どの段階の学校まで進みたいか。子どもの教育アスピレーションは,教育社会学研究者の関心事です。
よく取り上げられるのは,大学への進学を希望する子どもが何%かですが,その上の大学院はどうでしょう。各種の調査では,マックスのカテゴリーが「大学・大学院」と一緒くたにされていますが,IEAの国際学力調査「TIMSS 2015」では,両者が分離されています。
この調査の対象は,各国の小4(grade 4)と中2(grade 8)ですが,後者の生徒に,「どの段階の学校まで進みたいか」を問うています。私は,「Finish postgraduate degree」と答えた生徒の割合を計算してみました。
下図は,37か国を高い順に並べたランキングです。ドイツとフランスは,調査対象になっていません。下記サイトのリモート集計でやりましたので,粗い整数値になっていることをお許しください。
https://nces.ed.gov/surveys/international/ide/
中東の諸国では,中2生徒の大学院進学志望率が高くなっています。トップのレバノンでは,7割近くです。
イスラーム諸国は科学技術教育に力を入れており,潤沢なオイルマネーを(理系の)高等教育につぎ込んでいるといいますが,その表れでしょうか。奨学金制度も充実しているそうです。
https://twitter.com/chutoislam/status/960767235164786688
アメリカは46%です。学歴主義の国で,大学院卒の学位の効用がはっきりしている社会ですからね。わが国と違い,実践的な職業教育の上でも,大学院は大きな位置を占めています。
さて日本はというと,中学生の大学院志望率はわずか3%で最下位となっています。大学への進学志望率は高いのですが,大学院となると,率がガクンと下がります。
この年齢では,大学院とは何たるかを知らないのかもしれません。あるいは,大学院に行ってもベネフィットはない,行き場がなくなるだけ損ということを,早くして心得ているのかもしれません。
とはいえ,たったの3%とはいかにも寂しい。しかしこれは生徒全体でみた数値で,勉強ができる生徒に限ったら,志望率がもっと高いかもしれない…。こういう希望をもって,理科の学力が高い生徒群の大学院志望率も出してみましょう。理科に注目するのは,大学院では理系専攻の比重が高いからです。
同じ「TIMMS 2015」において,理科の得点が625点以上の生徒を取り出し,上記と同じ意味での大学院進学志望率を国別に計算しました。横軸に生徒全体,縦軸に理科の高得点群の志望率をとった座標上に,双方が分かる31か国を配置すると,以下のようになります。
理科の高得点層の志望率が高いので,どの国も,斜線(均等線)より上に位置しています。全生徒との差をとると,アメリカは17ポイント,タイに至っては39ポイントも違います。理系学力が高い生徒は,躊躇なく大学院への進学を希望すると。
日本はどうかというに,全生徒は3%,理科の高得点層は7%で,大して変わりません。理科ができる生徒に限っても,中学生の大学院進学志望率は低いようです。
大学院の性格が違うといえばそれまでですが,才能ある若者が長く教育を受けることは歓迎されない,新人は22歳で入社させ一律「雑巾がけ」からやらせる,という日本企業の(しょーもない)慣行が表れているようにも思えます。
14歳の生徒も,それを感じ取っているのでしょうか。いやそうではない,大学院に関する情報の不足ゆえであって,もっと上の年齢になれば事態は変わる。検証する手はずはないですが,そう願いたいものですね。「教育大国」の名にかけて。
2018年2月7日水曜日
2018年2月5日月曜日
自殺者と変死体
警察庁統計によると,わが国の年間自殺者数は,98年に3万人を突破し,2003年に3万4427人とピークになった後は減少に転じ,2012年に3万人を割り,2016年では2万1897人にまで減っています。
https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/jisatsu.html
「景気回復の影響」「自殺対策が功を成した」とか白書に書いてますが,実はこれには,統計上のトリックがあると,その道のプロが明かしています。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/lifex/198569/1
自殺者の減少と呼応するかのように,変死体の数が増えているのだそうです。上記の記事でもデータが紹介されていますが,2006年と2015年の数値をグラフにすると,以下のようになります。
変死体と自殺者の合算は,この10年間でほとんど変わっていません。自殺者は減っていますが,それと同じくらい変死体の数が増えていますので。
しかし,自殺者の減少分と変死体の増加分がほぼ同じ(8000人ほど)というのは,ものすごく示唆的ですね。以前は自殺として処理されていたものが,最近では変死体としてカウントされているだけではないかと。
最近では,遺書や目撃証言といった具体的な証拠がない限り,自殺とは認めず,変死体として処理するようになったと(上記記事)。統計上の自殺者数というのは,現場のさじ加減で動くものです。統計には表れない「暗数」に思いを巡らせないといけません。
私は前に,自損行為で搬送された人員数と自殺者数の時系列推移を照合したことがありますが,今世紀以降,乖離が大きくなっていることを知りました。自損行為の搬送人員でみると,男性よりも女性,高齢者より若者で多くなっています。統計に表れた自殺者の傾向とは逆です。
http://tmaita77.blogspot.jp/2016/09/blog-post_8.html
