当。家事分担が妻に著しく偏した家庭が,全体の5分の1をも占めています。
青色のセルは,妻の家事時間が夫より5時間以上長い世帯ですが,これらを合計すると24万4千世帯であり,全体の8割にもなります。
これが,乳児がいる共働き世帯でみた,夫婦の家事分担の実態です。妻が育休取得中とか数時間のパート勤務とかいう事情もあるでしょうが,この偏りには驚かされます。
さて,上記の表の位置に依拠して,夫婦間の家事分担のタイプ分けをしてみましょう。青色は先ほど述べたように,妻の家事時間が夫より5時間以上長い世帯です。妻に著しく偏した型であり,「妻≫夫」型としておきましょう。
赤色は,妻の家事時間が夫より5時間未満長い世帯なり。これは,「妻>夫」型とします。緑色は,夫と妻の家事時間が同じくらいの「均等」型です。最後の紫色は,夫の家事時間が妻よりも長「妻<夫」型なり。
上表の30万5千世帯をこの4タイプに分かつと,「妻≫夫」型が80.0%,「妻>夫」型が17.0%,「均等」型が1.6%,「妻<夫」型が1.3%,という構成です。夫が妻と同程度か,あるいはそれ以上家事をしている世帯は,やはり少ないですねえ。
これは,0歳の乳児がいる共働き世帯の平日のデータですが,土曜や日曜ではどうでしょう。また,子どもがより大きくなった時点では如何。私は,曜日別・末子の発達段階別に,共働き世帯の家事分担のタイプ構成を明らかにしました。
末子の発達段階は,乳児(0歳),乳幼児(1~2歳),幼児(3~5歳),児童(6~8歳),という4段階に分けています。
仕事が休みの土曜・日曜では,「均等」型や「妻<夫」型の世帯の比重がちょっと増えてきます。「ちょっと」です。
子どもの発達段階別にみると,乳児段階では「妻≫夫」型が多くなっていますね。上述のように,平日では全体の8割がこのタイプです。生後間もない乳児の場合,授乳など,母親でしかなし得ないことが多いためと思われます。しかし,土日でもこのタイプが半分以上とは・・・。
曜日や子どもの発達段階といった条件による変異はありますが,上図を全体的にみて,青色や赤色の比重が大きいことが知られます。女性の社会進出とともに男性の「家庭進出」をも促すことで,緑色や紫色の比重を意図的に増やしていくことが求められるでしょう。
乳児がいる世帯の平日では,「均等」型や「妻<夫」型はほんのわずか(2.7%)しかいませんが,これなどは,男性の育休取得が困難であることの表れであるとみられます。
『社会生活基本調査』は5年おきの実施ですが,2016年データでは,どういう図柄になっていることか。男女共同参画の取組が盛んになっていますが,男女の共同参画は職域のみならず家庭においても求められます。
政府が定期的に策定する『男女共同参画基本計画』では,上図でいう「均等」型ないしは「妻<夫」型が何%,というような数値目標を立てたらどうでしょう。こういう面の数値化・計測も積極的に行いたいものです。
2013年9月20日金曜日
いのちの格差
「人生X年」の指標となる平均寿命。これは厚労省の生命表に載っていますが,市区町村別の生命表も作成・公表されていることを知りました。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/ckts10/
最新の2010年の市区町村別生命表をもとに,首都圏243市区町村の男性の平均寿命地図をつくってみました。展示いたします。
243市区町村の最高値は82.1歳,最低値は77.1歳です。同じ首都圏でも,男性の平均寿命には5.0歳の開きがあることになります。これはレインヂですが,上の地図から,平均寿命には少なからぬ地域差があることが分かりますね。
まあ,死というのは突発的に来るものでもありますから,個々の偶然が集積された,単なる「差」であるだけなのかもしれません。しかるに,色が濃い地域が都内の都心・南部,そして横浜市の北部というように,特定のゾーンに固まっていることからして,そうではないような気もします。
近年,「いのちの格差」という現象がいわれるようになりました。人々の富の格差が,いのちの格差にまで連動してしまうことです。ズバリ,この現象の名を銘打った書物も公刊されています(患者の権利オンブズマン編『いのちの格差社会』明石書店,2009年)。
http://www.akashi.co.jp/book/b66074.html
