2014年10月31日金曜日

2014年10月の教員不祥事報道

 早いもので10月ももう終わりです。今月,私がネット上でキャッチした教員不祥事報道は29件でした。いつも通り,記事名と当該教員の基本属性を記録します。

 今月はほとんどがわいせつです。県別では,静岡と宮崎が多いなという印象を持ちます。

<2014年10月の教員不祥事報道>
校長と教頭、校内盗撮事件の証拠隠滅の疑い(10/1,朝日,宮城,小,男56,男56)
生徒と性的関係の高校講師懲戒免職(10/1,西日本新聞,佐賀,高,男,33)
 同上(体罰:高,男,33)
無修正わいせつ動画公開の県立高教諭減給(10/5,北日本新聞,富山,高,男,49)
 同上(体罰:中男52,交通違反:小男26,中男51,高段58)
逮捕の中学校講師、懲戒免職 公然わいせつ疑い
 (10/5,宮崎日日,宮崎,中,男,26)
30歳小学教諭が知人女性に強制わいせつ 車内で
 (10/7,静岡新聞,静岡,小,男30)
少女とのわいせつ行為撮影 高校教諭を懲戒免職(10/9,朝日,愛知,高,男,31)
酒酔い運転の教諭を免職,(10/10,埼玉新聞,埼玉,特,女,54)
「男女トラブルがあり」…包丁所持容疑、小学校の女性教諭を現行犯逮捕
 (10/13,産経,大阪,小,女,33)
酩酊状態の女子高生暴行容疑で高校教諭逮捕
 (10/15,神奈川新聞,神奈川,高,男,28)
元公募校長を刑事告訴=虚偽の職歴提出―(10/15,時事通信,大阪,小,男,51)
顧問が命令、部員が同級生を平手打ち 「やる気ない」 (10/15,朝日,愛知,高,男)
ホテル駐車場で酒酔い運転の県立高教諭を不起訴(10/15,読売,秋田,高,男,51)
美術教諭、免停初日に速度違反…さらにもう一度(10/15,読売,兵庫,中,男,38)
過失致傷疑いで教諭逮捕 横断歩道で女性はね重傷
 (10/17,福島民友,福島,小,女,48)
女子生徒にわいせつ行為、県立高校長を懲戒免職 (10/17,読売,愛知,高,男,52)
校長が実習生にセクハラ 「ストッキング売って」と迫る
  (10/17,共同通信,東京,小,男,57)
セクハラで小学校長停職 女性教職員らに性的な言動
 (10/18,福島民友,福島,小,男,55)
目の不自由な児童に体罰 女性教諭を訓告処分
 (10/18,神戸新聞,兵庫,特,女,50代)
備品窃盗の元臨時教諭「動機は女性との交際費」(10/18,読売,山口,小,男,29)
校長らと飲酒後、運転し事故…男性教諭を懲戒免(10/18,読売,静岡,中,男,27)
15年間「偽教諭」、男を書類送検=給与4000万円詐取疑い
 (10/21,時事通信,大阪,中,男,45)
元教え子に裸の写真送らせ保存 容疑で30代中学講師逮捕
 (10/21,京都新聞,京都,中,男,30代)
元中学校長の「宗教案内」に卒業生らが騒然ツイート「校長やばいだろ」 
 (10/22,ライブドアニュース,神奈川,中,64)
教諭が生徒に暴言「飛び降りろ」 長崎県の私立高校
 (10/25,共同通信,長崎,高,男,50代)
宮崎市中学教諭が体罰 1週間のけが、戒告処分(10/25,宮崎日日,宮崎,中,男,42)
強制わいせつ罪で起訴 横浜市教委が教諭を懲戒免職処分
 (10/28,神奈川新聞,神奈川,中,男,26)
女子生徒にセクハラ 高校教諭停職処分(10/28,静岡新聞,静岡,高,男,50代)
女子高生のスカート内盗撮の疑い、高校教諭逮捕(10/30,TBS,神奈川,高,男,29)
高校生にわいせつ画像送らせる 延岡市の教諭逮捕
 (10/30,宮崎日日,宮崎,中,男,28)

2014年10月30日木曜日

マンガ

 読書の秋ですが,私は今週,ある本に読みふけりました。その本には文字よりも絵がいっぱい。そう,マンガです。「ど根性ガエル」の全27巻セットをネット古書店で購入し,全巻読破しました。1970年代初頭の作品です。


 「いい年して…」と笑われそうですが,ストーリーを絵入りで分かりやすく伝えるマンガは,日本発祥の誇るべき文化。私は38歳の成人ですが,子どもにあっては,マンガの嗜好率はもっと高いことでしょう。私も子どもの頃は,よく読みました。私の世代の男子だと,キン肉マン,キャプテン翼,ドラゴンボール,スラムダンクあたりでしょうね。