こういうサブの指標も加味すると,女性や若者の「生きづらさ」も見えてきます。
私は,社会の危機度を測る指標として自殺者数(率)に注目してきました。最近は,それが下がっているとのことで,いささか安堵していたのですが,上記のような統計上のトリックがあることを知った今,まだまだ予断を許さぬ状況が続いているのだなと感じます。
https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/jisatsu.html
「景気回復の影響」「自殺対策が功を成した」とか白書に書いてますが,実はこれには,統計上のトリックがあると,その道のプロが明かしています。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/lifex/198569/1
自殺者の減少と呼応するかのように,変死体の数が増えているのだそうです。上記の記事でもデータが紹介されていますが,2006年と2015年の数値をグラフにすると,以下のようになります。
変死体と自殺者の合算は,この10年間でほとんど変わっていません。自殺者は減っていますが,それと同じくらい変死体の数が増えていますので。
しかし,自殺者の減少分と変死体の増加分がほぼ同じ(8000人ほど)というのは,ものすごく示唆的ですね。以前は自殺として処理されていたものが,最近では変死体としてカウントされているだけではないかと。
最近では,遺書や目撃証言といった具体的な証拠がない限り,自殺とは認めず,変死体として処理するようになったと(上記記事)。統計上の自殺者数というのは,現場のさじ加減で動くものです。統計には表れない「暗数」に思いを巡らせないといけません。
私は前に,自損行為で搬送された人員数と自殺者数の時系列推移を照合したことがありますが,今世紀以降,乖離が大きくなっていることを知りました。自損行為の搬送人員でみると,男性よりも女性,高齢者より若者で多くなっています。統計に表れた自殺者の傾向とは逆です。
http://tmaita77.blogspot.jp/2016/09/blog-post_8.html
こういうサブの指標も加味すると,女性や若者の「生きづらさ」も見えてきます。
私は,社会の危機度を測る指標として自殺者数(率)に注目してきました。最近は,それが下がっているとのことで,いささか安堵していたのですが,上記のような統計上のトリックがあることを知った今,まだまだ予断を許さぬ状況が続いているのだなと感じます。
2018年2月2日金曜日
保育士の待遇と勤続年数の相関
今年も認可保育所の選考結果の通知が届き,各地で落選の悲鳴が上がっています。
保育所不足とは,すなわち保育士不足であり,その要因が超薄給であることはもう,誰もが知っています。
しかし,保育士のお給料には地域差もあります。厚労省の『賃金構造基本統計』(2016年)によると,同年6月の女性保育士の平均月収(諸手当込)は,全国値は22.2万円ですが,都道府県別にみると,最高の28.0万円から最低の17.8万円までの開きがあります。前者は愛知,後者は福島です。
この月収額の12倍に年間賞与額を足して推定年収を出すと,全国値は324.7万円で,47都道府県の両端は,最高が愛知の417.1万円,最低は岡山の257.8万円になります。同じ女性保育士でも,収入には地域差があるものですね。
愛知の女性保育士の年収は,全職業の女性労働者(390.2万円)を上回っています。薄給というイメージが定着している保育士の年収が,全体平均を凌駕する地域もあると。
こういう地域が他にもあるかどうか,興味がわきますね。保育士と並んで需要が増している介護職員の状況も知りたい。私は,上記の厚労省統計をもとに,女性の保育士,福祉施設介助員(介護職員),そして一般労働者全体の推定年収を都道府県別に計算しました。以下が,一覧表です。
黄色マークは最高値,青色マークは最低値です。上位5位の数値は赤字にしています。
保育士の推定年収の上位5位は,愛知,京都,神奈川,群馬,大阪です。愛知,京都,群馬の保育士の年収は,女性全体のそれよりも高くなっています。年収の額は低くとも,当該県の女性全体の年収より高い県は,他にもありますね(岩手,沖縄など)。
介護職員をみると,全職業の年収を上回るのは富山だけです。本県の女性介護職員の推定年収は390.4万円。2位以下を大きく突き放しています。
各県の保育士と介護職員の待遇をみるには,年収の絶対額よりも,同じ県の女性労働者全体と比してどうかという指数に注目するのがよいでしょう。左端の全職種の年収を1.0とした場合の指数にすると,以下のようになります。
保育士をみると,この数値が1.0を超える,つまり女性全体を超える県は,岩手,群馬,山梨,愛知,京都,高知,佐賀,熊本,そして沖縄です。介護職員は富山しかありませんが,0.9を超える県,女性全体と同じくらいの県は結構あります。
保育士・介護職員というと,薄給というイメージがすっかり染みついていますが,地域別にみると幅があるものです。待遇には地域差があると。
さて興味が持たれるのは,各県の待遇のレベルが,保育士・介護職員の職場定着とどう関連しているかです。これらの職業の離職率が高いのも知られていますが,その要因としては「給料が安い!」というのが大きいでしょう。
しからば,左欄の年収相対水準と,右欄の平均勤続年数は相関しているように思えますが,現実はどうでしょう。下図は,保育士のデータで描いた相関図です。
ほう。明瞭なプラスの相関関係ですね。保育士の年収の対全体比が高い県ほど,保育士の平均勤続年数は長い傾向にあります。保育士をつなぎとめるには待遇の改善が重要である,という当たり前のことを示唆するデータです。
