コロナ禍で,国民の生活は甚大な影響を被ってますが,生活不安のようなマイナス方向と同時に,プラス方向の変化も見受けられます。対面での取引の見直し,テレワーク,そして地方移住の増加などです。
最後の地方移住ですが,東京の人口の出入りの統計によると,7月以降,転入者よりも転出者が上回っているとのこと。東京のような大都市は,転入が転出よりも多い,つまり転入超過の状態であるのが常ですが,変化の兆しが統計にも表れてきました。
昨日,総務省『住民基本台帳人口移動報告』の2020年9月のデータが公表されました。都道府県別に,当該月の転入者数と転出者数を知れます。東京都のデータは以下のごとし。カッコ内は,2019年9月の数値です。
転入者数=27006人(30590人),転出者数=30644人(27228人)
今年の9月は,転入者より転出者が多くなっています。昨年のデータ(カッコ内)ときれいにひっくり返っているのも興味深い。人口を吸い寄せるのが常の東京都も,転入超過数がマイナスに転じています(27706-30644=-3638人)。
東京から転出した人は,どこかの県に居を移していることになります。これぞ地方移住なんですが,それが進んでいる様を地図上で可視化できます。以下は,9月の転入超過数がプラスの県に色をつけたマップです。左は2019年,右は2020年です。
北関東にも色がつき,マイナスに転じた東京都を,周囲の近郊県が取り囲む形になっています。遠く離れた地方に行くのはためらわれるが,週に何回かなら都心に通える近郊への移住が増えた,ということでしょうか。神奈川県の三浦半島もおススメです。京急で品川まで1本。ぜひご検討を。2017年春に当地に移住した私から申し上げます。
「密」を回避するためテレワークを導入する企業が増えてますが,それなら東京にいる必要はないですからね。各種のイベントや文化施設は東京に多いですが,活動自粛が続いており,文化・娯楽面のメリットもなし。あるのは高い家賃だけ。東京からの脱出が増えるのは,頷けるところです。
以下のグラフによると,東京が首位からドンケツに一気に落ちているのが知られます。