 はて,今の子どもはマンガをどれほど読んでいるのか。データで知りたくなりました。OECDの国際学力調査PISA2009に該当する設問があるようなので,それへの回答結果を集計してみましょう。
https://pisa2009.acer.edu.au/

 本調査の対象は,各国の15歳の生徒です。2009年調査のQ25では,①マガジン,②コミック,③フィクション,④ノンフィクション,⑤新聞,をどれほど読んでいるかを問うています。5段階で頻度を問う形式ですが,マックスの「週に数回読む」の回答比率(%)を出してみました。無回答を除く有効回答の中での比率です。

 下の図は,日・米・独の結果をチャート図にしたものです。


 ほう。日本は米独に比して図形が大きいではないですか。15歳の子どもですから,評論などのノンフィクションは読まないにしても,それ以外の媒体は結構読んでいます。他の2国と差をつけているのは,コミック,すなわちマンガです。やっぱりですね。日本の生徒は49%,ほぼ半分が「週に数回読む」と答えています。

 PISA2009の対象は74か国ですが,日本の子どものマンガ嗜好は,これら全体の中でもトップでしょうか。比較の対象を拡大しましょう。マンガだけではつまらないので,小説などのフィクションの嗜好度も比べてみます。

 横軸にマンガ,縦軸にフィクションを「週に数回読む」と答えた生徒の率をとった座標上に,74の社会を位置づけてみました。


わが国は右の外れた位置にあります。日本の子どものマンガ嗜好は世界でトップです。マンガ発祥の国ですから当然といえばそうですが…。

 一方,他の先進国の多くは左側にあります。これらの社会では,マンガよりも小説のほうが好んで読まれています。斜線は均等線ですが,数としては「マンガ<小説」の国のほうが多いですね。

 これをどうみるか。先にも述べたように,絵入りで物語を分かりやすく伝えるマンガは,日本が生んだ優れたカルチャーです。この中には活字も含まれています。一概に悪いとは言えますまい。中学の頃の国語教師が「マンガでもいいから読め」とよく言っていたのを思い出します。

 しかし,親切な絵ばかりに頼っていると想像力が訓練されない,また直観(印象)依存型の思考回路ができてしまうともいいます。何かの本で,マンガばかり読んでいる子どもは短気で人の話を長く聞けない,という趣旨のことを読んだ記憶がありますが,私なんかは当てはまるかもな…。

 日本は,マンガだけでなく小説を読む頻度も他の先進国よりは高いようですが,上図での位置がもっと上方にシフトすると素晴らしい。学校図書館の利用時間を延長する,子どもの生活に時間的なゆとりを与えるなど,いろいろな術があります。上から強制される,朝の「10分間」読書だけではありますまい。

 また大人がモデルを示すことも必要でしょう。現在は「読書週間」の真っただ中。われわれも本を手に取ろうではありませんか。

2014年10月28日火曜日

就業・政治分野の男女平等指数

 世界経済フォーラム(WEF)より,2014年版の男女平等指数の国際ランキングが公表されたようです。日本は142か国中104位という,いささか不名誉な順位が報告されています。上位3位はアイスランド,フィンランド,ノルウェーです。

 この指数は,就業,教育,健康,および政治という4つの分野の指標を合成して作成されたものです。このうち国際差が大きく出ているのは,就業と政治です。これらの分野の男女平等は,以下の指標で計測されています。

<就業分野>
 ①労働力人口の女性比
 ②類似業種の賃金の性差
 ③収入の性差
 ④管理職の女性比
 ⑤専門・技術職の女性比
<政治分野>
 ⑥議会議員の女性比
 ⑦閣僚の女性比
 ⑧首脳が女性であった年数(過去50年間)

 これらを合成して出した日本の男女平等指数は,就業分野が0.618,政治分野が0.058となっています。完全平等を1.00,不平等を0.00とした値です。わが国は政治面がお寒いようです。それもそのはず,上記の⑥は8%,⑦は11%,⑧は0年という有様ですので。

 私は報告書の原典に当たって,142か国の就業と政治分野の男女平等指数を収集しました。下の図は布置構造図です(指数の単位は0~100に換算)。点線は,142か国の平均値を意味します。
http://reports.weforum.org/global-gender-gap-report-2014/


 右上には北欧国,左下にはイスラーム国が多く位置しています。後者では,女性はあまり外に出ない文化があるためでしょう。日本は,就業分野は平均よりちょい下,政治分野はそれを大きく下回っています。先進国の中でみると,この2分野の男女平等の具現が遅れているのが明らかです。

 なお時系列でみると,フランスの男女平等指数が大幅にアップしていると報じられています。なるほど,図中の矢印はこの国が2006年から14年にかけてどう動いたかを表す軌跡ですが(末尾は06年,先端は14年の位置),右上に大きくシフトしています。政治分野の男女平等指数は,10.4から35.2へと3倍以上伸びています。