しからば,各地域の平均寿命の長さは,住民の富裕度(貧困度)と相関すると思われますが,実態はどうなのでしょう。都内の49市区について,代表的な貧困指標である生活保護世帯率を計算し,各々の平均寿命との相関をとってみました。
生活保護世帯率とは,被保護世帯数を一般世帯数で除した値です。2011年の『東京都統計年鑑』から2010年の数値を採取して,地域別の率を明らかにしました。千世帯あたり何世帯かという単位(‰)で表記します。
http://www.toukei.metro.tokyo.jp/tnenkan/tn-index.htm
ほう。生活保護世帯率が高い地域ほど,男性の平均寿命が短い傾向が明瞭です。相関係数は-0.7082であり,1%水準で有意です。住民の貧困度が高い地域ほどいのちが短い。2010年の都内49市区の統計ですが,こういう事実は確かに観察されます。
経済的な理由で受療できないのか,受療に対する意識が低いのか,あるいは健康的な食生活をしていない(できない)のか。それとも個々人のレベルを越えて,地域全体に,健康を軽視するようなクライメイトが蔓延することが大きいのか。いろいろな事情が想起されます。
上図のような事態を,単なる「差」として放置していいのか。それとも,医療制度改革や各種の啓発活動等で是正すべき「格差」とみるべきなのか。議論はあるでしょうが,各地域の平均寿命が社会経済指標と強く相関していることからして,後者の見方をとるのが妥当であると考えます。
富の多寡によって「生」までもが規定される社会,「いのちの格差社会」です。現代日本社会に,こういう一面があることを押さえておくべきかと思います。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/ckts10/
最新の2010年の市区町村別生命表をもとに,首都圏243市区町村の男性の平均寿命地図をつくってみました。展示いたします。
243市区町村の最高値は82.1歳,最低値は77.1歳です。同じ首都圏でも,男性の平均寿命には5.0歳の開きがあることになります。これはレインヂですが,上の地図から,平均寿命には少なからぬ地域差があることが分かりますね。
まあ,死というのは突発的に来るものでもありますから,個々の偶然が集積された,単なる「差」であるだけなのかもしれません。しかるに,色が濃い地域が都内の都心・南部,そして横浜市の北部というように,特定のゾーンに固まっていることからして,そうではないような気もします。
近年,「いのちの格差」という現象がいわれるようになりました。人々の富の格差が,いのちの格差にまで連動してしまうことです。ズバリ,この現象の名を銘打った書物も公刊されています(患者の権利オンブズマン編『いのちの格差社会』明石書店,2009年)。
http://www.akashi.co.jp/book/b66074.html
しからば,各地域の平均寿命の長さは,住民の富裕度(貧困度)と相関すると思われますが,実態はどうなのでしょう。都内の49市区について,代表的な貧困指標である生活保護世帯率を計算し,各々の平均寿命との相関をとってみました。
生活保護世帯率とは,被保護世帯数を一般世帯数で除した値です。2011年の『東京都統計年鑑』から2010年の数値を採取して,地域別の率を明らかにしました。千世帯あたり何世帯かという単位(‰)で表記します。
http://www.toukei.metro.tokyo.jp/tnenkan/tn-index.htm
ほう。生活保護世帯率が高い地域ほど,男性の平均寿命が短い傾向が明瞭です。相関係数は-0.7082であり,1%水準で有意です。住民の貧困度が高い地域ほどいのちが短い。2010年の都内49市区の統計ですが,こういう事実は確かに観察されます。
経済的な理由で受療できないのか,受療に対する意識が低いのか,あるいは健康的な食生活をしていない(できない)のか。それとも個々人のレベルを越えて,地域全体に,健康を軽視するようなクライメイトが蔓延することが大きいのか。いろいろな事情が想起されます。
上図のような事態を,単なる「差」として放置していいのか。それとも,医療制度改革や各種の啓発活動等で是正すべき「格差」とみるべきなのか。議論はあるでしょうが,各地域の平均寿命が社会経済指標と強く相関していることからして,後者の見方をとるのが妥当であると考えます。
富の多寡によって「生」までもが規定される社会,「いのちの格差社会」です。現代日本社会に,こういう一面があることを押さえておくべきかと思います。
