2017年9月13日水曜日

歯根端切除手術を受ける

 一昨日から昨日にかけて,2泊の泊りがけで出かけてきました。歯根端切除の手術を受けるためです。

 手術は12日でしたが,当日の朝に満員電車に乗るのは嫌だったので,前日の11日に上京しました。1日都内を自由に動き回れる時間ができるとなると,私の場合,行く場所は一つ。総務省統計局の統計図書館です。


 新宿駅からバスで15分ほど。総務省の1階の統計図書館には,官庁統計がバックナンバーを含めて全て所蔵されています。私にとっての聖地です。
http://www.stat.go.jp/library/

 目当ての資料は,厚労省『賃金構造基本統計』のバックナンバー。この資料は,2001年以降はネットで見れるのですが,それより前のものは冊子でないと見れません。目的のデータが載っている冊子を棚から抜き出し,該当ページのコピーを取りました。


 今では,官庁統計はネットで見れますが,だいぶ前の資料となると,冊子に当たらざるを得ません。この統計図書館には,それが全て揃っているのです。書庫にある資料も,頼めばすぐに出してくれます。国会図書館のように,申し込み冊数に制限があり,長時間待たされることもありません。

 統計の調べものをするならココが一番。どんな用事も片付きます。私が首都圏を離れるのを躊躇うのは,ここに自由に通えなくなってしまうからです。

 お昼まで作業をした後,職員さんに交じって食堂でランチ。私のような,だらしない身なりの風来坊は浮きますなあ…。

 午後は,新宿の紀伊国屋本店に行きました。3階の教育,社会問題,教育フェアの3か所で,拙著『データで読む・教育の論点』が平積みになっているのを見て,うれしく思いました。2階の教員採用試験コーナーでは,『教職教養らくらくマスター』が売れ筋本として前面に平積みされていました。

 その後,中央線で立川に行き,ホテルに入りました。夕飯は,近くの中華料理屋で食べましたが,ちょっと酷かった。炒飯はベチャベチャ,餃子は「レンチンですか?」と言いたくなるような代物。まあ,こういうハズレもある。

 翌日の午前10時に,立川病院に入院しました。南武線の西国立駅からすぐです。きれいな新棟が建っています。病室は,一泊一万円の個室にしました。相部屋だったら3000円ほどなのですが,滅多にない機会なんで奮発ってことで。


 体温と血圧を測って,点滴をつないでもらったら,手術開始まですることなし。ベッドを適当な角度に起こして,読書タイム。治験なら,これでおカネももらえるのですよね。私は年齢でアウトですけど。

 薄味の病院食の昼食を食べて,念入りに歯磨きをして,午後2時から手術開始。私が受けたのは,歯根端切除手術です。

 前居の多摩市のかかりつけ歯科で,「上前歯の歯根に大きな膿の袋ができている,手術して取り除いたほうがいい」と進言され,立川病院の歯科口腔外科を紹介されました。年間の手術数が250もあり,歯根端切除手術ならココという定評があるそうな。
http://www.tachikawa-hosp.gr.jp/shinryo/21/index.html

 歯茎を切開し,歯根にこびりついた膿をガリガリと取り除き,汚染された歯根の先端を切除。切除した先っぽに細菌が繁殖しないようスーパーボンドで封鎖して,歯肉を縫い付けておしまい。

 手術時間はおよそ2時間。痛みはあまりありませんでしたが,後頭部が圧迫されてキツかった。柔らかい枕でも敷けばよかった。

 術後は,上の唇がタラコのように腫れあがりました。固いものはNGなんで,夕食はお粥。テレビでお笑いをやってましたが,笑うと,歯肉を縫い付けた糸が張るので辛い。来週の抜糸までは,上の唇は極力動かすべからず。