 2012年に男女同数の内閣が実現したことが効いているようです。国政や地方選挙の候補者リストを,男女同数にすることを義務づける法律まであるそうな。
http://www.asahi.com/articles/ASGBX2RMVGBWULFA031.html

 わが国はというと,同じ期間にかけての位置変化はほとんどありません。指導的地位の女性比を3割にすることを目指している2020年には,上図での位置も違ったものになっているでしょうね。いや,そうでなければなりますまい。

 余談ですが,実務教育出版社の『受験ジャーナル・平成27年試験対応』の第2号において,同種の男女平等指数を国内の都道府県別に明らかにしています。各県のランキング表も掲載。興味ある方はご覧ください。書店に行けば置いてあると思います。
http://jitsumu.hondana.jp/book/b181429.html

 朝夕は冷え込んできました。明日から,散歩には綿入りの半纏がいりそうです。風邪などひかれませんよう,ご自愛ください。

2014年10月26日日曜日

志望職の学年変化

 内閣府の調査データを使って,小4から中3にかけての男子の志望職変化をグラフにしてみました。スポーツ選手,公務員の志望率,ならびに志望職未定の者の比率です。
http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/thinking/h25/junior/pdf_index.html


 学年を経るにつれて,将来展望の現実化・未定化が見て取れます。日頃の印象の可視化ですが,中3の時点で公務員志望が16%(7人に1人)もいることに,私としてはちょっと驚いています。

2014年10月23日木曜日

教員の服務

 本ブログの読者には,教員採用試験を受験予定の方もおられると思いますが,教員採用試験では教職教養が必須科目です。字のごとく,教職に就くに際して必要不可欠な教養があるかを試されます。

 内容は,教育原理,教育史,教育法規,そして教育心理の4領域からなりますが,3番目の法規にウエイトを置いている自治体が多いようです。とくに最近,教員の不祥事が続発していることから,地公法で定められている公務員の服務規定についてよく問われます。

 必要があって,2010~14年度の47都道府県の過去問を分析したところ,10の県で5回中5回(毎年),13の県で5回中4回出題されています。前者は必出県,後者は頻出県です。これら2タイプの分布を地図にすると,以下のようです。


 東京では必出,私の郷里の鹿児島では頻出です。想像ですが,以前に比してこの地図の色は濃くなってきているのではないでしょうか。

 さて,公務員たる教員が従うべき服務は,地方公務員法にて規定されています。職務上の義務が3つ,身分上の義務が5つです。六法をお持ちの方は当該法規の箇所を開いてみてください。


<職務上の義務>
 ①服務の宣誓義務(地公法31条)
 ②法令等及び上司の職務上の命令に従う義務(32条)
 ③職務に専念する義務(35条)
<身分上の義務>
 ④信用失墜行為の禁止(33条)
 ⑤秘密を守る義務(34条)
 ⑥政治的行為の制限(36条)
 ⑦争議行為等の禁止(37条)
 ⑧営利企業等の従事制限(38)

 ③は職務専念義務です。勤務時間中にツイッターなどをすることは,この規定に抵触します。昨今,新聞紙上をにぎわせているわいせつ行為などは,④に相当します。⑤は,いわゆる守秘義務であり,職を退いた後も適用される規定です。

 ⑥は試験で最頻出。一般の地方公務員は自分が勤務する自治体の外で政治的行為ができますが,教育公務員の場合,国公法が適用されますので,政治的行為の制限の範囲は全国に及びます。

 ⑧も頻出。任命権者の許可を得ないバイト(原稿書き,講演・・・)は不可。だいぶ前,ゴーストライターの副業をして荒稼ぎした教員がいましたが,これは完全にアウトです。

 私は後期,杏林大学の教職課程で教育社会学を担当していますが,この科目は「教育に関する社会的,制度的又は経営的事項」の科目に該当しますので,こうした法規の話もすることにしています。学生さんには,ポケットでもいいので,最新の六法を購入するよう勧めています。

 だいたい1400円くらい。年に一回の買い物としては,高くはないではありませんか。こういうところには,きちんと投資をしましょう。

2014年10月21日火曜日

有休消化率の国際比較

 企業は,半年以上勤務した労働者に年次有給休暇を与えねばなりません(労基法第39条2項)。労基法は道交法と同じくらい守られないといいますが,さすがにこの規定は遵守されていることと思います。

 しかし,与えられた休暇を使うかどうかは労働者の任意であり,わが国にあっては,有休の消化率が高くないことはよく知られています。政府も休暇取得に向けた取組をいろいろしてきましたが,埒が明かないので,有休の消化を企業に義務づけることも検討しているそうです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141018-00000006-wordleaf-pol

 私は上記の記事を見て,有休消化率の国際比較をしようとデータを探したところ,オンライン旅行会社のエクスぺディア社がこの手の調査を毎年実施していることを知りました。最新の2013年調査のデータでグラフをつくり,ツイッターで発信したところ,見てくださる方が多いようなので,ブログにも載せておこうと思います。

