まずは,男性有業者の正規・非正規差です。雇用の非正規化が進んでいますが,正規と非正規の間には,どれほどの年収差があるのでしょう。性別と年齢を統制した比較をしてみます。
予想通りといいますが,正規と非正規の差は一目瞭然。派遣や契約等の非正規職員では,どの年齢層でも,半分近くが年収200万未満です。これは男性同士の比較ですので,性別の影響は入っていません。
この図をみて,やはり正社員にならないと人生終わるみたいにとられるかもしれませんが,私は,非正規職員の待遇が劣悪すぎることを問題視すべきかと思います。オランダでは多様な働き方が認められており,正社員でもパートでも同じ仕事なら待遇は変わらないそうですが,こういう社会をモデルにすべきかと。
次に地域差です。男性正社員の年収分布を,東京と沖縄で比べてみました。左は東京,右は沖縄の図です。
同じ男性正社員ですが,東京と沖縄では分布がかなり違っています。沖縄では,私くらいの年齢層でも,半分近くが年収300万未満。東京のような,中高年層における高収入層の広がりもみられません。
私は鹿児島出身ですが,これなんかは分かるなあ。コンビニのバイト一つとっても,時給が全然違うし。東京では最低でも800円は下らないでしょうが,向こうでは600円台とかザラだし。まあその分,向こうは物価が安いのですが。
あと一つ,企業規模差の図も載せておきます。従業員数20人未満の零細企業と,1000人以上の大企業の対比です。性別と雇用形態の影響を除くため,男性正社員の比較をします。
高収入層のゾーンを強調しましたが,大企業では40を過ぎれば大半が年収500万超ですが,零細企業はさにあらず。所定給の差に加え,ボーナス等の各種手当の違いもデカイのでしょう。
百聞は一見に如かず。やっぱりビジュアル化が一番。国会議事堂の廊下に,上記のような統計グラフを貼りだしてほしいと思います。埼玉県の上田知事の執務室は,こういうグラフだらけだそうです。「見える化」の効用をよくご存じの首長さんもいらっしゃるのですね。