2014年7月25日金曜日

東京の通勤時間地図

 前期もそろそろ終わりです。私は今年度の前期は,水曜日と金曜日が出講でした。水曜は江東区の有明,金曜は埼玉の狭山です。大よその所要時間は,双方とも片道1時間半くらいです。結構遠い。

 しかし,水曜(5限)の帰りはちょうど夕刻のラッシュと重なりますのでたまりません。大崎から新宿までの埼京線,新宿からの小田急線は,殺人的な混み具合です。ぎゅうぎゅうに押しつぶされていると,「いったいどうなっているんだ?」という問題意識がわいてきます。

 通勤行動の時間的な偏り(集中度)については,昨日グラフをつくり,ツイッターで発信しました。ここでは,東京都内の地域別の通勤時間を地図化してみましたので,それをご覧に入れようと思います。
https://twitter.com/tmaita77/status/492247718639566849

 資料は,2008年の総務省『住宅・土地統計調査』です。本資料から,雇用者世帯の家計支持者の通勤時間分布(片道)を地域別に知ることができます。手始めに,都心の千代田区と私が住んでいる多摩市の分布をみていただきましょう。不詳は,集計から除外しています。
http://www.stat.go.jp/data/jyutaku/index.htm


 当然ですが,分布が全然違いますね。千代田区は「15~30分」が突き出ていますが,多摩市は「75~90分」がピークです。私は,この中に含まれるかな。

 原資料には,分布の代表値として中央値(Median)が掲載されています。中央値とは,データを高い順から並べたとき,ちょうど真ん中にくる値です。この値は,千代田区が25.3分,多摩市が57.5分となっています。倍以上の違いじゃん。都心と郊外の違いがモロに出ています。

 では,通勤時間の中央値に依拠して各地域を塗り分けた地図を掲げます。データがやや古いですが,2008年の東京の通勤時間地図です。


 きれいな「西高東低」の模様になるかと思いきや,そうではありません。中心部の色が濃く,東西にいくにしたがって色が薄くなる「分断型」です。東の都心に職域が集中しているのではなく,東西に分散しているのですね。これは初めて知った。

 色が濃い地域では,東への通勤者が大半でしょうが,西への通勤者も少なからずいると思われます。まあ私も,後期の杏林大学は西の八王子だものな。いや,西の市郡では自地域で生活が完結している人が多いのかもしれません。

 来週の火曜(29日)に公表される,2013年のデータではどういう模様になるか。最近,テレワークなどの導入が進んでいるといいますが,全体的に色が薄くなっているのでは。そうだといいなと思います。

 さて,前期は埼玉はもう終わり,有明も30日の水曜でおしまいです。あの地獄のラッシュも,あと一回のガマンです。

 暑さ厳しき候,みなさまご自愛のほど。