2013年9月19日木曜日
職業別のブラック就業率
昨日の『クローズアップ現代』で,ブラック企業の特集をやっていました。悲惨な実例がいくつか紹介されていましたが,「みなし労働」の制度が悪用されているケースが多いようです。
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3403.html
所定内就業時間以外に「*時間働いた」と一律にみなすことですが,これは本来,外回り営業や記者など,就業時間が管理しにくい職業にのみ認められるものです。しかるに,就業時間が計測可能な職業にもこれが適用されているとのこと。企業の側は,どれだけ長時間働かせようと,「みなし」た分の給与だけ払えばよい,という構図です。
こんなですから,事業所にある就業時間記録は,実情とかけ離れていることがしばしばでしょう。やはり,どれだけ働いたかは個々の労働者に聞かないといけないようですが,総務省の『就業構造基本調査』はこの条件を満たしています。
同資料には,有業者の年間就業日数・週間就業時間の統計が載っていますが,これを使って,ブラック的な働き方をしている者の数を割り出すことができます。
http://www.stat.go.jp/data/shugyou/2012/index.htm
人手不足で長時間労働が常態化しているといわれる,お医者さんの例をみてみましょう。最新の2012年調査の結果によると,病院に勤務している正規雇用の医師(歯科医師,獣医師は除く)は168,400人です。これらの医師を,「年間就業日数×週間就業時間」のマトリクスに散りばめると,以下のようになります。
ほう。年間300日以上&週75時間以上働いている,スーパーブラックの医師が最も多いではないですか。その数23,100人であり,正規雇用の医師全体の13.7%に相当します。7人に1人です。
年間300日以上ということは,月あたり25日勤務,週6日ということになります。週6日で75時間以上ということは,1日あたり12~13時間。よって翻訳すると,週6日,1日12時間以上働いていることになります。1日4時間超,月あたり100時間以上の残業。過労死ラインを軽く越えています。まさにブラックです。病院のお医者さんの7人に1人が,こうしたブラック・ドクターであることが知られます。巷でいわれていること,さもありなんです。
医師のブラック就業率は13.7%と算出されましたが,他の職業はどうでしょう。私は,67の職業について同じ値を計算してみました。以下に掲げるのは,ランキング表です。単位は‰としています。正社員1,000人あたりの数であることに留意ください。
1位は宗教家で146.3‰です。昼夜問わずの布教活動なども職務に含まれているためでしょう。2位は先ほどみた医師,3位は法務従事者なり。法務従事者のほとんどは弁護士ですが,弁護士の常軌を逸した長時間労働もよくいわれるところです。
編集者が8位。これも納得。私が知る某編集者氏からくるメールとか,発信時間が夜の11時を過ぎてることなんてザラだものなあ。
学校の教員も高位にランクインにしていますね。教員の過労やバーンアウトの問題は広く知れ渡っています。教員のブラック率は30.1‰ですが,私立や部活指導がある中高の教員に限定すれば,率はもっと上がるのでは。
公立学校の教員は公務員ですから,残業代もバッチリ払われていると思われるかもしれませんが,さにあらず。公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法によって,「教育職員については,時間外勤務手当及び休日勤務手当は,支給しない」と定められています。
その代わり,時間外勤務を一律評価して教職調整額が支給されるのですが,これがまた安い。月給の4%相当。つまり,月給30万円の教諭なら,部活指導やら個別指導やらでどんなに働こうが,上乗せされるのは一律1万2千円ということになります。これも「みなし労働」かしらん。
「みなし労働」悪用の典型は,1日あたり法定の8時間労働ということにして,12時間やそこら働かせる,というものでしょう。この「みなし」の相場を,業界の実労働時間の平均とかを参考にして決めることにしては。
そのためにも,労働者の自己申告による就業時間の統計を丹念に収集することが求められます。性,年齢,地域,業種別等,いろいろな層を設けてです。既存統計はこういうことに用いられるべきであり,職業別・産業別のブラック率の表を定期的に作成・公表し,業界に注意を呼び掛けることも必要であると思います。
