5月も今日で終わり,明日から夏です。暑くなってきましたね。
さて,月末の教員不祥事報道の整理です。今月,私がネットでキャッチした不祥事報道は26件です。オチがあるかもしれませんが,とりあえず把握した分を記録します。
今月も新聞紙上を賑わせてくれましたが,放浪の旅に出て無断欠勤というような,珍しい事案もあります。教員とて人間。たまには旅に出たくなるさ・・・。10年に一回くらい,半年程度のサバティカル休暇を付与したらどうかしらん。
それと,授業参観を欠勤してのど自慢に出た中学教諭の是非が議論されていますが,正当な手続きも踏んだそうですし,問題ないと思いますけどねえ。「ハレ」と「ケ」の区別って必要ですよ,ホント。
<2014年5月の教員不祥事報道>
・殴ってみいや」生徒の挑発に乗った教諭を処分(5/2,産経,大阪,高,男,50)
・元小学教頭を懲戒免 強盗傷害などで有罪(5/2,神戸新聞,兵庫,小,男,54)
・民間出身の女性校長を減給処分(5/2,毎日,大阪,高,女,57)
・薬物所持容疑で小学校長逮捕=手提げ袋に覚せい剤(5/9,時事通信,高知,小,男,57)
・県立高教諭 交通費を不正受給 校長が隠蔽、減給処分(5/10,産経,広島,高,男,57)
・強豪水泳部で体罰 神奈川の湘南工大付属高(5/10,産経,神奈川,高,男,27)
・正直に話してくれないと感じ…教諭、壁を殴り穴(5/11,読売,長崎,中,男,38)
・会社経営失敗の教諭、借金返すため銀行通帳偽造(5/12,読売,茨城,小,男,39)
・女児の裸画像をメールで提供…小学教諭を逮捕(5/13,読売,岩手,小,男,48)
・盗撮の教諭懲戒免職 わいせつ動画公開教諭も処分
(5/13,静岡新聞,静岡,盗撮:中男52,動画公開:中男57)
・大麻所持、小学校教諭を逮捕(5/14,朝日,千葉,小,男,27)
・横断歩道で男性ひかれ死亡、小学校教諭逮捕(5/16,TBS,栃木,小,男,58)
・「プライド傷ついた」とキス 教諭をパワハラで懲戒(5/16,朝日,愛知,中,男,40)
・教諭が酒気帯び運転容疑、仙台の市道で衝突事故(5/19,産経,宮城,中,男,22)
・体罰とセクハラの高校教諭、懲戒処分
(5/20,産経,大阪,体罰:高校の男性美術教諭(52),セクハラ:高校の男性教諭(50))
・中学生はね、「電柱と思い」立ち去った女性教師(5/21,読売,島根,特,女,41)
・公募校長また更迭…欠勤続き、現金も持ち出す(5/21,読売,大阪,小,男,51)
・17歳少女に現金渡しわいせつ行為か 中学校講師逮捕(5/22,テレ朝,神奈川,中,男,50)
・「幸せにしたかった…」58歳中学教諭の「純愛」暴走 ストーカー行為止まらずついに逮捕
(5/24,産経,埼玉,中,男,58)
・PTA会費でパチンコ 中学教頭が懲戒免職(5/24,日テレ,滋賀,中,男,56)
・元小学校教諭らを逮捕 後輩の学生に強制わいせつ容疑
(5/25,朝日,京都,小男23,小男22)
・中学教諭、246号を126キロで走行…戒告(5/27,読売,静岡,中,男,55)
・教え子スマホで不正アクセス=窃盗容疑で中学教諭逮捕
(5/28,時事通信,広島,中,男,43)
・寮に忍び込んだ教諭、留学生の現金62万円盗む(5/28,読売,岡山,高,男,46)
・30日無断欠勤、西日本放浪した学級担任…免職(5/29,読売,山梨,小,男,40代)
・生徒ともみ合い、捻挫負わせる=男性教諭の体罰か
(5/30,時事通信,鹿児島,中,男,20代)
2014年5月31日土曜日
2014年5月30日金曜日
西俊明への返信
Webコンサルタントの西俊明より,例の剽窃事件の経緯を記録したブログ記事を削除するよう,要請がありました(メールにて)。当該の記事は「名誉棄損・侮辱」に該当すると判断するので,今日中に削除しろとのことです。
***********
さて,西のメールは3行ほどの短いものでしたが,一方的な削除要求だけで,謝罪の一つもありません。事件が起きてから1か月経過し,だいぶ冷静になったはずなのに,相変わらず反省の色なしです。
・「悪いことをしたら,まずはゴメンナサイと謝る」
西さん。アンタ,いい大学を出て,そんでIT試験とやらの点数を自慢してるけど,こういう基本的な道徳を教わらなかったのですか?? 西俊明よ,以下の保育園の先生のお言葉を100回声に出して音読し,頭に叩き込むがいい。
https://twitter.com/makilovesyou1/status/460336588657274880
それと,以下のツイート(RT数132)も再読し,今回の自分の初動がいかに馬鹿げたものであったかを深く反省せよ。
https://twitter.com/sateco/status/460287123929571328
以上
追伸