ちなみに介護職員のデータで相関係数を出すと,+0.5409となります。保育士の場合よりも係数は低いですが,1%水準で有意です。
現に勤務している保育士をつなぎとめるだけでなく,潜在保育士の復帰を促すなど,なり手を増やす上でも,給与のアップは欠かせないでしょう。潜在保育士が復帰をためらう理由の首位は「給料の安さ」という調査データもあります。
われわれは,いかなる手を打つべきか。今月半ばに公開される,日経DUALの記事で私見を申し上げようと思います。
2018年1月31日水曜日
2018年1月の教員不祥事報道
年が明けたと思ったら,もう1月もおしまいです。早いですね。
今月,私が把握した教員不祥事報道は31件です。年始のためか,やや少なめです。体罰が多いのはいつものことですが,20代男性が小6児童の顔を蹴り重傷を負わす,9歳児童に暴行し鎖骨を折るといった,惨い事案が見受けられます。いずれも福岡県です。
市中なら即逮捕の立派な傷害罪ですが,学校内とはいえ,ここまでくると警察も立件を視野に動くようです。子ども同士のいじめにも,刑法に抵触する犯罪行為ととれるものが結構あります。学校内にも,ある程度は法律を厳格に適用すべきかもしれません。近年,当局もこういう「ゼロ・トレランス」の方向に傾斜しつつあります。
それと,女性教員による男子生徒へのセクハラ事案も注目。私は前から教員不祥事報道を集めていますが,この手の事案は初めてみました。昨年の刑法改正により,男性も強制性交罪(以前でいう強姦)の被害者に含まれることになったことは,知っておきましょう。
明日から2月です。寒波到来により,横須賀は明後日にまた雪が降ると予報されています。京急の三崎口から三浦海岸の沿線の河津桜はちょっと咲いていますが,春の到来はまだ先ですね。
背景を雪景色に変えます。
<2018年1月の教員不祥事報道>
・横断中の男性はねられ死亡、県立高教諭を現行犯逮捕
(1/4,産経,兵庫,高,男,39)
・「飲酒運転発覚怖くて…」車に衝突、けがさせた容疑で逃走の中学教諭逮捕
(1/4,産経,山形,中,男,55)
・小学校女性教諭、スポーツクラブで窃盗疑い、逮捕
(1/5,産経,石川,小,女,37)
・更衣室で盗撮 千歳の男性教諭を再逮捕
(1/9,HBCニュース,北海道,小,男,41)
・育休中に万引き 教諭を懲戒処分(1/9,チバテレ,千葉,小,女,33)
・あおむけの生徒につば90回、教諭を懲戒(1/10,読売,青森,中,男,46)
・13歳に性的行為疑い小学校教諭逮捕 「付き合うつもり」
(1/10,京都新聞,愛知,小,男,25)
・私立高教諭ひき逃げ 綾の県道、容疑で逮捕
(1/10,宮崎日日,宮崎,高,男,66)
・ソフト部顧問が体罰 不登校に (1/12,京都新聞,京都,高,男,50代)
・勘違いし生徒に求婚メール、大阪 63歳教諭を減給処分
(1/12,共同通信,大阪,高,男,63)
・川崎市立小教諭が33人分個人情報記録入りメモリー紛失
(1/13,産経,神奈川,小,女)
・生徒盗撮目的か 更衣室侵入容疑で教諭逮捕
(1/16,サンスポ,東京,中,男,20代)
・「身動き取れず手が股間に…」 中学教師の男を逮捕
(1/17,テレ朝,東京,中,男,27)
・女子ソフト部監督が体罰・セクハラ発言 愛媛の私立高
(1/18,朝日,愛媛,高,男,30)
・無免許で8年授業 女性教諭戒告処分 長野(1/19,産経,長野,小,女,44)
・受験生母親にキスした教諭、免職 秋田商業高、交際も迫る
(1/19,毎日,秋田,高,男,40代)
・<小学校>教諭が女子児童に暴言、嫌がらせ 福井・敦賀
(1/23,毎日,福井,小,男,40代)
・県教委・公立学校教諭2人を懲戒処分
(1/24,テレビ山口,山口,飲酒運転:中男50,高男51)
・重体事故で県立高教諭逮捕 三重・鈴鹿の信号交差点、軽の側面に衝突
(1/24,産経,三重,高,男,54)
・高校の女子トイレにカメラ設置の疑い 講師の男を逮捕
(1/24,瀬戸内海放送,岡山,高,男,29)
・女児らにブリッジさせ触る 男性教諭に懲戒免職処分
(1/25,日テレ,茨城,小,男,41)
・置き忘れタブレット窃盗疑い高校教諭を不起訴 懲戒処分を検討
(1/25,京都新聞,富山,高,男,50代)
・埼玉県教委 男性教諭2人を懲戒免職
(1/25,テレ玉,埼玉,中男57:覚せい剤,中男27:わいせつ)
・<北九州市>教諭が顔を蹴り、小6男児が重傷
(1/26,福岡,毎日,小,男,20代)
・教諭3人処分…ツイッターで生徒中傷、わいせつメッセージも 覚醒剤使用 生徒にキスして体触る(1/26,埼玉新聞,埼玉,中傷:中男28,わいせつ:中男27,覚せい剤:中男57 埼玉)
・静岡高校の教諭を逮捕 近所の家に不法侵入か
(1/26,静岡放送,静岡,高,男,54)
・高校教諭に停職1カ月の処分 無断の遅刻に早退
(1/29,静岡放送,静岡,高,男,44)
・<都教委>小学校の女性教諭処分 嘔吐するまで給食食べさす
(1/30,毎日,東京,小,女,40)
・男子生徒にキスやLINEで「抱きしめて」 40代女性教諭を懲戒免職
(1/30,サンスポ,東京,中,女,40代)
・校内で同僚から108万盗む 県立高講師を懲戒免職
(1/30,神戸新聞,兵庫,高,男,30)
・教諭が9歳児童の鎖骨折る 宿題忘れ立腹、警察が捜査へ
(1/31,朝日,福岡,小,男)
今月,私が把握した教員不祥事報道は31件です。年始のためか,やや少なめです。体罰が多いのはいつものことですが,20代男性が小6児童の顔を蹴り重傷を負わす,9歳児童に暴行し鎖骨を折るといった,惨い事案が見受けられます。いずれも福岡県です。