 翌日の朝,手術した歯茎を消毒しレントゲンを撮って,退院の許可が出ました。会計窓口で請求された金額は,入院費込みで6万6170円。


 「さて生保を初めて使うか」と電話をしたら,歯根端切除手術は支払い対象外だそうです。払われるのは入院費だけ。うう,結構な出費になりました。

 以上,一昨日から昨日までのお出かけの記録です。今年になって,病院通いがとみに増えました。CTも3回撮りました(歯茎,脳,胸部)。41歳になりましたが,体にガタが出始めているのでしょうか。健康には留意したいものです。

 さて明日から,通常通り仕事です。月末に,新学習指導要領関係の単行本の締め切りがあります。2016年の『社会生活基本調査』や『学校教員統計』のデータも公表されます。夫の家事分担率の都道府県比較や,教員の離職率などをブログに載せますので,どうぞ,お楽しみに。

2017年9月9日土曜日

1つの中華料理店にいくらのおカネが落ちるか

 国民の消費性向を知れる便利な資料として,総務省の『家計調査年報』があります。細かい品目ごとに,1世帯あたりの年間支出額を知ることができます。
http://www.stat.go.jp/data/kakei/npsf.htm

 この資料の目玉は,47都道府県の県庁所在地別のデータも載っていることです。「納豆の首位は水戸市」「ギョーザは宇都宮市」といったフレーズが新聞によく踊りますよね。商売を始めようという人が開業の地を考える際の参考にもなるでしょう。

 しかるに,支出額が多い(消費性向が強い)ことだけをもって,開業の地を決めるのは危険です。当然そこは競合店も多く,激戦であることでしょう。商売敵がどれほどいるか,またお客さんが落としてくれるおカネの絶対額も考慮したいもの。

 私は,メジャーな外食産業の中華料理店を例に,これらの条件を勘案した参考指標を計算してみました。タイトルに記した通り,「1つの中華料理店にいくらのお金が落ちるか」です。

 2014年の総務省『経済センサス』の産業小分類統計によると,同年7月時点の全国の中華料理店は5万5095店です(a)。個人営業店のほか,チェーン店なども含みます。

 『家計調査年報』によると,2014年の1年間における,1世帯あたりの中華そば・中華食(外食)の年間支出額は1万481円(b)。単身世帯もひっくるめた,総世帯でみた額です。『住民基本台帳』に掲載されている,同年1月時点の世帯数は5595万2365世帯(c)。

 よって2014年の1年間に,全国の中華料理店に流れたおカネの総額は5864億3674万円と見積もられます(b×c)。これを全国の中華料理店数(a)で除すと,1店舗あたりの額は1064万円となります。

 店舗の維持費,原材料費,従業員の給料等の諸経費が半分かかるとしたら,アガリは500万ちょっとくらいでしょうか。まあ全体の分布をみれば,年に500万円も儲けているラーメン屋さんは,そう多くないでしょう。一部の超有名店(チェーン)によって釣り上げられた額と考えられます。

 それはひとまず置いて,この値を47都道府県の県庁所在地別に計算してみました。計算に使った3つの値(a~c)と,算出された値の一覧表を以下に掲げます。上記と同様,2014年のデータによる試算結果です。


 最高は大津市の2190万円,最低は宮崎市の554万円です。大津市は店舗が少なく,近郊都市で市場もそこそこ大きいので,1店当たりの額が多くなっています。大津市民が中華料理の外食に費やしたおカネの全てが,市内の63店舗に流れたとは限りませんが。

 マーケットが最大の東京都区部(23区)は,店舗数が7176店とケタ違いに多いので,1店あたりの配分額は827万円と少ないですね。

 競合店の数,落としてくれるおカネの総額を勘案した,1店舗あたりのベネフィットの試算値です。お客さんの地域移動を度外視していますが,流入と流出がトントンになる(相殺する)という仮定を置くならば,全く的外れということにはなりますまい。

 今回は中華料理店を例にしましたが,ハンバーガー店,すし店などについても,同じ値を出すことが可能です。『経済センサス』の産業小分類統計に店舗数は出てますし,1世帯あたりの年間支出額は『家計調査年報』に出ています。興味ある方は,どうぞ計算してみてください。私が上表のデータを作成するのにかかった時間は,およそ30分です。