西さん。あなたのメールは受信拒否設定にしました(別アドから送られてきても読まずに削除します)。尊敬する編集者氏より,「もう相手にするな,お前の品位まで下がる」とアドバイス(お叱り)を受けたので・・・。これで終わりということで,さようなら。
*2014年暮れ、弁護士を通して当人より謝罪したいという申し出があり、直筆の謝罪文が届きました。それを読んでの私のリプライは以下。
http://tmaita77.blogspot.jp/2016/01/blog-post_14.html
結論からいうと,お断りです。名誉棄損・侮辱に当たるというのはあなたの勝手な判断であり,私はそうは思っていません。上記の2つの記事に記したのは,全部まぎれもない事実です。事の経緯をあるがままに書いた記録です。多少,あなたへのメッセージを含めていますが。
裏付けの資料もストックしています。今回の件に関する,あなたのツイートは全部プリントアウトして保存しています。内容についても公益性があるものと自負しています。ゴシップやプライバシー晒しのようなものではありません。
裏付けの資料もストックしています。今回の件に関する,あなたのツイートは全部プリントアウトして保存しています。内容についても公益性があるものと自負しています。ゴシップやプライバシー晒しのようなものではありません。
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さて,西のメールは3行ほどの短いものでしたが,一方的な削除要求だけで,謝罪の一つもありません。事件が起きてから1か月経過し,だいぶ冷静になったはずなのに,相変わらず反省の色なしです。
・「悪いことをしたら,まずはゴメンナサイと謝る」
西さん。アンタ,いい大学を出て,そんでIT試験とやらの点数を自慢してるけど,こういう基本的な道徳を教わらなかったのですか?? 西俊明よ,以下の保育園の先生のお言葉を100回声に出して音読し,頭に叩き込むがいい。
https://twitter.com/makilovesyou1/status/460336588657274880
それと,以下のツイート(RT数132)も再読し,今回の自分の初動がいかに馬鹿げたものであったかを深く反省せよ。
https://twitter.com/sateco/status/460287123929571328
以上
追伸
西さん。あなたのメールは受信拒否設定にしました(別アドから送られてきても読まずに削除します)。尊敬する編集者氏より,「もう相手にするな,お前の品位まで下がる」とアドバイス(お叱り)を受けたので・・・。これで終わりということで,さようなら。
*2014年暮れ、弁護士を通して当人より謝罪したいという申し出があり、直筆の謝罪文が届きました。それを読んでの私のリプライは以下。
http://tmaita77.blogspot.jp/2016/01/blog-post_14.html
2014年5月28日水曜日
高齢者の収入格差の国際比較
先日,「非正規雇用者に老後はない」という見出しの記事を見かけました。確かに,「一階部分」の国民年金しかもらえないのですから,そうだろうなと思います。40年間払い続けたとして,月6万円ほどでしたっけ・・・。
それでも,子どもや親族などの「ソーシャル・キャピタル」を持っている人はまだ救われるのでしょうが,最近はそれも持ち得ない人間が増えています。孤族化が進んでいますものね。その一方で,経済資本も社会関係資本も有する高齢者もいるのですが,こちらは数としては多くないのではないでしょうか。
このことは,高齢者の収入の自己評定分布をみると分かります。『世界価値観調査』(2010~14年)では,対象者に,自分の世帯の年収を10段階で自己評定させています。「あなたの世帯の収入は,社会全体の中でどの辺りか」というワーディングです。
60歳以上の高齢者の点数分布を図示すると,下図のようになります。日本とスウェーデンの曲線を描いてみました。
日本の高齢者では,「1」が最も多くなっています。およそ3人に1人が,自世帯の収入を最低水準と評しています。スウェーデンは中間の「5」にピークがあるノーマル・カーブなのですが,日本は,下が厚く上が細いピラミッド型なのです。
多数の貧しい者と,少数の富める者。高齢期だけを切り取ってみると,わが国は,このような格差社会になっているように思えます。
ここにて「格差」という語が出てきましたが,その度合いを測る代表的な指標はジニ係数です。今回はこの指標を使って,高齢者の収入格差の国際比較をしてみようと思います。
ジニ係数とは,各階層の人間の量と,各々が手にする富量の分布のズレに着眼するものです。下表は,日本の高齢者についてこのデータを作成したものです。上記の世帯収入の自己評定に依拠しています。