市中なら即逮捕の立派な傷害罪ですが,学校内とはいえ,ここまでくると警察も立件を視野に動くようです。子ども同士のいじめにも,刑法に抵触する犯罪行為ととれるものが結構あります。学校内にも,ある程度は法律を厳格に適用すべきかもしれません。近年,当局もこういう「ゼロ・トレランス」の方向に傾斜しつつあります。
それと,女性教員による男子生徒へのセクハラ事案も注目。私は前から教員不祥事報道を集めていますが,この手の事案は初めてみました。昨年の刑法改正により,男性も強制性交罪(以前でいう強姦)の被害者に含まれることになったことは,知っておきましょう。
明日から2月です。寒波到来により,横須賀は明後日にまた雪が降ると予報されています。京急の三崎口から三浦海岸の沿線の河津桜はちょっと咲いていますが,春の到来はまだ先ですね。
背景を雪景色に変えます。
<2018年1月の教員不祥事報道>
・横断中の男性はねられ死亡、県立高教諭を現行犯逮捕
(1/4,産経,兵庫,高,男,39)
・「飲酒運転発覚怖くて…」車に衝突、けがさせた容疑で逃走の中学教諭逮捕
(1/4,産経,山形,中,男,55)
・小学校女性教諭、スポーツクラブで窃盗疑い、逮捕
(1/5,産経,石川,小,女,37)
・更衣室で盗撮 千歳の男性教諭を再逮捕
(1/9,HBCニュース,北海道,小,男,41)
・育休中に万引き 教諭を懲戒処分(1/9,チバテレ,千葉,小,女,33)
・あおむけの生徒につば90回、教諭を懲戒(1/10,読売,青森,中,男,46)
・13歳に性的行為疑い小学校教諭逮捕 「付き合うつもり」
(1/10,京都新聞,愛知,小,男,25)
・私立高教諭ひき逃げ 綾の県道、容疑で逮捕
(1/10,宮崎日日,宮崎,高,男,66)
・ソフト部顧問が体罰 不登校に (1/12,京都新聞,京都,高,男,50代)
・勘違いし生徒に求婚メール、大阪 63歳教諭を減給処分
(1/12,共同通信,大阪,高,男,63)
・川崎市立小教諭が33人分個人情報記録入りメモリー紛失
(1/13,産経,神奈川,小,女)
・生徒盗撮目的か 更衣室侵入容疑で教諭逮捕
(1/16,サンスポ,東京,中,男,20代)
・「身動き取れず手が股間に…」 中学教師の男を逮捕
(1/17,テレ朝,東京,中,男,27)
・女子ソフト部監督が体罰・セクハラ発言 愛媛の私立高
(1/18,朝日,愛媛,高,男,30)
・無免許で8年授業 女性教諭戒告処分 長野(1/19,産経,長野,小,女,44)
・受験生母親にキスした教諭、免職 秋田商業高、交際も迫る
(1/19,毎日,秋田,高,男,40代)
・<小学校>教諭が女子児童に暴言、嫌がらせ 福井・敦賀
(1/23,毎日,福井,小,男,40代)
・県教委・公立学校教諭2人を懲戒処分
(1/24,テレビ山口,山口,飲酒運転:中男50,高男51)
・重体事故で県立高教諭逮捕 三重・鈴鹿の信号交差点、軽の側面に衝突
(1/24,産経,三重,高,男,54)
・高校の女子トイレにカメラ設置の疑い 講師の男を逮捕
(1/24,瀬戸内海放送,岡山,高,男,29)
・女児らにブリッジさせ触る 男性教諭に懲戒免職処分
(1/25,日テレ,茨城,小,男,41)
・置き忘れタブレット窃盗疑い高校教諭を不起訴 懲戒処分を検討
(1/25,京都新聞,富山,高,男,50代)
・埼玉県教委 男性教諭2人を懲戒免職
(1/25,テレ玉,埼玉,中男57:覚せい剤,中男27:わいせつ)
・<北九州市>教諭が顔を蹴り、小6男児が重傷
(1/26,福岡,毎日,小,男,20代)
・教諭3人処分…ツイッターで生徒中傷、わいせつメッセージも 覚醒剤使用 生徒にキスして体触る(1/26,埼玉新聞,埼玉,中傷:中男28,わいせつ:中男27,覚せい剤:中男57 埼玉)
・静岡高校の教諭を逮捕 近所の家に不法侵入か
(1/26,静岡放送,静岡,高,男,54)
・高校教諭に停職1カ月の処分 無断の遅刻に早退
(1/29,静岡放送,静岡,高,男,44)
・<都教委>小学校の女性教諭処分 嘔吐するまで給食食べさす
(1/30,毎日,東京,小,女,40)
・男子生徒にキスやLINEで「抱きしめて」 40代女性教諭を懲戒免職
(1/30,サンスポ,東京,中,女,40代)
・校内で同僚から108万盗む 県立高講師を懲戒免職
(1/30,神戸新聞,兵庫,高,男,30)
・教諭が9歳児童の鎖骨折る 宿題忘れ立腹、警察が捜査へ
(1/31,朝日,福岡,小,男)
2018年1月27日土曜日
0~9歳の転入超過率
昨日の産経新聞に,子育て世代が住みたい田舎1位に,茨城県の常陸太田市がノミネートされたという記事が出ています。「家賃・おむつ・保育補助……支援に自信」というフレーズも添えられています。
http://www.sankei.com/life/news/180126/lif1801260028-n1.html
ほう,至れり尽くせりですね。しからば,子育てファミリーをさぞ呼び込んでいるのだろうと推測されますが,当市の人口移動統計でそれが観察されるでしょうか。私は意地が悪いので,素晴らしい実践が報告されると,マクロ統計で裏を取ってみたくなります。
各地域の人口の流出入が分かる官庁統計といえば,総務省『住民基本台帳人口移動報告』です。1年間の転入者数と転出者数を,年齢階層別に知ることができます。前者から後者を引いた数が転入超過数で,どれだけ人口を呼び寄せているかの指標になります。
http://www.stat.go.jp/data/idou/
最新の2016年のデータをもとに,常陸太田市の人口流出入の年齢グラフを作ると,以下のようになります。外国人は含まない,日本人移動者のデータです。
20代前半の転出者が多くなっています。就職を機に若者がどっと出ていくという,地方都市の典型タイプです。転入者もいますが,転出者のほうがずっと多く,転入超過数は大きなマイナス値となっています。