 ところで,青森市の1店舗あたりの額は768万円とあまり多くないですね。しかるに最近,この北の地にとても魅力的な中華料理店があるのを知りました。王味(わんみ)というお店です。
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2010/04/post_1488.html

 とくに,ニンニクたっぷりの餃子が絶品であるとのこと。青森はニンニクの産出量がダントツでトップですが,そういう地の利が出ていますね。ニンニク大好きの私にとっては,たまりません。写真を見るだけで,唾液反応が出ます。

 秋の旅行で,この店に行ってみようかなと考えています。青森まで開通した新幹線にも乗ってみたいですし。晩秋の楽しみができました。

2017年9月4日月曜日

やっぱり教員の勤務時間は長い

 教員の過重労働が世に知れ渡るようになってきました。

 最近出た,妹尾昌俊さんの『先生が忙しすぎるをあきらめない』(教育開発研究所)の第1章では,教員の勤務時間が異常に長いことが豊富なデータで示されています。
http://www.kyouiku-kaihatu.co.jp/class/cat/desc.html?bookid=000489

 私も,教員の長時間労働についてはデータを作ってきましたが,初めてみるデータがいろいろ提示されており,勉強になりました。とくに興味を持ったのは,小・中学校の週間勤務時間分布を,他の産業と比較している表です(25ページ)。

 これによると,教員の勤務時間は,キツイといわれる運輸業・宿泊業・飲食業よりもずっと長し。「大変なのは教員だけではない」という声を聞きますが,他の職業と比べてみても,教員の世界は異常なんだなと感じました。

 私は,この職業比較のデータをもっと精緻化させてみたいと考えました。妹尾氏は,『労働力調査』のラフな産業分類のデータを使っていますが,『就業構造基本調査』に,もっと細かい職業中分類の就業時間の統計が出ています。

 このデータから描ける,全職業の布置図の中に,小・中学校教員のドットを置いてみようと思います。

 まずは,小・中学校教員の勤務時間分布を代表値に集約することから始めましょう。下表は,2016年度の文科省『教員勤務実態調査』(速報)による,学校内の週間勤務時間の分布です。原資料では,教諭と管理職(副校長・教頭)に分けられています。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/29/04/1385174.htm


 5時間刻みの階級に該当する教員の数が,%値で示されています。最頻階級(Mode)は,小教諭・中管理職が55~59時間,中教諭・小管理職が60~64時間,となっています。現場の感覚からすれば「そんなもんだろう」でしょうが,法定の週間労働時間(40時間)から大きく隔たっています。労基法などどこ吹く風です。

 週60時間以上働いている教員の割合は,小教諭が33.5%,中教諭が57.6%,小管理職が62.8%,中管理職が57.8%,です。1日12時間以上勤務している教員が多し。

 階級値(階級の真ん中の値)を用いて,週間の勤務時間の平均値(average)を出すと,小教諭が57.3時間,中教諭が63.2時間,小管理職が63.4時間,中管理職が63.5時間,となります。平均でコレとは酷い。

 これは,学校内の勤務時間によるものです。自宅での授業準備や持ち帰り残業等も含めれば,事態はもっと悲惨なものになります。

 小・中学校教員の週間勤務時間分布を,2つの代表値(週間平均勤務時間,週60時間以上勤務者比率)で表してみました。ここでの目標は,この2指標のマトリクス上に,教員を含めた全職業のドットを配置したグラフを作ることです。

 他の職業についても,同じ値を計算しましょう。2012年の『就業構造基本調査』に,週間の勤務時間の分布を職業別に集計した表があります(下記サイトの表34)。これをもとに,上記の2つの代表値を職業別に明らかにしました。
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020103.do?_toGL08020103_&tclassID=000001048178&cycleCode=0&requestSender=search