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3403.html
所定内就業時間以外に「*時間働いた」と一律にみなすことですが,これは本来,外回り営業や記者など,就業時間が管理しにくい職業にのみ認められるものです。しかるに,就業時間が計測可能な職業にもこれが適用されているとのこと。企業の側は,どれだけ長時間働かせようと,「みなし」た分の給与だけ払えばよい,という構図です。
こんなですから,事業所にある就業時間記録は,実情とかけ離れていることがしばしばでしょう。やはり,どれだけ働いたかは個々の労働者に聞かないといけないようですが,総務省の『就業構造基本調査』はこの条件を満たしています。
同資料には,有業者の年間就業日数・週間就業時間の統計が載っていますが,これを使って,ブラック的な働き方をしている者の数を割り出すことができます。
http://www.stat.go.jp/data/shugyou/2012/index.htm
人手不足で長時間労働が常態化しているといわれる,お医者さんの例をみてみましょう。最新の2012年調査の結果によると,病院に勤務している正規雇用の医師(歯科医師,獣医師は除く)は168,400人です。これらの医師を,「年間就業日数×週間就業時間」のマトリクスに散りばめると,以下のようになります。
ほう。年間300日以上&週75時間以上働いている,スーパーブラックの医師が最も多いではないですか。その数23,100人であり,正規雇用の医師全体の13.7%に相当します。7人に1人です。
年間300日以上ということは,月あたり25日勤務,週6日ということになります。週6日で75時間以上ということは,1日あたり12~13時間。よって翻訳すると,週6日,1日12時間以上働いていることになります。1日4時間超,月あたり100時間以上の残業。過労死ラインを軽く越えています。まさにブラックです。病院のお医者さんの7人に1人が,こうしたブラック・ドクターであることが知られます。巷でいわれていること,さもありなんです。
医師のブラック就業率は13.7%と算出されましたが,他の職業はどうでしょう。私は,67の職業について同じ値を計算してみました。以下に掲げるのは,ランキング表です。単位は‰としています。正社員1,000人あたりの数であることに留意ください。
1位は宗教家で146.3‰です。昼夜問わずの布教活動なども職務に含まれているためでしょう。2位は先ほどみた医師,3位は法務従事者なり。法務従事者のほとんどは弁護士ですが,弁護士の常軌を逸した長時間労働もよくいわれるところです。
編集者が8位。これも納得。私が知る某編集者氏からくるメールとか,発信時間が夜の11時を過ぎてることなんてザラだものなあ。
学校の教員も高位にランクインにしていますね。教員の過労やバーンアウトの問題は広く知れ渡っています。教員のブラック率は30.1‰ですが,私立や部活指導がある中高の教員に限定すれば,率はもっと上がるのでは。
公立学校の教員は公務員ですから,残業代もバッチリ払われていると思われるかもしれませんが,さにあらず。公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法によって,「教育職員については,時間外勤務手当及び休日勤務手当は,支給しない」と定められています。
その代わり,時間外勤務を一律評価して教職調整額が支給されるのですが,これがまた安い。月給の4%相当。つまり,月給30万円の教諭なら,部活指導やら個別指導やらでどんなに働こうが,上乗せされるのは一律1万2千円ということになります。これも「みなし労働」かしらん。
「みなし労働」悪用の典型は,1日あたり法定の8時間労働ということにして,12時間やそこら働かせる,というものでしょう。この「みなし」の相場を,業界の実労働時間の平均とかを参考にして決めることにしては。
そのためにも,労働者の自己申告による就業時間の統計を丹念に収集することが求められます。性,年齢,地域,業種別等,いろいろな層を設けてです。既存統計はこういうことに用いられるべきであり,職業別・産業別のブラック率の表を定期的に作成・公表し,業界に注意を呼び掛けることも必要であると思います。
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