今朝の朝日新聞朝刊に,私の談話が掲載されました。「学びを語る」という企画で,月に2回のペースで教育面に載るようです。
http://www.asahi.com/articles/DA3S12332070.html
19日に『全国学力・学習状況調査』が実施されましたが,この手の公的調査の生データ(ローデータ)を一般に広く公開してほしい,という要望を言わせていただきました。
莫大な費用をかけて作った「ビッグデータ」を,もっと有効活用したものです。一部の「お偉いさん」だけでなく,万人がいろいろな視点から徹底的にしゃぶり尽くす。前からツイッターでつぶやいていることですが,新聞に載せていただき,うれしく思います。
取材ではいろいろなことを話し(愚痴り)ましたが,以下の2点に絞ってまとめられています。
①:男女別の集計結果を出してほしい。理系学力や理系志向のジェンダー差などは,重要な分析課題です。国際学力調査PISAでは,男女別結果が出ており,「男子<女子」の社会も数多くあります。国内でも探せば,そういう地域や学校はあるでしょう。そういう事例を研究することにもつなげます。逆に「男子<女子」の伝統的性差が大きい学校には,女性の理数教員を加配するなどの対策もとれます。
②:社会経済条件が異なる地域(学校)をそのまま比較するのはアンフェア。地域条件から予測される値(期待値)を出し,それと実測値を照合する。実測値の水準だけでなく,それが期待値を上回っていることも「がんばっている」の目安にする。英国などでは,こういう基準が採用され,予算配分にも考慮されるそうです。この点は,2008年の拙稿「地域の社会経済条件による子どもの学力の推計」(『教育社会学研究』第82集)にも書いています。
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006793455
ささやかな主張ですが,データ公開の在り方を変えるきっかけになればと思っております。こういう場を設けてくださった,朝日新聞の杉原里美記者に感謝申します。