2018年9月18日火曜日

無断転載の使用料を払わせる

 私が書いた記事を無断転載している匿名ブログがあり,メールで指摘し削除させました。よくあることですが,今回はもう一段重ねて,使用料を払ってもらいました。これは初めてのことです。

 ツイッターでつぶやいた所,多くの人が興味を持ってくださり,「自分も似たような被害に遭うことがある。経緯を教えて欲しい」というリクエストがありましたので,ここに記録することにします。
https://twitter.com/tmaita77/status/1041164641068441600

 無断転載されたのは,9月5日にニューズウィーク日本版サイトに公開した「東大生の親の6割以上は年収950万円以上」という記事です。発見したのは,3日経った8日の夕方。

 当該ブログの問い合わせフォームから,以下のメッセージを送りました。

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 この記事(URL記載)ですが,私がニューズウィーク日本版に書いた記事(下記)の転載ですね。タイトルとデータは同一,文章も「です・ます」調にしただけですね。著作権侵害です。すぐに削除されたい
 9月8日 17:37
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 1時間ほど経過して確認したところ,問題の転載記事は削除されていました。

 いつもならこれでおしまいですが,当該ブログは投資のノウハウをメインにしたもので,アフィリエイトやアドセンス広告をベタベタ貼った営利性の強いものでしたので,使用料を請求することを思い立ちました。

 問い合わせフォームから,2度目のメッセージを送りました。

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 記事ですが,削除を確認しました。追加の要望ですが,無断転載されていた間の著作物使用料として5000円を申し受けます。下記口座に入金ください。

 〇〇銀行 〇〇〇〇〇〇支店 普通 〇〇〇〇〇〇〇〇 舞田敏彦


 期日は,2018年9月20日とさせていただきます。記事の控えはとってあります。入金がない場合,ニューズウィーク版元のCCCメディアハウス社と協議し対応を考えます。

 9月8日 18:51
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 さあ,どう出てくるかと待っていた所,一週間ほど経った16日のお昼前に,以下のメールが届きました。

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 ●●●●というブログをやっている者です。先日の要望を受けて9月14日金曜日の午前10時半頃に、5000円の振り込みをさせていただきました。「●●●●●●」という名義での振り込みになっています。この度はご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。今後、このようなこのようなことのないように十分に気をつけます。
 9月16日 11:41
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 仕上げとして,私は以下の返信をしました。

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 今後は気を付けてください。他にも,こういう転載記事を載せているなら,早急に削除したほうがいいです。転載期間が長期にわたると,相手によっては多額の使用料(損害賠償)を請求されることになります。
 9月16日 12:05
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 以上が経緯です。この人は使用料の支払いに応じましたが,そうでない場合は弁護士を通して請求,それでも応じない場合は発信者を突き止め裁判を起こすつもりでいました。このプロセスを一度経験したいと思っていたのもあります。業務を委託する弁護士の目星もつけていました。

 記事の無断転載・商用利用という権利侵害は明白ですので,弁護士を通して発信者情報開示請求すれば,プロバイダーも氏名・住所を開示せざるを得ません(応じない場合は裁判)。ネットに匿名なんてないのです。
https://twitter.com/OOHORI_bicycle/status/1037217822198456320

 発信者の特定に要する費用は20万円ほどですが,権利行使のための調査費用ですので,相手に請求することができます。5000円ケチって20万円払う羽目になったら大馬鹿です。敵を褒めるわけではないですが,素直に支払いに応じたのは賢明な判断だったと思います。

 今回は,転載の期間が3日だったので,使用料は5000円に設定しましたが,より長期にわたった場合,額はそれに比例して膨れ上がります。「ブタは太らせて食え」ではないですが,しばらく転載させておいてから,多額の使用料を請求する。こういう戦略をとる,意地の悪い人もいるかと思います。

 問題のブログをみると,他にも無断転載と思しき記事があるようなので,「他にも,こういう転載記事を載せているなら,早急に削除したほうがいい」と忠告しておきました。

 当該ブログのURLをここに記してもいいのですが,更生の可能性を信じ,それは控えましょう。ただし,私の忠告に従わず,無断転載の記事を載せ続けているなら,対応を考えたいと思っています。他人の作品を,ブログの広告費稼ぎに使うなど言語道断です。

 「言われたら削除すればいい」。こういう考えでは困ります。削除だけでは手ぬるい。今後は,毅然とした対応をしたいと考えています。