20代後半から30代の子育て世代はというと,こちらも転入超過数はマイナスです。2016年のデータで見る限り,子育て年代を吸い寄せているようには見えませんが,もっと最近では違うのでしょうか。
しかし,10歳未満の子ども人口はプラスです。これを加味すると,親世代の転出者は子がいない世帯や単身者が多く,転入者はその逆なのかもしれませんね。こう考えると,常陸太田市の実践の成果が,統計に表れているといえそうです。
https://twitter.com/tmaita77/status/956815492009811968
人口移動の統計から「子育てに選ばれる地域」を検出するには,子持ちと子なしが混在している親世代よりも,子ども世代に注目するのがよいかもしれません。
私は,0~9歳人口の転入超過率を,関東7都県の市区町村別に計算してみました。2016年間の転入超過数を,同年1月1日時点の人口で割った値です。
私が前に住んでいた東京都多摩市でいうと,2016年間の0~9歳の転入超過数は59人で,同年1月1日の当該年齢人口は1万1681人です。よって,転入超過率は0.51%となります。社会増によって,子ども人口が0.51%増えたことを含意します。
親年代の転入超過率はマイナスなのですが,子ども人口はプラスになっています。公園の緑地面積が首都圏1位で,自然環境がとても豊かな地域ですが,子育てに選ばれているのかなあ。
都内の53市区町村の値を地図にすると,下図のようになります。
西高東低ではないですか。23区はほとんどが白色,転入超過率がマイナス,つまり子ども人口が出て行っています。
子育てファミリーは,通勤の便よりも自然環境を重視すると解釈したいところですが,子どもができたら広い住居が必要なので,家賃の安い郊外に流れる,というのが主な理由でしょうね。
親年代(20代後半~30代)のデータでは,上記と逆の模様になるのですが,都心に入ってくるのは,子なし世帯や単身世帯が多いと推測されます。親世代の人口の動きから,「タワマンが林立する都市沿岸部が,子育てに選ばれる」とか言われますが,そうとばかりは言えますまい。
住居費という外圧ゆえとはいえ,子がいるファミリーは郊外に移る傾向があるようです。社会科の教科書に載っている「ドーナツ化現象」,健在と思われます。
都心に通うリーマン世帯が居を構える校外は,東京西部のほか,埼玉,千葉,神奈川があり,交通網が発達した今では,北関東も視野に入れるべきでしょう。
先に述べたように,関東7都県の市区町村別に,0~9歳人口の転入超過率を計算しました。数が346にもなりますので,ここでは上位50位までのランク表を見ていただきましょう。
子ども人口の動きから割り出した,「子育てに選ばれる地域」の一覧表です。首位は,千葉県の印西市となっています。当市では,社会増で子ども人口が7%近くも増えています。スゴイ。
2位の奥多摩町と3位の東秩父村は,分母が小さいことに注意する必要があるかもしれません。
「母になるなら流山」と大々的にPRしている流山市は5位。私が住んでいる横須賀市の隣の逗子市が10位にランクイン。冒頭で触れた,茨城県の常陸太田市は1.48%で60位です。
先に書いたことを繰り返しますが,人口移動統計で「子育てに選ばれる地域」の目星をつけるには,子なしと子ありが混在した親年代よりも,子ども人口の動きに注意すべきかもしれません。
算出した,関東7都県の346市区町村の転入超過率をマップにしたらどうなるか。ちょっと手間がかかる作業なので,回を改めようと思います。
*作ってみました。
https://twitter.com/tmaita77/status/957490466563305472
http://www.sankei.com/life/news/180126/lif1801260028-n1.html
ほう,至れり尽くせりですね。しからば,子育てファミリーをさぞ呼び込んでいるのだろうと推測されますが,当市の人口移動統計でそれが観察されるでしょうか。私は意地が悪いので,素晴らしい実践が報告されると,マクロ統計で裏を取ってみたくなります。
各地域の人口の流出入が分かる官庁統計といえば,総務省『住民基本台帳人口移動報告』です。1年間の転入者数と転出者数を,年齢階層別に知ることができます。前者から後者を引いた数が転入超過数で,どれだけ人口を呼び寄せているかの指標になります。
http://www.stat.go.jp/data/idou/
最新の2016年のデータをもとに,常陸太田市の人口流出入の年齢グラフを作ると,以下のようになります。外国人は含まない,日本人移動者のデータです。
20代前半の転出者が多くなっています。就職を機に若者がどっと出ていくという,地方都市の典型タイプです。転入者もいますが,転出者のほうがずっと多く,転入超過数は大きなマイナス値となっています。
20代後半から30代の子育て世代はというと,こちらも転入超過数はマイナスです。2016年のデータで見る限り,子育て年代を吸い寄せているようには見えませんが,もっと最近では違うのでしょうか。
しかし,10歳未満の子ども人口はプラスです。これを加味すると,親世代の転出者は子がいない世帯や単身者が多く,転入者はその逆なのかもしれませんね。こう考えると,常陸太田市の実践の成果が,統計に表れているといえそうです。
https://twitter.com/tmaita77/status/956815492009811968
人口移動の統計から「子育てに選ばれる地域」を検出するには,子持ちと子なしが混在している親世代よりも,子ども世代に注目するのがよいかもしれません。
私は,0~9歳人口の転入超過率を,関東7都県の市区町村別に計算してみました。2016年間の転入超過数を,同年1月1日時点の人口で割った値です。