 2013年8~9月に行われた同社の調査によると,日本の18歳以上の有職男女の年間有休付与日数は,平均して年間18日だそうです。消化日数の平均は7日。よって,わが国の有休消化率は38.9%となります。
http://www.expedia.co.jp/p/corporate/holiday-deprivation2013

 与えられた年次有給休暇の4割ほどしか使われない。日本はこういう社会ですが,他国はどうなのでしょう。上記のサイトからデータを収集し,表にまとめてみました。


 ブラジル,フランス,香港では有休消化率が100%です。労働者が,与えられた有休を漏れなくバッチリ消化する社会なり。他の国も,8割,7割を超えています。消化率が半分にも満たない社会というのは,世界広しといえど日本だけのようです。

 その一方で,日本の労働者は有休消化日数に対する不満はさほど持っていません。51.0%という不満率は,下から3番目です。フランスなんかは,年間30日フルに使っても,まだ不満だと感じている者が9割にもなります。

 日本の労働者の社畜ぶりをうかがわせるデータですが,これを視覚化してみましょう。横軸に有休消化率,縦軸に有休消化日数への不満率をとった座標上に,表の13の社会を位置づけてみました。昨日,ツイッターで発信した図もこれです。点線は,13か国の平均値を意味します。


 日本の外れっぷりが見事なこと。有休消化率がダントツで低く,かつそれに対する不満も高くない「社畜」ゾーンに位置しています。その対極にあるのはフランスです。

 国民性の違いといってしまえばそれまでですが,それで片付けてしまえる問題ではなく,わが国の「働き方」の変革を促す警告と受け取るべきでしょう。冒頭のニュース記事によると,「ヨーロッパの企業では,労働者が長期休暇を取ることを前提に,担当者間で常に仕事内容を共有し,誰が休んでも仕事が回るよう,普段から上司が仕事の配分をうまく管理している」のだそうです(黒田祥子教授)。

 これを最もよく具現しているのがフランスで,それとは最も程遠いのが日本。他の社会は,この両極の中間に位置している。上図が示しているのは,こういうことではないでしょうか。

 休暇の取得の強制だけでは,「同僚に迷惑がかかる」「後が大変」・・・といった不安がぬぐえず,後ろ髪を引かれる思いで休暇に入る労働者が増えるだけでしょう。これにプラスして,働き方の変革もが伴わねばならない。

 「バカンスを楽しむ国へ変わっていくためには,制度だけでなく職場の働き方も合わせて変えていく必要がある」。黒田教授の提言に賛意を表したいと思います。

2014年10月19日日曜日

少子化の要因の2局面

 少子化が進行していますが,その要因は2つの局面に分けて考えることができます。①結婚しない男女が増える,②子どもを産まない夫婦が増える,の2つです。

 ①については言わずもがなですが,②のほうはどうなのでしょう。結婚しても子どもを産まない,ないしはその数を抑える・・・。こういう夫婦も多くなっているのでしょうか。子どものいない共働き夫婦(DINKS)なんていう言葉も出てきていますしね。

 私は,有配偶女性ベースの出生率を計算してみました。白書等で見かけるのは,全女性ベースの出生率ですが,ここでは夫のいる有配偶女性をベースに充てるわけです。こうすることで,非婚女性の量,すなわち未婚化の影響を除くことができます。

 2010年の間に,25~29歳の母親から生まれた子どもの数は30万6,910人です(厚労省『人口動態統計』)。『国勢調査』から分かる,同年10月時点の20代後半の有配偶女性は130万3,214人。よって,25~29歳の有配偶女性ベースの出生率は23.6%となります。100人の有配偶の母親から,24人の子どもが生まれた,ということです。

 このやり方で,各年齢層の有配偶女性ベースの出生率を明らかにしました。下の図は,1950年から2010年までの時系列カーブです。


 減少一途の右下がりの曲線になるかと思いきや,そうではありません。てか,最近になって上がっているではありませんか。来年の2015年は『国勢調査』の実施年であり,上記の曲線をもう5年延ばせまずが,戦後初期の頃の水準に立ち返っているかもしれません。

 白書等に載っている人口ベースの出生率は減少の一途をたどっているのですが,結婚している女性を分母とした出生率は上昇しているのですね。そういえば,夫婦当たりの子ども数は2.5人くらいで昔も今も変わらない,という知見を報告した論文を見たことがあります。

 少子化の要因として,冒頭で挙げた2つのうち①の局面が大きいようです。山田昌弘教授の『パラサイト・シングルの時代』(ちくま新書)でもいわれていますが,やはり未婚化が効いているんだなあ。西欧と違って,わが国では婚外子は全然少ないし。

 ①と②の要因を並べたグラフも提示しておきましょう。①は,出産期(20~30代)の女性の有配偶率,裏返せば非婚(≒未婚)率です。②は,同じ年齢層の有配偶女性ベースの出生率です。


