2018年7月23日月曜日

ニュース雑感

 酷暑が収まりません。今日の東京は40度を超えたとのこと。久々に上京しようと思ったのですが,取りやめて正解でした。

 新聞やヤフーニュースは酷暑を報じる記事ばかりで気が滅入るのですが,昨日,うれしいニュースを2つ見つけました。ここに書き留めとこうと思います。いずれも昨日(7/22)のWeb版の記事です。

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1)通販の配達「玄関前に置くだけ」来春に本格開始:読売新聞

 日本郵便が,玄関置き便を本格スタートするのだそうです。私が前から望んでいたことが具現化される見通しで,うれしく思います。これで,再配達が大きく減るでしょう。人手不足に苦しむ宅配業界の負担も軽減され,トラックから排出されるガスも削減されます。

 盗難が心配という方も多いでしょうが,日本よりずっと治安の悪いアメリカでも,宅配便は玄関置きというのがデフォルトみたいですね。

 日本郵便では,受け手が通常便か玄関置き便かを選択するシステムを構想しているようです。後者の費用をちょっと安くすれば,選択率も大いに上がると思われます。ネットの買い物では不思議なもので,たかが100円,200円の差も,大きく感じられるのですよね。


 私は,玄関横に停めている自転車のカゴに入れてくれればOKです。私の場合,ネットで取り寄せる荷物の9割は玄関置きでいいものです。盗られて困るものは,通常便で頼めばいいだけのこと。年に1回か2回,あるくらいですけど。

 大手のヤマトをはじめ,他社にも広がってほしいと願います。

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2)「倒産が命奪う」自殺3万人時代、企業救った魂の弁護士:朝日新聞

 自殺は個人の心の問題だと言われています。でも平成という時代は,自殺の増え過ぎが経済と関係しているかも,と気づかせてくれました」(記事冒頭より引用)。

 うーん,社会学を学んでいる学徒の端くれとして,うれしい言葉です。心理主義の時代といわれ,カウンセラーは引っ張りだこ。こうなって久しいのですが,自殺の心理面だけでなく,社会的側面にもスポットを当てるべきと常に思っています。

 鬱病のような心の病も,生活苦や人間関係の喪失(欠如)といった,客観的な生活条件に由来する部分が小さくないのですから。

 たとえば,失業率と自殺率が非常に強く相関するのはよく知られています。以下に掲げるのは,男性の失業率と自殺率の長期推移です(1953~2015年)。前者は,15歳以上の男性労働力人口に占める完全失業者の割合です(年度平均)。後者は,男性人口10万人あたりの自殺者数です。

 双方とも,官庁統計に計算済みの数値が出ています。それをコピペして,グラフにしただけです。


 両者の共変関係が明らかです。気持ち悪いくらい,同調しています。これが因果関係とは限りませんが,とりわけ男性の場合,「失業→自殺」という因果経路は容易に推測されるところです。

 不遜ですが,一気に涼しくなるようなグラフですねえ…。

 こうした共変関係は,50代の男性に限るとより明瞭になります。私は前に,自殺率と生活不安指標の時系列的関連を分析したことがありますが,若年層では生活展望不良,中高年層では失業率が最も強く自殺率と関連しています。さもありなんですよね。
https://ci.nii.ac.jp/naid/40016941572

 私が前に試算したところによると,失業率が1%上がると,自殺者が2380人増えると予測されます。(単純な一次式による推計)
https://tmaita77.blogspot.com/2016/06/blog-post_24.html

 国際データが得られないので検討不可能なのですが,失業と自殺がここまで強く同調するのって,日本の特徴かもしれません。発展途上国では,こういう現象はありますまい。失職したって,相互扶助や贈与といった非貨幣経済で生きていけるのですから。

 話が逸れましたが,自殺の社会的側面を知るには,このグラフが一番じゃないかなと思います。

 まだまだ酷暑が続く見通しだそうです。なるべく外に出たくないのですが,ちょっと買い物に行かないといけません。今の時間なら何とか出れそうなので,近所のドラッグストアまで自転車を走らせます。