2011年3月17日木曜日

49市区の子どもたち②

 前回は,東京都内49市区について,子どものすがたを捉える3つの指標を算出しました。また,それらの値を1~5までのスコア値に換算しました。今回は,このスコア値を使って,各地域の診断カルテを作ってみようと思います。


 まずは,私が在住している多摩市からみてみましょう。本市の場合,肥満児出現率が大変低くなっています。スコアが1ということは,49市区で最低ということです。これは結構なことといえましょう。学力は,49市区全体(3.0)とほぼ同程度です。ただ,不登校児出現率の突出がやや気にかかります。スコアは3.8で,全体の水準を凌駕しています。

 3つの観点からみた場合,多摩市は,子どもの脱学校兆候がやや際立っています。しかるに,この部分に問題が特化されていますので,今後の重点の置きどころが明確です。


 次に紹介するのは,多摩市と同じく都内の西部に位置する福生市のカルテです。当市は,問題が複合的です。子どもの発育状況の改善,脱学校兆候の克服,および学力の向上という,3つの課題があることが知られます。


 最後に,比較的望ましい様相を呈しているケースとして,武蔵野市のカルテをお見せします。子どもの肥満率や不登校率が平均水準より低く,学力は高くなっています。学力偏重教育が行われるあまり,子どもの発育が阻害されるようなことがあってはなりませんが,本市の場合,そのようなバランスの欠如は見受けられません。

 次回は,引き続き,他の地域のカルテをご覧いただきます。