2024年8月5日月曜日

『教職教養らくらくマスター』のウリ

  本日,最新の『教職教養らくらくマスター』が刊行されました。2026年度採用試験への対策用です。試験の実施早期化に合わせ,刊行時期を早めています。

 最近は,秋にも試験を実施する自治体もありますが,そうした秋実施の試験への対策に使っていただくことも可能です。この本は毎年刊行されていて,最新の出題傾向や時事をもとに,内容を大幅リライトしています。最新の知識を携えて,秋実施の試験に臨んでいただけたらと思います。

 この本の特徴や長所については,前に本ブログで書いたことがあります(コチラの記事)。しかし追加で特記しておきたいことがあるので,ここで書いておこうと思った次第です。

 本書を購入いただき,8~23ページを見ていただくと,(不気味な)数字が並んだ統計表が掲載されているかと思います。本書の各テーマの内容が,過去5年間の試験で何回出題されたかをまとめた出題頻度表です。

 教職教養は教育原理,教育史,教育法規,および教育心理の4領域からなります。『教職教養らくらくマスター』では,原理51テーマ,歴史6テーマ,法規34テーマ,心理13テーマ,合計104テーマ設けています。この各テーマの内容が,過去5年間の試験(2020~24年度)において何回出題されたかを,自治体ごとにカウントした表です。

 これを使えば,自分が受験する自治体の出題傾向に合わせた効率的な学習をすることができます。ネタ出しになりますが,受験者数が最も多い東京都を例に,活用の仕方を説明いたしましょう。

 以下の表は,東京都の過去5年間の教職教養試験において,教育原理の51テーマの内容が何回出題されたかを掲げたものです。本日発売の『教職教養らくらくマスター』の8~9ページより抜粋しています。


 5年間で5回,つまり毎年欠かさず出題されている必出テーマは「5」,5年間で4回出題されている頻出テーマは「4」となります。『教職教養らくらくマスター』では,前者を赤色,後者をグレーにして強調しています。数字が〇囲いになっている場合,最新の2024年度試験(2023年夏実施)で出題されたことを意味します。

 表をみると,東京都の教職教養では「高等学校の教育課程の編成」「特別活動」「教育相談」「いじめの防止」「通常の学校における特別支援教育」が必出であるようですね。「教授・学習理論」「総合的な学習の時間」「同和問題と人権教育」は頻出です。

 東京都の受験者は,まずもってこれらのテーマを学習すべきといえましょう。「通常の学校における特別支援教育」とは,特別支援学級や通級による指導といったものです。通常学校にも特別な支援を要する子どもはいて,対象の児童生徒は年々増加しています。現場に出たときに必要な知識になりますので,きちんと習得しておきたいものです。

 次に,教育史・教育法規・教育心理(計53テーマ)の出題頻度表をみてみましょう。同じく東京都の2020~24年度試験のデータです。本日発売の『教職教養らくらくマスター』の9~11ページからの抜粋です。


 過去5年間で欠かさず出ている必出は「教員の服務①・②」「教育委員会」「学習の理論」「心理学の重要人物」となっています。5年間で4回出題の頻出は「西洋教育史(現代)」「日本教育史年表」「児童・生徒の保護」ですね。

 教員の服務が毎年必ず出題されているのは,最近,教員の不祥事が続発しているためでしょう。教育委員会のお偉方も頭を痛めていて,地公法が定める服務規程(職務上3つ,身分上5つ)は必ず知っておいてほしい,という願いだと思います。

 東京都では教育心理も結構出ていて,学習心理学は必出ですね。子どもに好ましい反応を定着させる条件付けの理論や,記憶のメカニズムといったものです。教壇に立つうえで,ぜひとも知っておきたいもの。心理学の重要人物は,著名な学者の名前と,当該人物の業績の文章を結び付けさせる問題がほとんどです。「ピアジェ=認知の発達段階説」と覚えておくだけで十分。『教職教養らくらくマスター』の人物一覧表(282~283ページ)を見ておきましょう。

 教職教養の内容は広範ですが,ド真面目に全部をくまなく学習する必要はありません。効率的な学習をしたい,ないしは時間がないという場合,出題頻度が高いテーマを優先して学習するのがよいでしょう。東京都の受験者の場合,上記の2つの表の赤色グレーのテーマということになります。まずはこれらの必出,頻出のテーマをつぶし,徐々に学習を射程を広げていくやり方がいいかと思います。

 なお「0」というのは,5年間で全く出題されていないテーマということになります。東京都の場合,合計104テーマのうち30テーマが,過去5年間の出題回数「0」となっています。思い切って,これらのテーマは捨てる,という戦法もアリです。

 ちなみに福島県をはじめとした7つの自治体では,過去5年間で教育史の6テーマ,教育心理の13テーマは全く出題されていないようです。これらの自治体の受験者は,歴史と心理は捨て,原理と法規に絞った学習をするのもよし。

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 上記は東京都のデータですが,『教職教養らくらくマスター』では,全自治体について同じデータを掲げています。自分が受験する自治体のデータを見れば,必ず押さえるべきテーマ,逆に捨てていいテーマが分かります。

 本書で内容を押さえた後,姉妹書の『教職教養よく出る過去問224』で過去問演習をすれば鬼に金棒。こちらは9月の上旬に出る予定です。この本でも,自治体ごとの出題頻度表のデータを巻頭に掲げています。

 効率的な学習をするのに,この2冊をぜひとも活用していただきたいと思います。