 未婚化が進んではいるが(①),結婚している女性から産まれる子どもの量は増えている(②)。こういう傾向が読み取れるかと思います。とくに近年にあっては,両者のコントラストが際立っています。2015年まで曲線を延ばしたら,どうなっているでしょうか。

 最近,「婚活」という言葉が生まれ,各自治体も男女の「出会いの場」をつくることに躍起ですが,なるほど,こういう取組の必要性を支持するデータです。と同時に,結婚という型にとらわれない同棲や婚外子への許容度も高めていくべきなのか・・・。『世界価値観調査』などでみると,日本は,イスラーム国と並んで,これらに対する許容意識は格段に低い社会なり。

 「男女の出会い→婚姻→出産」というコースがありますが,2番目のステップがどれほど省かれることになるのか。西洋から遠く離れた東洋の島国・日本でも,こういうことが問われることになったりして。その極限形は,産まれた子どもは共同体全体で育てるという未開社会です。

2014年10月16日木曜日

大卒学歴の社会的性格の国際比較

 秋晴れの木曜ですが,いかがお過ごしでしょうか。私は後期は月と金の出勤なので,今日は在宅仕事をしています。仕事と呼べることをしているのかは分かりませんが。

 さて今日の朝日新聞Web版に,「教育と所得・米国流方程式の危険性」という記事が載っていました。アメリカでは,所得の学歴差がべらぼうに大きい。「米国では,大卒者は高卒者よりも平均で74%も高い給与を得ている」のだそうです。

 富の配分に際して学歴がモノをいう度合いが高い社会を学歴社会といいますが,米国は,それを最も純粋な形で具現している社会です。しかし,わが国も負けてはいません。今日の日経デュアルの拙稿では,正社員の学歴別年収の年齢曲線を紹介していますが,加齢と共に学歴差がぐんぐん開いてきます。男女とも,40代以降では200万超もの差です。

 上記の朝日新聞の記事は,OECDの統計の引いているようですが,「Education at a Glance 2014」をみたら,国別のデータが載っていました。高卒者の賃金を100とした場合の,大卒者の相対賃金です。

 はて,大卒者の優位性が際立っている社会はどこか。こういう関心のもと,ランキングの棒グラフをつくろうかと思いましたが,各国の大卒者の量も考慮しなければなりますまい。大卒者の相対賃金が高いといっても,この層が社会の中で多いか少ないかによって,その意味合いは違ってきます。

 私は,31の社会について,大卒者の割合とその相対賃金を収集しました。年齢の影響を除くため,25~34歳の層を取り上げます。双方とも出所は,OECDの上記資料です。日本でいうと,大卒者の割合は35%,大卒者の相対賃金(高卒=100)は144です。アメリカ,大卒者率が34%,相対賃金が170なり。なるほど,朝日新聞でいわれているように,大卒は高卒の7割以上高いですね。

 31か国の布置図をつくってみましょう。横軸に大卒者の割合,縦軸に大卒者の相対賃金をとった座標上に,31の社会を散りばめてみました。


 右側に位置するのは,大学教育が普及している社会ですが,わが国や米国以上の社会も結構あります。ノルウェーや韓国です。ノルウェーでは,25~34歳人口の44%が大卒者です。この北欧国ではリカレント教育も盛んだといいますが,その影響もあるでしょう。

 上方にあるのは,大卒者の相対賃金が高い国です。こちらも日米を上回る国があり,南米のチリでは,大卒者は高卒者の2.5倍以上稼いでいます。スゴイですね。

 チリでは,大卒者の割合はわずか16%であり,31か国の中で最低です。一方,大卒の相対賃金はトップ。まさに,大卒学歴が希少価値を持っている社会であるといえましょう。トルコやドイツも,こういう性格が比較的色濃いようです。

 その右隣は,同じく大卒の優位性が高いのですが,大卒者の量が多い社会。こちらは大卒者のほうが標準(normal)であり,それ以外の者は不利を被る。いうなれば,大学を出ないとキツイ社会なり。進学の社会的強制という現象もあろうかと思います。

 その下は,大卒者が多く,相対的優位性が小さい社会です。大卒者が増えすぎて,そのプレミアがなくなった社会です。ノルウェーでは,高卒と大卒の給与がほとんど同じです。日本は,右上と右下のタイプの境界上にありますが,これから先,どちらに転ぶでしょう。私としては,後者のほうがいいかなと思います。

 最後の左下は,大卒者が少なく,かつその優位性も小さい社会です。これは,「大学に行って,何になるんよ」という社会でしょうか。南欧のイタリアがその典型なり。

 大卒者の相対賃金という軸に,その量的規模という軸も加えると,このようなタイプ分けが可能です。社会の発展に伴い,左上から右下にシフトし,成熟化の段階になると右上に行くというのが一般的でしょう。となると,日本も将来はアメリカ型になるのか。それとも,ノルウェーの方向に動くか。東京オリンピックが行われる2020年の頃には,その答えもある程度出ていることでしょう。