 下表は,算出されたデータの一覧表です。資料的意味合いもこめて,省略はしないで全部掲げましょう。週間平均勤務時間が50時間以上,週60時間以上比率が30%以上の数値は赤字しました。キツイ職業の目安です。


 教員の勤務時間は,他の職業に比して長くなっています。長時間労働がいわれる医師,飲食物調理,自動車運転業をも凌駕しています。

 グラフにすると,教員が他を抜きん出ている様が分かります。横軸に週間平均勤務時間,縦軸に週60時間以上勤務率をとった座標上に,教員を含む70の職業のドットを配置すると,下図のようになります。


 教員は,全職業の標準(点線)からはるかに隔たった,右上のゾーンのあります。教員のデータは,学校内の勤務時間に基づきますが,自宅での仕事時間も加味したら,もっと右上にぶっ飛ぶことでしょう。

 タイムカードや残業代という概念が存在しない。公立学校の教員は,月給の4%の調整手当で「使いたい放題」。学校では,一般社会では考えられないことがまかり通っています。かつてデューイは,学校を「陸の孤島」と形容しましたが,労働者の管理についてもそれは当てはまるようです。

 先月末に中教審が出した緊急提言によると,ようやく,この異常な環境が是正される見通しが立ってきました(タイムカード導入!)。
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170829-OYT1T50068.html

 タイムカードとは,時間を切り売りして給料を得る労働者の世界では欠かせないアイテムですが,教員の世界ではそれがずっとなかった。教員はカネ勘定で働く労働者とは異なる,「教師=聖職者」というような,昔ながらの教師像が残存しているのでしょう。

 働き方改革の徹底と同時に,こうした社会の眼差しを正すことも必要です。時代と共に,教師像は「聖職者→労働者→専門職」というふうに移行するといいますが,日本は未だに,最初のステージにとどまっています。

 個々の教員は,「やりがい搾取」(本田由紀教授)という罠にはまっていることにも要注意。「子どものためなら」と,現況の異常事態を受け入れてはなりません。ブラック労働を厭わぬ精神を,子どもに植え付けることにもなります。

 教員は,社会(子ども,保護者,教育委員会…)からの眼差しを意識して演技する「役者」のような存在です。制度レベルでの労働条件改善は重要ですが,根本的には,教師像を問い直す作業も必要になるでしょう。

 時代比較や国際比較で,今の日本社会で,常識と信じて疑われない教師像を相対視する。亡き恩師・陣内靖彦先生の著書『日本の教員社会』(東洋館出版,1988年)は,歴史社会学の視点からそれをやっている名著です。

2017年9月2日土曜日

同一条件の夫婦の家事・育児分担率

 夫婦の家事・育児分担率については,何度もデータを出してきました。共働き夫婦でみても,夫の家事・育児分担率はきわめて低い。一貫したファインディングは,コレです。

 しかるに共働きといっても,夫と妻では働いている時間が違うだろう,雇用(勤務)形態が違うだろう,という疑問が度々寄せられました。

 この疑問に答えられず歯がゆい思いでいたのですが,『社会生活基本調査』(2011年)の公表統計を丹念に見たら,夫婦の働き方を揃えることができるデータが出ているではありませんか。下記サイトの表20~22です。
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001040666&cycode=0

 これらを使うことで,同じくらい働いている夫婦,双方とも正社員(フルタイム就業)の夫婦に限定して,家事・育児分担率を計算することができます。はて,このように就業の条件を揃えた場合,夫婦の家事・育児分担率はどうなるか。ちょっとはマシな数値が出てくるでしょうか。

 1)就業時間,2)雇用形態,3)勤務形態,の3つを統制して,夫の家事・育児分担率を出してみましょう。夫婦の平均時間の合算に占める,夫の割合(%)です。就学前の乳幼児がいる夫婦に注目します。

 下の表は,平日・土曜・日曜の平均時間から算出した,夫の家事・育児分担率の一覧表です。


 双方とも週35時間以上働いている夫婦の平日でみると,夫が43分,妻が284分。就業時間を揃えても,違うものですねえ。夫の分担率は,43/(43+284)=13.1%となります。およそ8分の1です。