私が前に住んでいた東京都多摩市でいうと,2016年間の0~9歳の転入超過数は59人で,同年1月1日の当該年齢人口は1万1681人です。よって,転入超過率は0.51%となります。社会増によって,子ども人口が0.51%増えたことを含意します。
親年代の転入超過率はマイナスなのですが,子ども人口はプラスになっています。公園の緑地面積が首都圏1位で,自然環境がとても豊かな地域ですが,子育てに選ばれているのかなあ。
都内の53市区町村の値を地図にすると,下図のようになります。
西高東低ではないですか。23区はほとんどが白色,転入超過率がマイナス,つまり子ども人口が出て行っています。
子育てファミリーは,通勤の便よりも自然環境を重視すると解釈したいところですが,子どもができたら広い住居が必要なので,家賃の安い郊外に流れる,というのが主な理由でしょうね。
親年代(20代後半~30代)のデータでは,上記と逆の模様になるのですが,都心に入ってくるのは,子なし世帯や単身世帯が多いと推測されます。親世代の人口の動きから,「タワマンが林立する都市沿岸部が,子育てに選ばれる」とか言われますが,そうとばかりは言えますまい。
住居費という外圧ゆえとはいえ,子がいるファミリーは郊外に移る傾向があるようです。社会科の教科書に載っている「ドーナツ化現象」,健在と思われます。
都心に通うリーマン世帯が居を構える校外は,東京西部のほか,埼玉,千葉,神奈川があり,交通網が発達した今では,北関東も視野に入れるべきでしょう。
先に述べたように,関東7都県の市区町村別に,0~9歳人口の転入超過率を計算しました。数が346にもなりますので,ここでは上位50位までのランク表を見ていただきましょう。
子ども人口の動きから割り出した,「子育てに選ばれる地域」の一覧表です。首位は,千葉県の印西市となっています。当市では,社会増で子ども人口が7%近くも増えています。スゴイ。
2位の奥多摩町と3位の東秩父村は,分母が小さいことに注意する必要があるかもしれません。
「母になるなら流山」と大々的にPRしている流山市は5位。私が住んでいる横須賀市の隣の逗子市が10位にランクイン。冒頭で触れた,茨城県の常陸太田市は1.48%で60位です。
先に書いたことを繰り返しますが,人口移動統計で「子育てに選ばれる地域」の目星をつけるには,子なしと子ありが混在した親年代よりも,子ども人口の動きに注意すべきかもしれません。
算出した,関東7都県の346市区町村の転入超過率をマップにしたらどうなるか。ちょっと手間がかかる作業なので,回を改めようと思います。
*作ってみました。
https://twitter.com/tmaita77/status/957490466563305472
2018年1月24日水曜日
職業別の女性比(2015年)
前に,2010年の『国勢調査』の職業小分類統計をもとに,職業別の女性比を明らかにしましたが,この記事は長く読まれています。
http://tmaita77.blogspot.jp/2015/04/blog-post_28.html
現在では,2015年の同調査のデータも公開されていますので,情報を更新することといたしましょう。使うのは,抽出詳細集計(職業小分類)のデータです。
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00200521&result_page=1
これによると,15歳以上の就業者の総数は5889万人で,そのうち女性は2581万人。比率にすると,43.8%になります。これが全職業でみた女性比ですが,値は職業によって大きく違っています。
目ぼしい高給の職業の女性比を挙げると,以下のようです。
医師 ・・・ 21.4%
裁判官・検察官・弁護士 ・・・ 16.7%
大学教員 ・・・ 28.4%
航空機操縦士 ・・・ 0.2%
昔に比したら上がっているのでしょうが,絶対水準としては低いですね。その一方で女性の職業というのもあり,助産師の100%をはじめ,看護師,保育士,幼稚園教員,訪問介護従事者などは,9割以上が女性です。
上記の統計をもとに,232の職業の女性比率を明らかにしました。資料の意味合いを込めて,全職業の数値をもれなく掲げます。統計表が長くなりますので,4つに区分しましょう。まずは,管理職と専門・技術職です。
赤色は女性比が8割(ゴチは9割)以上の職業で,青色はそれが5%未満の職業です。
次に,事務職,販売職,サービス職です。
続いて,保安職,農林漁業職,生産工程職です。
最後に,輸送・運転職,建設・採掘職,運搬・清掃・包装職,分類不能の職業です。女性比5%未満の青色が多くなっています。
以上,最新の2015年の『国勢調査』から計算した,232の職業の女性比率です。資料としてご覧いただければと存じます。
http://tmaita77.blogspot.jp/2015/04/blog-post_28.html
現在では,2015年の同調査のデータも公開されていますので,情報を更新することといたしましょう。使うのは,抽出詳細集計(職業小分類)のデータです。
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00200521&result_page=1
これによると,15歳以上の就業者の総数は5889万人で,そのうち女性は2581万人。比率にすると,43.8%になります。これが全職業でみた女性比ですが,値は職業によって大きく違っています。
目ぼしい高給の職業の女性比を挙げると,以下のようです。
医師 ・・・ 21.4%
裁判官・検察官・弁護士 ・・・ 16.7%
大学教員 ・・・ 28.4%