2014年10月14日火曜日

大学の偏差値と定員割れ

 誰もが肌感覚で知っていることですが,データで最近の状況を可視化してみましょう。大学ごとの定員充足率は10月2日の記事で明らかにしたのですが,これを入試偏差値とリンクさせるわけです。

 各大学の定員充足率は,読売新聞教育取材班の『大学の実力2015』に載っている,学生数と定員数のデータから計算しました。私が非常勤で教えているK林大学の場合,前者は4361人,後者は4310人ですから,定員充足率は101.2%となります。この値が100を下回る場合,定員割れの事態を意味します。
http://www.chuko.co.jp/tanko/2014/09/004656.html

 入試偏差値のほうは,学研教育出版社の『大学受験案内2015』の数値を使いました。この資料には各大学の学部・学科ごとの偏差値が掲載されていますが,定員充足率が大学単位のものなので,学部別の偏差値を均しました。K林大学でいうと,医学部が65.0,保健学部が55.0,総合政策学部と外国語学部が35.0ですので,これらの平均をとって47.5となります。

 上記の資料をもとに,487の私立大学について,入試偏差値と定員充足率を明らかにできました。これらの大学を,D群(偏差値30台),C群(40台),B群(50台),A群(60以上)に分かち,定員充足率の分布をとってみました。


 大学の数としては,偏差値が低い群ほど多くなっています。487大学のうち,214大学(44%)が偏差値30台です。偏差値60以上のA群はわずか17大学。首都圏や近畿圏の有力私大です。

 定員充足率の分布は,偏差値群によって違っています。D群では,全体の3分の1以上が充足率80%未満です。細線は定員割れのラインですが,偏差値が上がるほどこれを下回る大学は少なくなり,A群ではゼロです。

 487大学全体でみると,定員割れをしているのは225大学(46%)なり。私大のほぼ半分が定員割れしていると報じられますが,ここでも同じような結果が出ています。しかし,その率はランクによって異なる。その様相をビジュアル化みてみましょう。


 偏差値群によって,定員割れの様相がどう異なるかを視覚化した図です。横の幅を使って,各群の量も表現しています。A群は17大学しかないので,当然細くなっています。

 色がついているのは定員割れ大学の領分ですが,偏差値が低い群ほどこのシェアが大きくなっていますね。D群では,全体の8割が定員割れ,6割が充足率90%未満です。

 これも,わが国の大学教育の現実を切り取った,一つの社会アートとして展示しておこうと思います。台風一過で,清々しい午前ですね。澄み渡った青空。今週も健やかな日々をお過ごしください。

2014年10月11日土曜日

恥ずかしいとは思いませんか

 私を執拗に誹謗中傷しているブログ記事の発信者情報開示を求めたのですが,先方から返事がきました。
http://tmaita77.blogspot.jp/2014/09/blog-post.html


 ご覧の取り,開示請求には応じられない,という結果です。まあ既に削除済みでもありますし,期待はしていませんでしたので,落胆はしていません。

 書いた人物は推測がつきますが,仮にAさんとしましょう。Aさん,よかったですね。あなたの悪事が暴露されるのは免れましたね。ただし,ひとまずです。まだ,裁判所への開示仮処分申請という手段が残されています。

 正論でかなわないとなると,匿名ブログを使って人を陥れる。こんなことをして,人間として恥ずかしいとは思いませんか。仮にもあなた,人様に物を教える(助言する)ことを業としているのでしょう。

 そうそう。学生さんに教えてもらったのですが,あなた,自分を褒める匿名ブログを運営しておられるようですね。それも複数。

・「Aさんの教え方は分かりやすい」
・「Aさんはこうおっしゃってましたが,私もそう思います」

 全ての記事にこういうことが書かれていて,読んでいて赤面してしまいました。これらのブログは全て匿名。おそらく,ご自分で書かれているのでしょうね。ここにURLを記してもよいのですが,宣伝になっちゃうので止めます。

 何とか仕事の依頼を取り付けようという策でしょうが,こんなトリックに騙されるクライアントなんていませんよ。件の学生さんも,「これ絶対,自分で書いてますよね」と言ってました。

 それも頻繁に更新なさっているようで,ご苦労さまです。ご自身の実名ブログのほうは,長いこと放置なさっているのにね。

 ブログというのは,匿名で人を攻撃したり,自分褒めをするのに使うのではありません。仕事が欲しいなら,自身の実名ブログを充実させることです。真面目になりなさい。

2014年10月9日木曜日

幼子がいる共働き夫婦の1日

 9月28日の記事では,共働き夫婦の夫の家事・育児分担率をみたのですが,今回は,夫・妻双方の1日を拝見といきましょう。

 総務省『社会生活基本調査』には,15分刻みの時間帯別の生活行動分布が掲げられています。たとえば,8:00~8:15の間に,家事をしている者が何%,食事をしている者が何%・・・というようなデータです。
http://www.stat.go.jp/data/shakai/2011/index.htm