収入自己評定が1点の者は階層1(class1),2点の者はC2,・・・10点の者はC10としましょう。C1の者が受け取る富量は1ポイント,C2の者は2ポイント,・・・マックスのC10の者は10ポイントと仮定します。
この場合,C1の階層が受け取る富の総量は,221人×1ポイント=221となります。C2は344,C10は220です。各階層が手にする富量をこのようにして出し,合算すると2262となります。
この2262の富が各層にどう配分されているかを,中央の相対度数の欄でみると,一番下のC1の層には9.8%しか届いていません。人数的には3割と最も多くを占めるにもかかわらず,この層が手にしている富は,全体の1割にも満たないことになります。右欄の累積相対度数をみれば,人員と富量の分布の隔たりはもっとクリアーでしょう。
さて,ジニ係数を計算するには,まずローレンツ曲線を描くのでしたよね。横軸に人員,縦軸に富量の累積相対度数をとった座標上に,10の階層のドットをプロットした線でつないだものです。上表の累積相対度数をもとにローレンツ曲線を描くと,下図のようになります。比較の対象として,北欧のスウェーデンの曲線も描いてみました。
お分かりかと思いますが,曲線の底が深いほど,人員と富量の分布のズレが大きいこと,すなわち収入格差が大きいことを意味します。冒頭の図からも察しがつくことですが,スウェーデンよりも日本の高齢者の収入格差が大きいようです。
われわれが求めようとしているジニ係数は,この曲線と対角線で囲まれた面積を2倍した値であり,0.0から1.0の値をとります。極限の不平等状態の場合は,四角形の半分(0.5)の2倍ですから1.0となります。完全平等の場合は,ローレンツ曲線は対角線と重なりますから0.0となる次第です。
上図をもとに,日本とスウェーデンの高齢社会のジニ係数を出すと,日本は0.404,スウェーデンは0.183となります。*計算の仕方の詳細は,2011年7月11日の記事を参照。
高齢者の世帯収入格差は,日本のほうがはるかに大きいですね。わが国のお寒い状況と,福祉先進国の違いを考えると,さもありなんです。
私は,上記の『世界価値観調査』の対象となった55か国について,同じやり方にて,60歳以上の高齢者の世帯収入ジニ係数を算出しました。下の図は,値が高い順に各国を配列したものです。
ほう,日本は55か国の中でトップではないですか。60歳以上の高齢者に限ると,格差社会化の度合いが世界で最も大きいことが知られます。
わずかな年金しかもらえない高齢者,ソーシャル・キャピタルを持たない単身高齢者が増えている現況を思うと,分かる気がします。冒頭に掲げた,収入の自己評定分布の図をもう一度ご覧になってください。
ちなみに,ジニ係数の絶対値に注意すると,0.4を超えているのは日本だけです。一般に,ジニ係数が0.4を超えると社会が不安定化する恐れがあるといわれますが,わが国はこの危険ラインを超えています。生活苦からの高齢者の窃盗犯(万引き)が増えているといいますが,今後は,社会の存続を揺るがすような逸脱行動が多発しないとも限りません。
今回のデータは,60歳以上の高齢者だけを切り取った結果ですが,これから先,この層が多数派(マジョリティー)になっていきます。上記の図は,近未来における社会全体のジニ係数のランキングを予言しているとも読めるでしょう。
オリンピックが開催される2020年はいざ知らず,2030年,2040年頃には,日本は,持てる者と持たざる者の格差が最も大きな社会になっていたりして・・・。
私がここで計算したジニ係数は,世帯収入の自己評定に依拠して試算したものですが,客観的な収入格差と同時に,人々が主観で感じるところの収入格差もそれなりの意味を持っています。この次元でみる限り,わが国は,多数の貧困層と少数の富裕層という「ピラミッド型」ができていることは確かです(冒頭の図)。
この構造は国際的にみて特異であり,是正を要するものであるという警告を,今回の国際比較のデータは発しているように思います。
それでも,子どもや親族などの「ソーシャル・キャピタル」を持っている人はまだ救われるのでしょうが,最近はそれも持ち得ない人間が増えています。孤族化が進んでいますものね。その一方で,経済資本も社会関係資本も有する高齢者もいるのですが,こちらは数としては多くないのではないでしょうか。
このことは,高齢者の収入の自己評定分布をみると分かります。『世界価値観調査』(2010~14年)では,対象者に,自分の世帯の年収を10段階で自己評定させています。「あなたの世帯の収入は,社会全体の中でどの辺りか」というワーディングです。
60歳以上の高齢者の点数分布を図示すると,下図のようになります。日本とスウェーデンの曲線を描いてみました。
