大学進学率は時代と共に高まり,今では同世代を半分(50%)を超えます。地域格差は大きいものの,地方でも進学率は高まってきています。47都道府県の大学進学率は本ブログで毎年出しています。2020年版は,コチラの記事をご覧ください。
さて,地方の親の関心事は,都会の大学に出したわが子が帰ってきてくれるかです。行政にしても,東京や大阪の有力大学に進学した生徒が,将来地元に帰ってきて,地域の発展に尽くしてくれるかは,大いに関心があるところでしょう。
私は鹿児島県の出身で,高3のクラスの半分以上が県外の大学に進学したと記憶してますが,どれくらい戻ってきているのでしょう。私みたいに帰ってない者もいれば,今や県庁の管理職になって,郷土にバリバリ尽くしている人もいます。たとえば,バスケ部のキャプテンだったUくん・・・。
2017年の総務省『就業構造基本調査』によると,同年10月時点において,鹿児島県に住んでいる大学・大学院卒の40代前半男性は1万5700人です(★コチラの統計表)。
2017年の40~44歳というと,私の世代ですが,1992~96年に大学に進学にした世代です。鹿児島県の高校出身の大学入学者(男子)は,1992年春が4270人,93年春が4519人,94年春が4219人,95年春が4375人,96年春が4467人となっています。(文科省『学校基本調査』)。5年間の合算は2万1850人ですね。上の世代の入学者(浪人経由者)も含んでますが,当該世代からも同数の浪人経由者が出ると仮定しましょう。
この世代の鹿児島出身男子からは,高卒時に2万1850人(a)の大学進学者が出ているのですが,40代前半になった2017年時点で,同県に住んでいる大卒男性は1万5700人(b)です。2つの数値に隔たりがあるのは,都会の大学に進学したが戻っていない,ないしは地元の大学(鹿児島大など)を出た後,他県に就職したという人がいるためです。
大卒者のどれほどが地元に定着しているか? この度合いは,上記のbをaで割って出すことができます。%にすると71.9%ですね。当該世代の大卒者の自県定着率と呼んでおきましょう。鹿児島県の私の世代の男子だと,こんな感じです。
東京だと,92~96年の都内高校出身の男子大学入学者は19万4655人,2017年の都内在住の40~44歳男性の大学・大学院卒者は29万9400人です。他県から都内の大学に進学してくること,他県からの大卒者が就職時にどっと流れ込んでくることから,大卒者の量はうんと膨れ上がります。
私は同じやり方で,各県出身の大卒者の自県定着率を計算してみました。47都道府県について,私の世代の男子と女子の数値をはじき出しました。結果の一覧は以下です。