 私は最新の2011年度調査のデータを使って,6歳未満の子がいる共働き夫婦の1日を描いてみました。原資料では20の行動カテゴリーが設けられていますが,これをグラフにすると煩雑なので,①睡眠,②仕事,③家事,④育児,⑤その他,という5つにまとめました。

 幼子がいる共働きの夫妻ですが,時間帯ごとの行動分布図はどういうものでしょう。とくに③と④のジェンダー差に興味が持たれます。以下に,「性別×曜日」の6つの図を展示します。


 共働きの夫婦の図ですが,夫は仕事,妻は家事・育児の領分が大きいですね。平均時間のみならず1日の行動分布からも,役割のジェンダー分化が見受けられます。

 男性にしても,土日は家事・育児のシェアがもっと大きくなるかと踏んでいましたが,そうでもないのだな。平日に比して増えているのは「その他」ですが,疲れてゴロ寝だけというのは何とも寂しい。

 共働き夫婦の多くは,「夫正社員+妻非正規」というタイプでしょうが,双方とも正社員のデュアラーでみたら,図の模様は違うかもしれません。データはありませんが。

 芸術の秋ですが,いろいろな属性カテゴリーについて,上記のような1日の行動分布図を描いてみるのもいいですね。『社会生活基本調査』の原データをエクセルにコピペして,面グラフにするのは簡単です。大学生の1日,ニートの1日,高齢者の1日・・・。秋は学園祭のシーズンですが,ゼミの出し物としてもいいのではないでしょうか。

 秋も深くなってきました。季節の変わり目,体調を崩されませぬよう。

2014年10月7日火曜日

大学の退学率の布置構造(偏差値群別)

 前回は,国公立と私立に分けて,大学の学部・学科の退学率の布置図を描いたのですが,今回は,偏差値群ごとの図をみていただこうと思います。対象は,私立大学に限定します。

 読売新聞教育取材班『大学の実力2015』(中央公論新社)には,各大学の学部・学科別に,①初年次退学率と②在学期間中の退学率が掲載されています。①は,入学後1年以内の退学率です。②は,在学期間内,つまり4年ないしは6年でみた場合の退学率です。
http://www.chuko.co.jp/tanko/2014/09/004656.html

 ここにて分析対象とするのは,①と②の両方の退学率,ならびに入試偏差値を知ることができる,私立大学の1174の学部・学科です。入試偏差値は,学研教育出版社の『大学受験案内2015』に載っている数値を使いました。

 私は,1174の学部・学科を偏差値に依拠して4つの群に分けました,偏差値30台,40台,50台,60以上の4群です。BF(ボーダーフリー)は,30台の群に含めています。各群の学部・学科の数は,30台が409,40台が363,50台が294,60以上が108です。下位の群ほど多いピラミッド型ですね。

 この4群ごとに,前回と同じ図をつくってみました。横軸に初年次退学率,縦軸に在学期間中の退学率をとった座標上に,学部・学科を散りばめた図です。点線は,1174学部・学科の平均値を意味します。


 偏差値が高い群ほど,原点付近に分布が収束してきます。偏差値と退学率の間には,明瞭な相関関係があるようです。大学教育の現実を切り取った,一つの「社会アート」として展示しておこうと思います。

2014年10月5日日曜日

大学の退学率の布置構造

 毎年実施されている読売新聞社の全国大学調査ですが,本調査の目玉は退学率を調べていることでしょう。以前は大学別の退学率でしたが,最近では,各大学の学部ないしは学科別の数値が明らかにされています。

 なお退学率には,①入学後1年以内の退学率と②在学期間中の退学率,という2種類があります。前者は,読んで字のごとくです。最新の『大学の実力2015』には,2013年4月入学者のうち,翌年の4月までに退学した者の比率が掲載されています。後者は,4年間(医歯薬学部等は6年間)の退学率です。
http://www.chuko.co.jp/tanko/2014/09/004656.html

 上記の資料から,全国の大学の1698学部・学科について,①と②の両方の退学率を知ることができます。私は,①の初年次退学率を横軸,②の在学期間中の退学率を縦軸にとった座標上に,1698の学部・学科を位置づけてみました。データ数は,国公立が504,私立が1194です。


 左は国公立,右は私立の分布図ですが,様相がかなり違っていますね。十字の点線は,1698学部・学科の平均値ですが,国公立はほとんどが両者よりも下ですが,私立はこの限りではありません。退学率がべらぼうに高い学部・学科も存在します。

 ちなみに赤色のドットは,私が非常勤で教えているK大学の某学部です。初年次退学率が4.2%,4年間のそれが20.0%,結構高いんだな。高校生のみなさん,自分が志望する学部・学科を,上記の全体図の中に位置づけてみてください。『大学の実力2015』には,個々の学部・学科の情報が掲載されていますが,それを全体図の中に置いてみるのも一興です。

