これは平均値ですが,している学生はメチャクチャしていることでしょう。『社会生活基本調査』では,全体を均した平均値しか分かりませんが,『就業構造基本調査』のデータを加工することで,バイト学生の年間就業日数・週間就業時間の分布を出せることを知りました。その試算結果をご報告します。
『就業構造基本調査』では,パート・バイト等の非正規就業者の年間就業日数・週間就業時間分布が集計されています。結果表の中に,非正規就業者全体の数と,そのうちの学校卒業者の数を分けて掲げた表があります。
http://www.stat.go.jp/data/shugyou/2012/index.htm
http://www.stat.go.jp/data/shugyou/2012/index.htm
私は,前者から後者を差し引くことで,在学者(学生)の数を割り出してみました。在学者の非正規就業者は,ほとんどが学生バイトとみてよいでしょう(以下,学生バイト)。下の表は,このようにして出した,学生バイトの年間就業日数・週間就業時間の分布表です。最新の2012年度調査のデータから作成しました。
年間就業日数と週間就業時間の双方が判明する,学生バイトの総数は95万600人です。このうち,「年間200日未満・週15時間未満」のカテゴリーが33万8千人と最も多くなっています。およそ3人に1人。月15日,1日2~3時間程度の適度なバイトといえます。
しかし,長時間バイトをしている学生もいるようで,年間200日以上・週35時間以上のフルタイム並みのバイト学生が6万3600人,全体の6.7%,15人に1人です。問題になっているブラックバイトの出現率の近似値とみてよいかと思いますが,いかがでしょう。ネグリジブル・スモールではありませんね。
この値が業種や地域などの条件でどう変異するかは興味ある課題ですが,公表資料では,そこまでは明らかにできません。ただ,ジェンダー差や時系列変化は出すことができますので,やってみようかと思っています。
ひとまず,上記の分布表を資料としてここに掲載いたします。