 まあ,「夫有業+妻無業(主婦)」の伝統的夫婦の5.2%に比したら高いですが,大きな差とはいえません。雇用形態や勤務形態を統制しても,正社員(フルタイム)夫婦の数値は,伝統的夫婦のそれと大差なしです。

 むろん,条件をもっと統制する余地はあるでしょうが,基本的な就業条件を揃えても,夫の家事・育児分担率は低い,という事実は知っておくべきでしょう。

 なぜ夫は家事(育児)をしないか。仕事時間と当人の意識のクロスから導き出した,「家事をしない夫の4類型」を,先日公表の日経デュアル記事で提示しました。仕事時間を短くすれば,夫は家事をするとは限らない。こういう問題提起です。
http://dual.nikkei.co.jp/article.aspx?id=11011

 今月の半ばに,2016年の『社会生活基本調査』の生活時間統計が公表されます。上記の同じデータを作ったら,どういう数値になっているでしょうか。事態の改善が見られるでしょうか。ここ数年の「ワーク・ライフ・バランス」施策の評価にもなります。データの公表を,期して待つことにいたしましょう。

2017年8月31日木曜日

2017年8月の教員不祥事報道

 台風の影響で,今日は悪天候でした。気温も上がらず,10月中旬並みの肌寒さでしたね。今月は冷房をずっと「つけっぱ」にしてましたが,1か月ぶりに冷房を切りました。

 さて,今月私がネット上でキャッチした教員不祥事報道は32件です。赤字は注目事案。わいせつの処分歴を隠して採用され,また同じ悪さをした臨時講師ですが,こういう人はたくさんいるでしょう。これを受け,過去の処分歴を照会できるデータベースを作成するとのことです。

 また今月は,盗みといった財産犯が多い印象です。教員は安定していますが,後先の給料もきっかり予測できちゃいますので,多額の借金を抱えたりすると「もう返せない」と絶望してしまいます。

 辛いのは,先行きが不透明なことではなく,先行きが透明であること(分かり切っていること)なのです。公務員の皆さんが多かれ少なかれ抱えている,心的葛藤の源泉だと思います。

 暦の上では夏も終わり,明日から9月です。9月のカレンダーには,私にしては珍しく,予定が多く書き込まれています。中旬には大きな病院に入院し,歯茎切開の手術を受けます。月末に,新学習指導要領関係の単行本の締め切りもあり。