 今回は,設置主体(国公立VS私立)で仕分けてみましたが,興味が持たれるのは,偏差値群ごとに上記の布置図を作ったらどうなるか。おそらくは,偏差値が下がるごとに,分布が左下から右上へとシフトするのではないでしょうか。


 実は先ほど,学研教育出版社の『大学受験案内2015』が届いたところです。この資料から,各大学の学部・学科の入試偏差値が分かります。これを入力して,それぞれの退学率との相関をとってみるつもりです。正規就職率との関連もみたい。

 この作業は,個々の大学の実践を超える,組織的社会化の現実を明らかにするために行うものです。と同時に,偏差値が低いにもかかわらず「がんばっている」ケースを検出しようという意図をも持っています。

 前にも同じことをしましたが,最新のデータにて,より手法を洗練させて追試するのも無駄な作業ではありますまい。

2014年10月2日木曜日

大学の定員充足率の分布(2014年)

 読売新聞教育取材班の『大学の実力2015』(中央公論新社)を入手しました。同社が今年に実施した,全国の大学調査の結果が掲載されています。
 毎年行われている大規模調査ですが,今年は660大学から回答があったそうです。『学校基本調査』から分かる,今年5月時点の全国の大学数は781校ですから,母集団の84.5%がカバーされていることになります。

 調査項目も年々充実してきており,今年は,入試方法別の退学率までが大学別に掲載されています。一般入試で入った者の退学率はどれほどか,AO経由の入学者はどうか,というデータです。いやはやスゴイ。こういう貴重な調査を毎年実施している,読売新聞社の労には頭が下がります。

 私は本書のデータをエクセルに入力して,独自のデータベースを作りました。現在,660大学の学生数や教員数などの基礎データを打ち終えたところです。今回は分析第一報として,回答のあった大学の定員充足率を明らかにしてみようと思います。

 定員充足率とは,定員に占める学生数の百分比です。この値が100を下回る場合,定員割れを起こしていることを意味します。昨今,学生が集まらず定員割れに悩んでいる大学が多いといいますが,数でみてどれほどなのでしょう。

 上記の書籍には,今年5月時点の学生数と定員数が掲載されています。私の非常勤先のM大学でいうと,前者が7,299人,後者が6,721人です。よって定員充足率は前者を後者で除して,108.6%となります。へえ,まあまあ好調なんだな。

 659大学の定員充足率を計算すると,最高の131.5%から最低の23.7%まで,甚だ広く分布しています。後者では,定員の5分の1しか学生がいないわけです。これはかっ飛んだ値ですが,100%未満の定員割れ大学は結構あります。その数は241であり,全体の36.6%に相当します。調査に回答していない大学も含めれば,この比率は4割を超えるでしょう。

 算出された定員充足率の分布をグラフで示しましょう。設置主体ごとの帯グラフです。国立82校,公立76校,私立501校の分布図なり。


 太枠は定員充足率100%未満,すなわち定員割れしている大学ですが,「国<公<私」となっています。私立大学の定員割れ率は46.1%で,ほぼ半分です。新聞等で報じられる数値とだいたい一致しています。

 私大では,充足率8割未満の大学も2割ありますが,その多くは地方の大学です。少子化でどの大学も大変ですが,最も苦境に立たされているのは地方私大です。ただでさえ少ない18歳人口が都会に出ていく,所得水準が低いので国公立志向が強い,などの条件がありますしね。私の郷里の鹿児島などは,その典型です。

 私は,私立大学の定員充足率の都道府県地図をつくってみました。各県の私大の学生数/定員数です。鹿児島の場合,回答のあった3私立大学の学生数は4,768人,定員数は5,156人ですから,本県の私大の定員充足率は92.5%となります。やっぱ,定員割れしているな。

 この値を全県分出し,マップをつくってみました。私立大学の回答がゼロ,または私大がない県は「欠損値」としています。


 白色は総体でみて定員割れを免れている県ですが,それは東北や都市部の数県だけであり,多くの県に不吉な色が付いています。黒色は90%を下回る,苦境の度合いが高い県です。最低の青森は75%,県内の私大の定員は6,515人ですが,学生は4,913人しかいません。

 こういう状況のなか,留学生や社会人などを取り込むことに力を入れている大学も多いことでしょう。今年の読売新聞調査では,これらのような「非伝統的」学生がどれほどいるかも大学ごとに分かります。留学生率や社会人学生率は,大学の国際化や生涯学習化の指標となるでしょう。回を改めて,これらの大学分布も明らかにするつもりです。

 他にも,恒例の退学率や卒業生の正規就職率分布など,やりたいことが盛りだくさん。データベースを徐々に完成させ,分析結果を定期的にレポートしていきたいと考えております。