エクセルに「じょうごグラフ」というツールがあります。横方向の棒(バー)で量を表現するのですが,通常の棒グラフと違うのは,バーがセンタリングされていることです。グラフの様が,大きい口から小さい口へと液体を流し込む「漏斗」に似ていることから,じょうごグラフと言われます。
今や広く知られているデータも,このグラフで表現してみると結構インパクトがあります。たとえば,人口の年齢構成です。
その人口ピラミッドを,じょうごグラフで表現してみます。2つの年次の年齢%をじょうごグラフにして,重ね合わせます。
2065年といったら,今から44年後,私は90歳近くになっています(そんなに生きてないでしょうが)。人口の4人に1人が,今でいう75歳以上の後期高齢者。ドローンが空を飛び,AIロボットが闊歩し,外国人も街に溢れ返っていることでしょう。
あと一つ,労働者の年間所得分布を同じ図法で表してみると面白い。1000人以上の大企業に勤務している従業員のデータです。男性と女性に分けると,分布にものすごい差があります。男性にあっては23%が所得800万以上ですが,女性はたった1.7%です。その代わり女性では,所得200万未満が53%と半分以上を占めます。同じ大企業なのに,とてつもない差です。
男女の所得分布(%値換算)を,上記と同じ「じょうごグラフ」で表現し,重ねてみると以下のようになります。
人口の年齢ピラミッド,労働者の所得ピラミッド…。普通は,ヨコの棒グラフでヒストグラム形式で表すのですが,じょうごグラフというニュータイプのグラフを使うと,インパクトあるものに仕上がりますね。
今後もいろいろ試行錯誤を重ね,表現技法のバリエーションを増やしていこうと思います。