2020年3月2日月曜日

日本女性学習財団連載終了

 3月になり,暦の上では春になりました。コロナウィリスも怖いですが,私の場合,花粉で目がかゆくなるので,辛い季節です。

 日本女性学習財団機関誌『ウィラーン』の連載「データをジェンダーの視点で読み解く」ですが,今月号で終了となります。今日の午後,最終回の原稿が載った,2020年3月号が届きました。
https://www.jawe2011.jp/welearn

 2018年4月より,毎月の号に駄文を載せていただきました。見開き形式で,図表を3つ掲げ,日本社会のジェンダー構造を様々な角度から浮き彫りにするものです。当初は1年間の約束だったのですが,思いのほか好評とのことで,2018~19年度の2年間,続けさせていただきました。

 トータルで22回原稿を書いたことになり,送られてきた冊子も22冊です。


 狭い机の上なので,重ねて並べましたが,平面上にて時系列で接合させると,各号の円がつながるという,ユニークな設計になっています。

 書き連ねてきた,22回の原稿タイトルの一覧を掲げます。別のブログで整理してますので,そのスクショでご容赦ください。


 リケジョ,就業率,災害死者数,収入差,健康,生涯学習,政治,大学進学,キャリア,学校,創造性…。各号のテーマに沿ったジェンダー統計を準備し,それについて文章を書かせていただきました。

 私が手掛けたことのない分野についてはいささか難儀しましたが,編集者氏が「こういうデータはどうですか」と助言くださり,大いに助かりました。おかげで視界が広がったようにも思います。「災害・防災とジェンダー」というテーマもあるというのは,私にとって開眼でした。

 私はジェンダーは専門でなく,依頼された仕事を全うできるか不安でした。案の定,作ったデータの解釈や考察にいろいろ抜けが出たのですが,編集者氏の懇切なサポートのおかげで,無事に乗り切ることができました。

 2018年度は伯野朋絵氏,19年度は池田和嘉子氏にお相手いただきました。文章のねじれの修正はむろん,データの元資料まで当たって間違いを指摘してくださる徹底ぶりで,「これが編集者だよなあ」と思わされました。どこぞのウェブ誌の悪質編集者とは大違いです。

 池田氏は,大学院博士課程まで終えておられる学者肌の人です。奇遇にも,2004年の社会教育学会の学会誌に,私と一緒に論文を載せておられ,「同じ畑じゃないですか」と笑い合いました。

 学習事業課の黒澤あずさ氏,係長の田村雅子氏も,私の原稿にお目通しいただき,編集会議で意見を出してくださったことと存じます。記して感謝申し上げます。

 財団理事長の村松泰子先生にも,ご指導をいただきました。村松先生はわが母校・東京学芸大学の前学長で,私が学部時代,ジェンダー論を習った先生です。連載の依頼をいただいた時,財団のHPの理事長名に先生のお名前があり,「うわあ,懐かしいなあ」と声に出してしまいました。2018年の12月に,22年ぶりにお会いでき感激でした。

 連載期間中,毎月送られてくる『ウィラーン』をめくるのも楽しみでした。研究者による研究レポートのほか,各地の旬の実践,映画や文献の紹介など,賑やかで楽しませてくれる構成になっています。私の連載だけ場違いのようにも感じましたが,「ちょっとの間,スパイスを加えるのもいいだろう」という,編集部の意向だったのでしょうか。

 ジェンダーの最先端を,楽しく・分かりやすく紹介してくれる冊子です。1952(昭和27)年から続いている,伝統ある月刊誌。今後の継続・発展をお祈りします。