 2016年の『社会生活基本調査』(生活時間統計),『学校教員統計』のデータも公表されます。楽しいデータ分析も待っています。

 よい月になりますように。背景を,夕暮れの海岸に変えます。9月は中旬に,もう一度替える予定です。

<2017年8月の教員不祥事報道>
特殊詐欺に関与の石川の中学教諭、少女にわいせつ容疑で再逮捕
 (8/1,産経,石川,中,男,27)
盛岡の中学校教諭が酒気帯び運転/岩手(8/1,岩手放送,岩手,中,男)
休暇で沖縄へ…ビーチで女児の尻撮影、長崎の小学校教諭逮捕
 (8/2,産経,長崎,小,男,47)
わいせつ行為で教諭ら懲戒免職(8/2,NHK,千葉,小男27,中男27)
教え子と性的な行為 本島南部の教諭を逮捕
 (8/3,琉球放送,沖縄,中,女,30代)
わいせつ行為教諭を懲戒免職処分(8/5,テレビ和歌山,和歌山,中,男)
中学生に裸の画像送らせる 逮捕の小学教諭に停職処分
 (8/8,朝日,愛知,小,男,37)
わいせつの臨時講師を免職 他県で処分、改名して採用
 (8/8,サンスポ,愛知,小,男,30)
勤務する小学校の更衣室にカメラ設置容疑、教諭を逮捕
 (8/9,朝日,兵庫,小,男,30)
女子大学生の下着盗撮の疑い、養護学校教諭を逮捕 
 (8/9,日刊スポーツ,島根,特,男,54)
懲戒処分:ソフト違法複製、中学教諭を停職
 (8/10,毎日,北海道,中,男,52)
危険ドラッグを密輸、勤務時間外に使用 所持容疑で逮捕の小学校教諭
 (8/10,埼玉新聞,埼玉,小,男,47)
・窃盗:高校教諭を懲戒免職処分に 県教委(8/10,毎日,静岡,高,男,33)
酒気帯び運転の教員に停職処分 滋賀県教委
 (8/11,京都新聞,滋賀,小,男,60)
寝屋川市の教諭逮捕、女子高生スカート内盗撮の疑い 
 (8/13,日刊スポーツ,大阪,男,32)
滋賀県立高の教諭を書類送検=酒気帯び運転で当て逃げ
 (8/16,時事通信,滋賀,高,男,31)
<覚醒剤>埼玉の中学教諭を所持容疑で逮捕(8/16,毎日,埼玉,中,男,27)
高校教諭、覚醒剤使用疑い 広島県警が逮捕
 (8/19,共同通信,広島,高,男,45)
「早く子供たちの顔覚えたかった」新任講師、小学生の個人情報入りかばん盗まれる
 (8/19,産経,大阪,小,女)
息子の市採用で贈賄 校長逮捕(8/21,朝日,山梨,中,男,57)
静岡の支援学校教諭逮捕 ゲームソフト万引疑い
 (8/22,産経,静岡,特,男,32)
大麻所持の疑いで中学校教諭を逮捕 神奈川・三浦
 (8/22,朝日,神奈川,中,男,28)
同僚と飲食、酒気帯び事故 62歳群馬県立高教諭を免職
 (8/23,産経,群馬,高,男,62)
盗撮容疑で30代の中学教諭逮捕 東京・板橋区 
 (8/23,日刊スポーツ,東京,中,男,30代)
中学の女生徒にキス、20代の男性教諭を懲戒免職 
 (8/23,日刊スポーツ,京都,中,男,20代)
中1に教諭「ベランダから飛び降りろ」と発言
 (8/23,読売,福島,中,男,50代)
女性教諭が小1児童に暴言「脳みそ使えよ」
 (8/24,沖縄タイムス,沖縄,小,女,20代)
自転車無断使用、女性教諭を停職(8/24,産経,東京,小,女,24)
津市の小学校教諭、万引き容疑で逮捕
 (8/25,CBCテレビ,三重,小,男,30)
教頭がプリぺイドカード盗み現金着服、1か月の停職処分
 (8/25,TBS,神奈川,小,男,49)
「ふがいないプレーに厳しい指導」生徒に平手打ちした男性教諭懲戒処分
 (8/25,産経,兵庫,中,男,42)
52歳教諭を懲戒免職、同僚の財布盗んだ疑い
 (8/29,TBS,神奈川,中,男,52)
高校教諭が女子高生盗撮 福島、懲戒処分へ (8/30,産経,福島,高,男,30代)

2017年8月29日火曜日

47都道府県・20政令市の部活時間

 今年度の『全国学力・学習状況調査』の結果が公表されました。
http://www.nier.go.jp/17chousakekkahoukoku/index.html

 今年度は対象の生徒(中3)に部活時間を尋ねており,教科の平均正答率との相関が分析されています。それによると,平日1日1時間台の「ほどほど」の群で,学力が最も高いとのこと。
http://www.asahi.com/articles/ASK8W5R69K8WUTIL017.html

 長時間部活に明け暮れると,疲労から勉強も手につかなくなるでしょう。過度の部活は,勉学の支障になるというのは頷けます。逆に,部活時間が30~59分,30分未満,ゼロとなるにつれて教科の平均点が下がる傾向もあるようですが,これは,家庭環境のような他のファクターがありそうです。