日本の高齢者では,「1」が最も多くなっています。およそ3人に1人が,自世帯の収入を最低水準と評しています。スウェーデンは中間の「5」にピークがあるノーマル・カーブなのですが,日本は,下が厚く上が細いピラミッド型なのです。
多数の貧しい者と,少数の富める者。高齢期だけを切り取ってみると,わが国は,このような格差社会になっているように思えます。
ここにて「格差」という語が出てきましたが,その度合いを測る代表的な指標はジニ係数です。今回はこの指標を使って,高齢者の収入格差の国際比較をしてみようと思います。
ジニ係数とは,各階層の人間の量と,各々が手にする富量の分布のズレに着眼するものです。下表は,日本の高齢者についてこのデータを作成したものです。上記の世帯収入の自己評定に依拠しています。
収入自己評定が1点の者は階層1(class1),2点の者はC2,・・・10点の者はC10としましょう。C1の者が受け取る富量は1ポイント,C2の者は2ポイント,・・・マックスのC10の者は10ポイントと仮定します。
この場合,C1の階層が受け取る富の総量は,221人×1ポイント=221となります。C2は344,C10は220です。各階層が手にする富量をこのようにして出し,合算すると2262となります。
この2262の富が各層にどう配分されているかを,中央の相対度数の欄でみると,一番下のC1の層には9.8%しか届いていません。人数的には3割と最も多くを占めるにもかかわらず,この層が手にしている富は,全体の1割にも満たないことになります。右欄の累積相対度数をみれば,人員と富量の分布の隔たりはもっとクリアーでしょう。
さて,ジニ係数を計算するには,まずローレンツ曲線を描くのでしたよね。横軸に人員,縦軸に富量の累積相対度数をとった座標上に,10の階層のドットをプロットした線でつないだものです。上表の累積相対度数をもとにローレンツ曲線を描くと,下図のようになります。比較の対象として,北欧のスウェーデンの曲線も描いてみました。
お分かりかと思いますが,曲線の底が深いほど,人員と富量の分布のズレが大きいこと,すなわち収入格差が大きいことを意味します。冒頭の図からも察しがつくことですが,スウェーデンよりも日本の高齢者の収入格差が大きいようです。
われわれが求めようとしているジニ係数は,この曲線と対角線で囲まれた面積を2倍した値であり,0.0から1.0の値をとります。極限の不平等状態の場合は,四角形の半分(0.5)の2倍ですから1.0となります。完全平等の場合は,ローレンツ曲線は対角線と重なりますから0.0となる次第です。
上図をもとに,日本とスウェーデンの高齢社会のジニ係数を出すと,日本は0.404,スウェーデンは0.183となります。*計算の仕方の詳細は,2011年7月11日の記事を参照。
高齢者の世帯収入格差は,日本のほうがはるかに大きいですね。わが国のお寒い状況と,福祉先進国の違いを考えると,さもありなんです。
私は,上記の『世界価値観調査』の対象となった55か国について,同じやり方にて,60歳以上の高齢者の世帯収入ジニ係数を算出しました。下の図は,値が高い順に各国を配列したものです。
ほう,日本は55か国の中でトップではないですか。60歳以上の高齢者に限ると,格差社会化の度合いが世界で最も大きいことが知られます。
わずかな年金しかもらえない高齢者,ソーシャル・キャピタルを持たない単身高齢者が増えている現況を思うと,分かる気がします。冒頭に掲げた,収入の自己評定分布の図をもう一度ご覧になってください。
ちなみに,ジニ係数の絶対値に注意すると,0.4を超えているのは日本だけです。一般に,ジニ係数が0.4を超えると社会が不安定化する恐れがあるといわれますが,わが国はこの危険ラインを超えています。生活苦からの高齢者の窃盗犯(万引き)が増えているといいますが,今後は,社会の存続を揺るがすような逸脱行動が多発しないとも限りません。
今回のデータは,60歳以上の高齢者だけを切り取った結果ですが,これから先,この層が多数派(マジョリティー)になっていきます。上記の図は,近未来における社会全体のジニ係数のランキングを予言しているとも読めるでしょう。
オリンピックが開催される2020年はいざ知らず,2030年,2040年頃には,日本は,持てる者と持たざる者の格差が最も大きな社会になっていたりして・・・。
私がここで計算したジニ係数は,世帯収入の自己評定に依拠して試算したものですが,客観的な収入格差と同時に,人々が主観で感じるところの収入格差もそれなりの意味を持っています。この次元でみる限り,わが国は,多数の貧困層と少数の富裕層という「ピラミッド型」ができていることは確かです(冒頭の図)。
この構造は国際的にみて特異であり,是正を要するものであるという警告を,今回の国際比較のデータは発しているように思います。
2014年5月26日月曜日
若者の道徳観の変化