航空機操縦士 ・・・ 0.2%
昔に比したら上がっているのでしょうが,絶対水準としては低いですね。その一方で女性の職業というのもあり,助産師の100%をはじめ,看護師,保育士,幼稚園教員,訪問介護従事者などは,9割以上が女性です。
上記の統計をもとに,232の職業の女性比率を明らかにしました。資料の意味合いを込めて,全職業の数値をもれなく掲げます。統計表が長くなりますので,4つに区分しましょう。まずは,管理職と専門・技術職です。
赤色は女性比が8割(ゴチは9割)以上の職業で,青色はそれが5%未満の職業です。
次に,事務職,販売職,サービス職です。
続いて,保安職,農林漁業職,生産工程職です。
最後に,輸送・運転職,建設・採掘職,運搬・清掃・包装職,分類不能の職業です。女性比5%未満の青色が多くなっています。
以上,最新の2015年の『国勢調査』から計算した,232の職業の女性比率です。資料としてご覧いただければと存じます。
2018年1月22日月曜日
ロスジェネの見当づけ
「われわれはロスジェネだ,ツイてない世代だ」。こういうことを言う人がいますが,私からすれば「あなたは違うでしょ」と言いたくなることが結構あります。
具体的に,どの世代が該当するのか。印象論やフィーリングではなく,データをもとに見当をつけてみましょう。
ロスジェネ,ツイてない世代とは,学校卒業時が就職氷河期と重なった世代です。大学進学率が高まっている時代では,学校から社会への移行は大卒時(22歳時)がメインですので,このステージの就職率に注目しましょう。
大学卒業者の就職率は,文科省『学校基本調査』から知ることができます。この資料に載っている計算済みの就職率は卒業生ベースのものですが,就職の意思のない大学院等進学者は分母から除いたほうがいいでしょう。また,医学部卒業生はキャリアが臨床研修医から始まることが多いので,この部分は分子に加えるべきでしょう。
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/NewList.do?tid=000001011528
私は以下の計算式をもとに,各年の4年制大学卒業者の就職率を男女別に計算しました。
・就職率=(就職者数+臨床研修医数)/(卒業生数-進学者数)
昨日,1990~2017年卒業者の就職率推移をツイッターで発信したところ,多くの人に関心を持っていただけました。ここでは,もうちょっと時期を遡って,1980年の卒業生からの推移を跡付けてみましょう。
80年代前半では,性差が大きかったようです。85年に男女雇用機会均等法が制定されたこともあってか,男女差は縮まり,90年代初頭には男女とも85%を超えました。
しかしバブル崩壊後,不況が深刻化し,就職率は急落。世紀の変わり目にボトムになります。私は99年に大学を出ましたが,,まさに「どん底」でした。08年のリーマンショックの頃が大変だったといわれますが,それよりも谷がもっと深かった。
最近は空前の人手不足もあり,大卒者の就職率はバブル期に匹敵する水準に戻っています。女子は過去最高です。今世紀初頭のボトムを境に男女差が逆転していますが,99年に男女共同参画社会基本法が制定され,その理念に向けた計画が実施されていることと関連があるのでしょうか。
上記のグラフから,真正の「ロスジェネ」は世紀の変わり目に大学を出た世代ということになりそうですが,正確な整理をしてみましょう。私は76年生まれですが,ストレートの場合,この世代が大学を出るのは99年春です。この年の大卒者の就職率は,男女込みでみると68.3%と,7割に達していませんでした。
各世代の大学卒業年の就職率を,時系列の表で整理すると以下のようになります。
藍色で塗りつぶしたのは,大卒時の就職率が70%に満たない世代です。世紀末から今世紀初頭に大学を出た,76~81年生まれ世代が該当します。私の世代も入ってしまっていますが,大卒時の就職率からうかがえる「ロスジェネ」といえそうです。
ピンク色をつけたのは,逆にツイていた世代で,大卒時の就職率が85%を超えていました。91年卒業生では89.2%,9割近くだったのですね。名作『就職戦線異状なし』が上映された年ではないですか。バブル世代と,最近の世代が該当します。
今後も人手不足により,売り手市場は続くでしょう。今年春に大学を出るのは95年生まれ世代ですが,02年施行のゆとり学習指導要領で育ち,シューカツも「ゆとり」ですか。いいなあ。
それはさておき,2016年10月時点の人口ピラミッドに,上表と同じ色をつけてみましょう。下図をご覧ください。
真正のロスジェネと見積もった,76~81年生まれ世代は,2016年10月時点では35~40歳です。人口量の合計は993万人と,1000万人近くになります。東京都の人口より少し少ないくらいです。結構な数ですね。
生まれてくる家庭や地域はもちろん,時代も選べません。学校から社会への移行期が氷河期と重なったことで,不遇を強いられている世代。新卒至上主義が支配的なわが国では,「やり直し」も叶わず,非正規雇用に滞留している人が多い世代。正規就職・結婚・出産といったイベントを首尾よくこなせた人と,そうでない人の格差が大きい世代…。
この世代は現在子育て中であり,あと少しすると,子どもが高校や大学に上がる時期になります。これまでのように,教育費負担を家計に押し付けるやり方は通用しなくなるでしょう。親世代の年収が順調に上がるという年功賃金制も崩れていますので。
あと25~30年すれば,この世代も高齢期に入りますが,年金など納めておらず,社会保障を得られない人も続出するでしょう。現在の韓国のように,高齢者の自殺率がメチャ高の社会になっているかもしれません。