 部活時間は,中学生の質問紙調査の問21で尋ねられています。6つの選択肢から1つを選んでもらう形式です。全国の公立中学校3年生の回答分布は,以下のようになっています。無回答・無効回答と「しない」の帰宅部生を除く,86万6678人の回答分布です。


 平日1日2時間台の生徒が半分を占めています。放課後の3時半から6時くらいまでというケースでしょう。私の頃も,これがマジョリティであったと記憶しています。3時間以上というのは,朝練もやっている生徒さんでしょう。

 学力が最も高い「適度」な1時間台の生徒は,全体の32.2%となっています。およそ3人に1人ですが,この層がもっと増えてほしい。

 フツーの生徒さんの部活時間を知るため,上表の分布を一つの代表値に集約してみましょう。よく用いられるのは平均値ですが,ここでは中央値(Median)を出すことにします。全体を高い順に並べた時,ちょうど真ん中にくる生徒の値です。

 右端の累積相対度数から,中央値は2時間台の階級に含まれることが分かります。累積比50%の値は,120~180分の間のどこに位置するか,按分比例の考えを使って推し量ってみます。以下の2ステップです。

 ① (50.0-36.9)/(86.8-36.9)=0.262
 ② 120分+(60分×0.262)=135.7分

 公立中学校3年生の,平日1日あたりの部活時間の中央値は135.7分,2時間16分と出ました。こんなものでしょうか。

 しかるに,地域別にみると値にはバリエーションがあります。同じやり方で,47都道府県・20政令市の中央値を計算してみました。ついでに,過重な部活をしている生徒(1日3時間以上)も出してみました。全国値は上表にある通り13.2%ですが,こちらも大きな地域差があります。


 平日の部活時間の中央値は,都道府県別にみると,75.6分から151.2分までのレインヂが見受けられます。岐阜は極端に部活時間が短いのですが,何か事情でもあるのでしょうか。*情報提供は下記ツイート。
https://twitter.com/JUKUHOSHINO/status/902416421094752260

 最高は神奈川で,岐阜の2倍です。中央値が151分(2時間半)とはキツイ。3時間以上の過重な活動をしている生徒の率も24.7%と高くなっています。4人に1人です。

 150分以上の中央値と,20%以上の過重活動(3時間以上)比率は赤字にしています。ブラック部活の危険信号と読んでもいいでしょう。都道府県では秋田と神奈川,政令市では横浜市,川崎市,名古屋市,北九州市がヤバそう。

 過度な部活が社会問題化していることを受けて,『全国学力・学習状況調査』でも,生徒の部活時間が調査されることになりました。ここでお見せしたデータは,初回の「初期値」です。この値の変化によって,部活改革や教員の多忙化政策の効果が可視化されることになります。

 しかるに,国内の地域比較なんて「どんぐりの背比べ」で,異国の人の目からすれば,どの地域の状況も異常に映ることでしょう。随所でいわれていますが,北欧では「学校の部活」という概念がありません。この手の活動は,地域のスポーツクラブ等に委ねられています。

 国際比較をしてみると,スウェーデンやフィンランドでは,教員の課外活動指導時間はほぼゼロです。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2015/08/post-3842.php

 これから先,退職高齢者などの「地域密着人口」が増えていきます。その中には,高度なスキルを持った人材もいるでしょう。こうした地域資源を活用し,放課後の部活は,地域社会に委ねていくことも考えられてよいでしょう。こういうことも,「社会全体で子どもを育てる」という理念の具体的な表れの一つといえます。

2017年8月25日金曜日

書店・文房具店の立地密度

 ネット書店の台頭により,街の本屋さんが苦境に立たされています。昨日の朝日新聞によると,全国の自治体の2割が,書店ゼロなのだそうです。
http://www.asahi.com/articles/ASK8R5FDVK8RUCLV00Q.html

 書店の減少は,官庁統計からも知ることができます。総務省『経済センサス』の事業所統計(産業小分類)によると,書店・文房具小売事業所の数は,1991年では7万6915店でしたが,2014年では3万7817店まで半減しています。
http://www.stat.go.jp/data/e-census/2014/index.htm