統計数理研究所の『国民性調査』では,大切だと思う道徳について尋ねています。以下の項目を提示し,2つを選んでもらう形式です。
http://www.ism.ac.jp/kokuminsei/table/index.htm
1 親孝行をすること
2 恩返しをすること
3 個人の権利を尊重すること
4 自由を尊重すること
5 その他(自由記入)
20代の選択率の変化をグラフにすると,下図のようになります。45年間にかけての,若者の道徳観の変化図です。
「権利」「自由」が減り,「親孝行」「恩返し」が増えてきています。ほう。今の若者のほうが義理堅いではないですか。義理を知らない,自己チューとかよくいわれますが,それとは逆の事態をデータは示しています。
この図をツイッターに載せたところ,見てくださる方が多かったのですが,「こういう若者の従順気質の上に,ブラック起業がのさばっているのではないか」という趣旨のコメントがありました。私も同じような危惧を持ちます。昔の若者だったら,大暴れしているかもしれません。
「親孝行」と「恩返し」の選択率は1998年以降上昇していますが,社会奉仕体験活動が義務化されたり,道徳教育が強化されたりした経緯と重なります。現在,道徳を「教科化」しようという動きがありますが,それが実現したら,どういうことになるのか・・・。
今求められるのは,義理や恩返しを重視する傾向が増していることを踏まえて,その上に,「自由」や「権利」の大切さを教え込むことであると思います。それは,自己チューやワガママとは異なる,社会性のある「自由・権利」意識を獲得させることです。労働法規の教育などは,それを具現させた形態の一つであるといえましょう。強化すべきは,この部分ではないかしらん。
「孝行」と「恩返し」がセットで増え,「自由」と「権利」がこちらもセットで減っていく。この傾向に,自分の頭で物事を考えない,機械思考の人間の増殖を見て取ることもできます。予断や先入観を持つのではなく,データでもって現実を可視化することの重要性を改めて感じます。
「権利」「自由」が減り,「親孝行」「恩返し」が増えてきています。ほう。今の若者のほうが義理堅いではないですか。義理を知らない,自己チューとかよくいわれますが,それとは逆の事態をデータは示しています。
この図をツイッターに載せたところ,見てくださる方が多かったのですが,「こういう若者の従順気質の上に,ブラック起業がのさばっているのではないか」という趣旨のコメントがありました。私も同じような危惧を持ちます。昔の若者だったら,大暴れしているかもしれません。
「親孝行」と「恩返し」の選択率は1998年以降上昇していますが,社会奉仕体験活動が義務化されたり,道徳教育が強化されたりした経緯と重なります。現在,道徳を「教科化」しようという動きがありますが,それが実現したら,どういうことになるのか・・・。
今求められるのは,義理や恩返しを重視する傾向が増していることを踏まえて,その上に,「自由」や「権利」の大切さを教え込むことであると思います。それは,自己チューやワガママとは異なる,社会性のある「自由・権利」意識を獲得させることです。労働法規の教育などは,それを具現させた形態の一つであるといえましょう。強化すべきは,この部分ではないかしらん。
「孝行」と「恩返し」がセットで増え,「自由」と「権利」がこちらもセットで減っていく。この傾向に,自分の頭で物事を考えない,機械思考の人間の増殖を見て取ることもできます。予断や先入観を持つのではなく,データでもって現実を可視化することの重要性を改めて感じます。
2014年5月24日土曜日
中学校教員の女性比(教科別)
わが国の教員の女性比率は,中等教育段階以降では低いのですが,担当の教科によって様相は異なります。理系教科の担当教員の多くは男性でしょうが,そうした肌感覚を数値できっちりと表してみましょう。
2010年度の文科省『学校教員統計』をみると,各教科を担当している教員の比率が掲載されています。中学校の国語でいうと,男性教員は8.4%,女性教員は17.7%です。同資料から分かる,中学校の男性本務教員は137,307人,女性本務教員は95,663人。したがって,国語を担当している教員の実数は,男性が11,534人,女性が16,932人と見積もられます。
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kyouin/1268573.htm
同じやり方にて,他の教科を担当している教員の数を推し量ってみました。下の表は,結果を整理したものです。
右端に女性比率を掲げましたが,最も低いのは社会で17.4%です。女性比の最低は数学か理科かと思っていましたが,社会なんですね。中学校の社会の免許は法学部や経済学部でも取れますが,学生の多くは男性ですから,こうなるでしょうか。