https://twitter.com/tmaita77/status/938686544650440704
しかしピンチはチャンス。教育費の私負担型から公負担型の社会への変革,65歳の定年制社会から生涯現役社会への変革,といった社会変動を,この世代がけん引してくれる可能性もあります。
これまでの社会の維持の仕方が通用しない,最初の世代なんですから。その意味で,「黒船」世代という別名を与えてもいいんじゃないかと思ったりします。開国の街・久里浜の「黒船商店街」を歩いていて,このネームを思いつきました。
具体的に,どの世代が該当するのか。印象論やフィーリングではなく,データをもとに見当をつけてみましょう。
ロスジェネ,ツイてない世代とは,学校卒業時が就職氷河期と重なった世代です。大学進学率が高まっている時代では,学校から社会への移行は大卒時(22歳時)がメインですので,このステージの就職率に注目しましょう。
大学卒業者の就職率は,文科省『学校基本調査』から知ることができます。この資料に載っている計算済みの就職率は卒業生ベースのものですが,就職の意思のない大学院等進学者は分母から除いたほうがいいでしょう。また,医学部卒業生はキャリアが臨床研修医から始まることが多いので,この部分は分子に加えるべきでしょう。
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/NewList.do?tid=000001011528
私は以下の計算式をもとに,各年の4年制大学卒業者の就職率を男女別に計算しました。
・就職率=(就職者数+臨床研修医数)/(卒業生数-進学者数)
昨日,1990~2017年卒業者の就職率推移をツイッターで発信したところ,多くの人に関心を持っていただけました。ここでは,もうちょっと時期を遡って,1980年の卒業生からの推移を跡付けてみましょう。
80年代前半では,性差が大きかったようです。85年に男女雇用機会均等法が制定されたこともあってか,男女差は縮まり,90年代初頭には男女とも85%を超えました。
しかしバブル崩壊後,不況が深刻化し,就職率は急落。世紀の変わり目にボトムになります。私は99年に大学を出ましたが,,まさに「どん底」でした。08年のリーマンショックの頃が大変だったといわれますが,それよりも谷がもっと深かった。
最近は空前の人手不足もあり,大卒者の就職率はバブル期に匹敵する水準に戻っています。女子は過去最高です。今世紀初頭のボトムを境に男女差が逆転していますが,99年に男女共同参画社会基本法が制定され,その理念に向けた計画が実施されていることと関連があるのでしょうか。
上記のグラフから,真正の「ロスジェネ」は世紀の変わり目に大学を出た世代ということになりそうですが,正確な整理をしてみましょう。私は76年生まれですが,ストレートの場合,この世代が大学を出るのは99年春です。この年の大卒者の就職率は,男女込みでみると68.3%と,7割に達していませんでした。
各世代の大学卒業年の就職率を,時系列の表で整理すると以下のようになります。
藍色で塗りつぶしたのは,大卒時の就職率が70%に満たない世代です。世紀末から今世紀初頭に大学を出た,76~81年生まれ世代が該当します。私の世代も入ってしまっていますが,大卒時の就職率からうかがえる「ロスジェネ」といえそうです。
ピンク色をつけたのは,逆にツイていた世代で,大卒時の就職率が85%を超えていました。91年卒業生では89.2%,9割近くだったのですね。名作『就職戦線異状なし』が上映された年ではないですか。バブル世代と,最近の世代が該当します。
今後も人手不足により,売り手市場は続くでしょう。今年春に大学を出るのは95年生まれ世代ですが,02年施行のゆとり学習指導要領で育ち,シューカツも「ゆとり」ですか。いいなあ。
それはさておき,2016年10月時点の人口ピラミッドに,上表と同じ色をつけてみましょう。下図をご覧ください。
真正のロスジェネと見積もった,76~81年生まれ世代は,2016年10月時点では35~40歳です。人口量の合計は993万人と,1000万人近くになります。東京都の人口より少し少ないくらいです。結構な数ですね。
生まれてくる家庭や地域はもちろん,時代も選べません。学校から社会への移行期が氷河期と重なったことで,不遇を強いられている世代。新卒至上主義が支配的なわが国では,「やり直し」も叶わず,非正規雇用に滞留している人が多い世代。正規就職・結婚・出産といったイベントを首尾よくこなせた人と,そうでない人の格差が大きい世代…。
この世代は現在子育て中であり,あと少しすると,子どもが高校や大学に上がる時期になります。これまでのように,教育費負担を家計に押し付けるやり方は通用しなくなるでしょう。親世代の年収が順調に上がるという年功賃金制も崩れていますので。
あと25~30年すれば,この世代も高齢期に入りますが,年金など納めておらず,社会保障を得られない人も続出するでしょう。現在の韓国のように,高齢者の自殺率がメチャ高の社会になっているかもしれません。
https://twitter.com/tmaita77/status/938686544650440704
しかしピンチはチャンス。教育費の私負担型から公負担型の社会への変革,65歳の定年制社会から生涯現役社会への変革,といった社会変動を,この世代がけん引してくれる可能性もあります。
これまでの社会の維持の仕方が通用しない,最初の世代なんですから。その意味で,「黒船」世代という別名を与えてもいいんじゃないかと思ったりします。開国の街・久里浜の「黒船商店街」を歩いていて,このネームを思いつきました。
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