 書店へのアクセスがどれほど不便になったかを分かりやすくするため,上記の店舗数を面積で除して立地密度を出してみましょう。自転車で動き回れる範囲の生活圏に,書店・文具店がいくつあるか。

 そうですねえ。5キロ四方の土地(25平方キロメートル)に,お店がいくつあるかを計算してみましょうか。総務省『日本統計年鑑』によると,全国の面積は37万7971㎢となっています。よって,25㎢あたりの店舗数は,以下のようになります。

 1991年 … ( 7万6915店 / 37万7971㎢ )× 25 = 5.1店
 2014年 … ( 3万7917店 / 37万7971㎢ )× 25 = 2.5店

 私が中学生の頃は,自転車で動き回れる生活圏に5つの書店・文具店があったのですが,最近では2店に減ってしまっていると。

 この立地密度を都道府県別に出すと,以下のようになります。各県の店舗数と立地密度(25㎢あたりの店舗数)の一覧表です。


 どの県も店舗数は減っており,生活圏での店数も減少をみています。私が住んでいる神奈川県では,1991年では5キロ四方の土地に38店ありましたが,2014年では18店です。

 横須賀市に限ったら,値はうんと低くなるだろうなあ。肌感覚として,この辺りに書店はないですもの。横須賀中央や久里浜に中規模の書店はありますが,品揃えがイマイチです。こういうわけで,毎週木曜は上京し,大きな書店をぶらつくことにしています。

 しかし神奈川県はマシな部類で,地方では1~2店という県がザラです。5キロ四方の土地に,1~2しか書店・文具店がないと。2014年の北海道,岩手,秋田では1店もない計算です(アミ)。

 北海道は広いですからねえ。北海道の面積は8万3424㎢で,2014年の店舗数は1661店ですから,前者を後者で除して,50.2平方キロメートルの土地に1つの書店・文具店があることになります。平方根をとって,7.1キロメートル四方の土地に1つの店舗があると。

 7.1キロを,子どもが自転車でこぐのはキツイ。子どもの生活圏に,書店が1つもないことの数値的な表現です。

 この数値は,書店へのアクセシビリティの指標になるでしょう。値が低い順,つまりアクセスがよい順に47都道府県を並べると,以下の表のようになります。


 都市部ほどアクセスがいいのは当然。東京では,700メートル四方の土地に1店あります。東京では700メートル走れば書店にいけますが,北海道ではその10倍の7キロを自転車こがないといけない。

 ラフな試算ですが,知の泉へのアクセス可能性には,スゴイ地域差があることにも注意しないといけませんね。それを埋める策として,公共図書館の整備が大きな位置を占めます。

 『経済センサス』によると,書店・文具店は減っていますが,図書館の数は増えています。1991年では2273だったのが,2014年では3311になっています。およそ1.5倍の増です。住民の知のセンターとしての,図書館の役割の重要性が認識されているのでしょう。

 ただ数の上では,商業書店のほうがはるかに多いので,知の源泉に直に触れる機会が著しく減じていることには変わりありません。

 リアルの書店は,思わぬ本との出会いを提供してくれる場です。目的の本を前もって決めて購入するネット書店では,決して味わえないこと。この貴重な空間を一種の「公共財」とみなし,保護する策も必要でしょう。フランスでは,街の書店を保護するために,送料無料でのネット販売を禁じる「反アマゾン法」が施行されていると聞きます。

 北海道では,買い物難民を救済すべく,各地で採算度外視の公設スーパーが建てられているそうです。こういう視点が,知の源泉であるリアル書店の再起に適用されてもいいでしょう。

 国を挙げて,子どもの読書活動推進の取組がなされていますが,口先での啓発活動に仕向ける予算を,リアル書店の再起に充ててもよいでしょう。子どもが本を読もうという気になるのは,大人から「本を読め」と言われることによってではなく,本屋さんで「これは!」という本に偶然出会うことによってです。