女性比率が最も高いのは音楽(73.8%)で,国語,英語がそれに次ぎます。この点も経験則に合っているように思います。ただ私の場合,中学校の音楽の先生はずっと男性でした。イレギュラーなケースだったんだな。
上記の表のデータを視覚化してみましょう。単純な性別の帯グラフというのは芸がないので,横幅を使って,各教科の担当教員の比重も表現しました。音楽や美術といった芸術系教科の担当教員は,量的には少なくなっています。なお点線は,本務教員全体の女性比率(41.1%)を意味します。
最近,政府はリケジョを増やそうとしています。新潟大学の工学部のように,イケメンの写真入りの入学パンフを配布している所もあるそうな。
そういう取り組みもいいですが,理系専攻の女子がなかなか増えない理由として,子ども期におけるロール・モデルの不足という問題があるのではないでしょうか。多感な思春期に目にする理系教員のほとんどは男性で,女性はわずか…。こういう現実です。
この伝でいうと,中高の数学・理科教員の*%は女性にするという数値目標も必要なのかもしれません。教員全体の女性比については,多くの自治体が配慮しているのでしょうが,教科別となるとどうか。担当教科別の女性比の図をつくってみて,こういう疑問を持つ次第です。
2010年度の文科省『学校教員統計』をみると,各教科を担当している教員の比率が掲載されています。中学校の国語でいうと,男性教員は8.4%,女性教員は17.7%です。同資料から分かる,中学校の男性本務教員は137,307人,女性本務教員は95,663人。したがって,国語を担当している教員の実数は,男性が11,534人,女性が16,932人と見積もられます。
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kyouin/1268573.htm
同じやり方にて,他の教科を担当している教員の数を推し量ってみました。下の表は,結果を整理したものです。
右端に女性比率を掲げましたが,最も低いのは社会で17.4%です。女性比の最低は数学か理科かと思っていましたが,社会なんですね。中学校の社会の免許は法学部や経済学部でも取れますが,学生の多くは男性ですから,こうなるでしょうか。
女性比率が最も高いのは音楽(73.8%)で,国語,英語がそれに次ぎます。この点も経験則に合っているように思います。ただ私の場合,中学校の音楽の先生はずっと男性でした。イレギュラーなケースだったんだな。
上記の表のデータを視覚化してみましょう。単純な性別の帯グラフというのは芸がないので,横幅を使って,各教科の担当教員の比重も表現しました。音楽や美術といった芸術系教科の担当教員は,量的には少なくなっています。なお点線は,本務教員全体の女性比率(41.1%)を意味します。
最近,政府はリケジョを増やそうとしています。新潟大学の工学部のように,イケメンの写真入りの入学パンフを配布している所もあるそうな。
そういう取り組みもいいですが,理系専攻の女子がなかなか増えない理由として,子ども期におけるロール・モデルの不足という問題があるのではないでしょうか。多感な思春期に目にする理系教員のほとんどは男性で,女性はわずか…。こういう現実です。
この伝でいうと,中高の数学・理科教員の*%は女性にするという数値目標も必要なのかもしれません。教員全体の女性比については,多くの自治体が配慮しているのでしょうが,教科別となるとどうか。担当教科別の女性比の図をつくってみて,こういう疑問を持つ次第です。
2014年5月21日水曜日
母子世帯の相対収入の国際比較
書店にて,赤石千依子さんの『ひとり親家庭』という本が目につきました。最近出た岩波新書です。帯の「もうがんばれない…」というフレーズが何とも痛々しく感じられました。
https://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn1404/sin_k764.html
一人親世帯の困難はよく知られており,国の調査データをみても,同年齢の世帯全体と比べて収入がかなり少なくなっています。子を抱えてのフルタイム就業はなかなか叶わないという条件に加えて,母子世帯の母親の場合,賃金のジェンダー差という問題も立ちはだかっています。
それは,多かれ少なかれどの社会でも同じであると思いますが,他の社会では,母子世帯の経済状態はどういうものなのでしょう。『世界価値観調査』(2010~14年)の中に,自分の世帯の収入を自己評定させる設問がありますので,これを手掛かりに検討してみましょう。
http://www.worldvaluessurvey.org/WVSDocumentationWV6.jsp
