2014年6月3日火曜日

『我が国と諸外国の若者の意識に関する調査』

 内閣府より,表記の調査(2013年度)の結果が公表された模様です。以前の『世界青年意識調査』が名称変更されたみたいですね。
http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/thinking/h25/pdf_index.html

 日本を含む7か国の青年層の意識が,さまざまな角度から比較されています。各紙が結果のハイライトを報じており,今日の朝日新聞Web版では,自分に対する満足度は日本が最低というデータが紹介されていました。
http://www.asahi.com/articles/ASG627KRPG62UCLV00V.html

 しかるに,公表されている単純集計結果をみる限り,最も大きな問題かなと感じるのは↓です。下の図は,「将来に明るい希望を持っているか」という問いに対する回答の分布図です。


 前途ある青年層の未来展望が最も開けていない国,ニッポン。青年は予期的な社会化を遂げる存在ですが,現時点の満足度云々よりも,こちらのほうが問題なのではないかと思います。人間にとって,希望(hope)とは大切なもの。

 上図は,公表されている各国の単純集計データからつくったものですが,男女でどう違うか,発達段階でどう違うか,という点にも興味が持たれます。仮説ですが,アメリカでは年齢が上がるにつれて展望が開けてくるのに対し,日本はその逆だったりして・・・。

 それを知るには,ローデータにあたって,これを独自に分析する必要がありますが,ナントナント,本調査は申請すればローデータを提供してくれるそうです。対象は,大学等の研究機関に属している研究者とのこと。

 非常勤講師の私でもいいのかなと,ダメ元で相談のメールを出したところ,すぐに返信があり,利用申請書が添付されてきました。うおー,感激!


 これに記入し,内閣府の担当部署に送付すれば,ローデータのファイルをメールで送ってくれるそうです。エクセルとSPSSのどっちにするかとあったので,私は前者を希望しました。こちらのほうが小回りが利くので,私としては使いやすいです。ピボットテーブル機能でクロス集計もらくらく。

 明日,ポストに投函すれば着くのは木曜,早ければその日にデータが送られてくるかも。そしたら,各国について,性別・年齢別などの分析ができる。楽しみっす。

 国際学力調査のPISAや『世界価値観調査』などは,独自のサイトでローデータを公表していますが,国内の調査もローデータを積極的に公表しようという向きがあるようで,大変喜ばしいことです。

 公的な調査のデータは,国民の共有財産。多くの人が多様な視点から分析することで,いろいろな知見も出てくることでしょう。共通データであり,第三者の追試も可能。データのねつ造なんてできません。

 願わくは,文科省の『全国学力・学習状況調査』のローデータも利用可能にならないものか。あと数年後には,それが実現するものと,勝手な展望を私は抱いています。