見合い結婚が廃れた今日,結婚は「相思相愛」の男女の結びつきという様相を濃くしていますが,それを規定するのは「スキ!」という感情だけではありますまい。他にも,幾多の条件が関与しているとみられます。
とくに男性の場合,相手の女性の恋愛感情を掻き立てる条件として,たとえば職業や収入などがあるでしょう。このブログでは,職業別や年収別の未婚率を明らかにしたことがありますが,結婚できる確率という点ではどうでしょう。
私は,2010年の厚労省「人口動態統計」の職業集計にあたって,同年中の職業別の初婚者数を調べました。これを,「国勢調査」から分かる同年10月の職業人口(未婚)で除すことで,それぞれの職業の結婚率を算出した次第です。年齢は,結婚期の25~34歳に限定しています。それと,分子は外国人を含まない日本人の数なので,分母もそれに合わせています。
管理職は結婚率が高くなっています。男女とも50%ほどです。この年齢の管理職は多くが起業者でしょうが,夫婦での企業が多いのでしょうか。
管理職の次に高いのは,男性では専門技術職,女性では建設や機械運転といったブルーカラー職となっています。ブルーカラーの現場職では女性が少なく,希少性が際立つためでしょうね。
あと一つ,無職者においてジェンダー差が大きくなっています。女性では12.7%ですが,男性ではわずか0.7%です。これも,さもありなんです。「定職ないオトコなんて…」という観念が強いですものねえ。若年の無職男性には病気がちの者が多いなど,別のファクターもあるでしょうが,日本的ジェンダーが垣間見れるデータです。
しかし,5月23日の記事でみたように,専業主夫の量はじりじりと増えてきています。変化の兆しはないではありません。ひとまず,上記のデータから5年を経た2015年の統計的現実がどうなっているかに注目することにいたしましょう。