設問のワーディングは,「あなたの世帯の収入(income)は,あなたの国では,以下の10段階のうちどこに位置すると思いますか」というものです。私は,子どもがいる20~40代の女性全体と,そのうちの母子世帯の母親の回答分布を明らかにしました。母子世帯の母親とは,配偶関係が「離別」「別居」「死別」「未婚」のいずれかの女性です。
日本とスウェーデンについて,両群の点数分布をグラフにしてみました。日本のサンプル数は,全体が278人,母子世帯の母親が34人です。スウェーデンは順に,157人,38人です。
ほう。日本の母子世帯の窮状が目立っています。この国では,母子世帯の母親の7割近くが,自分の世帯の収入を最低ランクの「1」と評しています。「2」までを含めると9割近くにもなります。子がいる同年齢の女性全体との差が,火を見るよりも明らかです。
対してスウェーデンでは,母子世帯の収入は全体より低くなっているものの,日本のような「いびつ」な型にはなっていません。ピークは中間の「5」です。
この分布から,収入の10段階評定の平均値を出すと,日本の全体は4.6点,母子世帯は1.9点となります。スウェーデンは順に,5.5点,4.5点です。日瑞の差もさることながら,日本国内における全体と母子世帯の差にも驚かされます。
わが国の母子世帯の苦境は,比較の対象を広げるともっとはっきりします。私は,上記の平均点を55か国について計算し,その布置図を描いてみました。子がいる20~40代女性全体の平均点を横軸,そのうちの母子世帯の母親の平均点を縦軸に据えた座標上に,55の社会を散りばめた図です。
日本は,全体の平均点は真ん中よりも少し下のあたりですが,母子世帯の平均点は最下位です。一番上の均等線から垂直方向に最も隔たっており,全体と母子世帯の差が最も大きい社会であることも知られます。
他の先進国でも,全体よりも母子世帯の収入が低くなっていますが,その差は日本ほどではありません。あくまで自己評定ですが,わが国は,母子世帯の(相対的)貧困度が最も強い社会であるようです。全体として豊かな国ですが,(標準から外れた)少数の層に困難が凝縮しやすい社会であるとみられます。
「豊かさの中の貧困」をみる思いです。どういう構造のもとで,こうした病理が生まれるのか。冒頭の赤石さんの著作を読んで勉強したいと思っています。
https://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn1404/sin_k764.html
一人親世帯の困難はよく知られており,国の調査データをみても,同年齢の世帯全体と比べて収入がかなり少なくなっています。子を抱えてのフルタイム就業はなかなか叶わないという条件に加えて,母子世帯の母親の場合,賃金のジェンダー差という問題も立ちはだかっています。
それは,多かれ少なかれどの社会でも同じであると思いますが,他の社会では,母子世帯の経済状態はどういうものなのでしょう。『世界価値観調査』(2010~14年)の中に,自分の世帯の収入を自己評定させる設問がありますので,これを手掛かりに検討してみましょう。
http://www.worldvaluessurvey.org/WVSDocumentationWV6.jsp
設問のワーディングは,「あなたの世帯の収入(income)は,あなたの国では,以下の10段階のうちどこに位置すると思いますか」というものです。私は,子どもがいる20~40代の女性全体と,そのうちの母子世帯の母親の回答分布を明らかにしました。母子世帯の母親とは,配偶関係が「離別」「別居」「死別」「未婚」のいずれかの女性です。
日本とスウェーデンについて,両群の点数分布をグラフにしてみました。日本のサンプル数は,全体が278人,母子世帯の母親が34人です。スウェーデンは順に,157人,38人です。
ほう。日本の母子世帯の窮状が目立っています。この国では,母子世帯の母親の7割近くが,自分の世帯の収入を最低ランクの「1」と評しています。「2」までを含めると9割近くにもなります。子がいる同年齢の女性全体との差が,火を見るよりも明らかです。
対してスウェーデンでは,母子世帯の収入は全体より低くなっているものの,日本のような「いびつ」な型にはなっていません。ピークは中間の「5」です。
この分布から,収入の10段階評定の平均値を出すと,日本の全体は4.6点,母子世帯は1.9点となります。スウェーデンは順に,5.5点,4.5点です。日瑞の差もさることながら,日本国内における全体と母子世帯の差にも驚かされます。
わが国の母子世帯の苦境は,比較の対象を広げるともっとはっきりします。私は,上記の平均点を55か国について計算し,その布置図を描いてみました。子がいる20~40代女性全体の平均点を横軸,そのうちの母子世帯の母親の平均点を縦軸に据えた座標上に,55の社会を散りばめた図です。
