2018年5月22日火曜日

バブルとロスジェネの稼ぎ比較

 私は現在41歳で,あと2か月弱で42歳になります。40代になると体力低下を自覚するといいますが,まさにその通りです。低下より「落下」という比喩がふさわしいと思うくらいです。
https://twitter.com/maedax_x/status/876413840795123714

 「40過ぎたくらいの若造が何をぬかすか」と言われそうですが,正直,こういう思いですね。まあしかし,経済資本も社会関係資本も持ち合わせていない私ですが,何とかここまで生きてこられています。

 ロスジェネといわれる私の世代ですが,大学を出てから40歳前後まで生きてきています。後ろを振り返れば,社会人としての20年近くの軌跡(データ)が溜まっています。それを総決算してみるのも面白いでしょう。観点はいろいろありますが,就職してからトータルでいくら稼いできたかという,カネ勘定をしてみようと思います。

 私の世代(1976年生まれ)は,ストレートの場合,1999年春に大学を卒業し就職しました(就職率はどん底!)。23歳の年ですが,1999年の厚労省『賃金構造基本統計』によると,同年6月の大卒男性標準労働者の所定内月収は21.35万円(A)で,前年の年間賞与額は28.52万円(B)となっています。この2つをもとにすると,年収は12A+B=284.7万円と見積もられます。ロスジェネ世代の社会人1年目の推定年収です。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html

 この要領で24歳,25歳,26歳……の時点の年収を出していき,40歳までを累積すれば,23~40歳までの稼ぎ総額が出てきます。

 はて,ロスジェネ世代の大卒男性のこれまでの稼ぎ総額はナンボくらいでしょう。われわれが「ツイテない」世代であるのに対し,一回り上のバブル世代は「ツイテいる」世代。1990年春に大学を出た,1967年生まれとの対比もしましょうか。

 下の表は,両世代の各年齢時点の年収とその合算です。前後しますが,ここで観察対象とする標準労働者とは,「学校卒業後直ちに企業に就職し,同一企業に継続勤務しているとみなされる労働者」をいいます(用語解説)。


 23~24歳を除いて,どの年齢時点の年収もバブル世代のほうが高くなっています。おおむね加齢と共に差が広がり,37歳時の年収はバブルが686万円,ロスジェネが591万円と,95万円も開いています。

 一番下の赤字が大学を出てから40歳までの稼ぎ総額ですが,バブルが9736万円,ロスジェネが9006万円なり。同じステージの稼ぎ総額ですが,両世代では730万円も違っています。生まれる時代が一回り違ったことによる差です。

 こういう不運もあり,ロスジェネ世代では,離家・結婚・出産といったイベントが首尾よくいかなかった者も数多し。山田昌弘教授の『パラサイト・シングルの時代』(ちくま新書)が大ヒットしたのは,私の世代が社会に出た1999年だったことは特記されるべきことです。
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480058188/

 ちなみにここで見ているのは,大学卒業と同時に就職し,ずっと同じ会社で勤めている標準労働者,言ってみれば「勝ち組」のデータです。私の世代では,新卒時の正規就職が叶わず非正規のまま滞留している人も多く,この層も含めた全労働者でみれば,バブル世代との差はもっと大きいと思われます。

 当然ですが,稼ぎの額は企業規模によっても異なります。「就社」慣行の強い日本ではとくにそう。厚労省の『賃金構造基本統計』では,従業員1000人以上,100~999人,10~99人,という3段階に分けて,所定内月収と年間所与額が計上されています。

 このデータを使って,バブルとロスジェネの23~40歳の稼ぎ総額を,企業規模別に出してみました。やり方は,上記で説明した通りです。はじき出された結果だけを見ていただきましょう。


 全体の総額は,最初の表でみた通り,バブルが9736万円,ロスジェネが9006万円です。企業規模別にみると,バブルの大企就職組は40歳時点にして1億円超えですか。スゴイですね。

 赤字で示しましたが,ロスジェネの中企業は,バブルの小企業よりも低くなっています。

 2世代の差(右端)をみると,大企業は459万円,中企業は469万円ですが,小企業では805万円も開いています。小企業ほど落ち込みが大きいようです。ロスジェネでは,大企業と小企業の格差も広がっています。私の世代はどの層も割を食っているのですが,それは(弱い)小企業で顕著のようです。不況期には,下請いじめが横行するといいますからね。

 以上,40歳までの稼ぎ総額を試算してみました。65歳定年とすると,社会人生活はあと四半世紀ほど残っていますが,定年までの稼ぎ総額,すなわち生涯賃金でみたら世代格差はもっと広がることは間違いありません。40歳の時点で700万円ほど差が出ているのですから(最初の表),2000万円くらいの差にはなるでしょう。

 生まれる家庭や地域は選べませんが,時代も選択できません。階層格差,地域格差と同時に,世代格差という視点も落とせません。私は,この3つのいずれにも関心を持ちます。どの視点で見ても「下」の部類に属しますので。

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