日本は,全体の平均点は真ん中よりも少し下のあたりですが,母子世帯の平均点は最下位です。一番上の均等線から垂直方向に最も隔たっており,全体と母子世帯の差が最も大きい社会であることも知られます。
他の先進国でも,全体よりも母子世帯の収入が低くなっていますが,その差は日本ほどではありません。あくまで自己評定ですが,わが国は,母子世帯の(相対的)貧困度が最も強い社会であるようです。全体として豊かな国ですが,(標準から外れた)少数の層に困難が凝縮しやすい社会であるとみられます。
「豊かさの中の貧困」をみる思いです。どういう構造のもとで,こうした病理が生まれるのか。冒頭の赤石さんの著作を読んで勉強したいと思っています。
2014年5月19日月曜日
大学入学者の量の面積図
18歳人口のうち,どれほどが大学に行くか。現在では,ちょうど半分ほどです。同世代の2人に1人が大学に行く。大学全入時代といわれる所以です。
では国公立大学に限るとどうか,その中でも最高峰の東大・京大に入る者は人口比でみてどれくらいか。こういう疑問もあるでしょう。2013年春の入学者実数(学部)は以下のようです。ソースは,文科省『学校基本調査』ならびに各大学のホームページです。
国公立大学入学者数 … 130,984人
東大・京大入学者数 … 6,179人
2013年春の推定18歳人口は,3年前の中学校・中等教育学校前期課程卒業者で代替すると123万1,117人です。よって18歳人口に対する比率にすると,国公立大学入学率は10.6%,東大・京大入学率は0.5%という計算になります。*分子には浪人も含みますが,ベースの世代からも浪人を経由して入る者が同程度いるものとし,両者が相殺するとみなします。
国公立大学入学者は同世代の10人に1人,東大・京大入学者200人に1人です。思ったより出現率が高いなという印象ですが,18歳人口が減ってきていますので,こんなところでしょうか。
旧帝大入学者,私立の名門大学入学者というように,情報の量を増やしてみましょう。2013年春の18歳人口に占める,大学入学者の量を面積図で表現してみました。数値は,18歳人口全体(123万人)に占める比率です。①~⑤は,国公立大学ないしは私立大学入学者の内数であることを申し添えます。
大学入学者の比重は,国公立と私立を合わせて,ちょうど半分ほどです。点線の図形は,有力大学の入学者数ですが,図にしてみると結構いますね。①~⑤の合算値は7.5%であり,同世代の13人に1人がこれらの有力大学に入っています。
これから18歳人口は減っていきますが,各大学の入学者数が変わらないとすれば,上図の点線の領分はますます大きくなります。入学者数が不変と仮定した場合,2040年頃の図はどうなっているか。シュミレート図を学生さんに作らせてみようかな。
現代の18歳時点における,選抜の様相の可視化図でした。
では国公立大学に限るとどうか,その中でも最高峰の東大・京大に入る者は人口比でみてどれくらいか。こういう疑問もあるでしょう。2013年春の入学者実数(学部)は以下のようです。ソースは,文科省『学校基本調査』ならびに各大学のホームページです。
国公立大学入学者数 … 130,984人
東大・京大入学者数 … 6,179人
2013年春の推定18歳人口は,3年前の中学校・中等教育学校前期課程卒業者で代替すると123万1,117人です。よって18歳人口に対する比率にすると,国公立大学入学率は10.6%,東大・京大入学率は0.5%という計算になります。*分子には浪人も含みますが,ベースの世代からも浪人を経由して入る者が同程度いるものとし,両者が相殺するとみなします。
国公立大学入学者は同世代の10人に1人,東大・京大入学者200人に1人です。思ったより出現率が高いなという印象ですが,18歳人口が減ってきていますので,こんなところでしょうか。
旧帝大入学者,私立の名門大学入学者というように,情報の量を増やしてみましょう。2013年春の18歳人口に占める,大学入学者の量を面積図で表現してみました。数値は,18歳人口全体(123万人)に占める比率です。①~⑤は,国公立大学ないしは私立大学入学者の内数であることを申し添えます。
大学入学者の比重は,国公立と私立を合わせて,ちょうど半分ほどです。点線の図形は,有力大学の入学者数ですが,図にしてみると結構いますね。①~⑤の合算値は7.5%であり,同世代の13人に1人がこれらの有力大学に入っています。
これから18歳人口は減っていきますが,各大学の入学者数が変わらないとすれば,上図の点線の領分はますます大きくなります。入学者数が不変と仮定した場合,2040年頃の図はどうなっているか。シュミレート図を学生さんに作らせてみようかな。
現代の18歳時点における,選抜の様相の可視化図でした。
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