2017年11月12日日曜日

成人の知的好奇心と学生比率

 歯の再手術で入院したこともあり,ブログの更新が滞ってしまいました。

 入院の前日にデスクトップパソコンを秋葉原に送り,メモリを8GBから16GBに増やしてもらいました。依頼したのは,パソコン工房秋葉原サポートセンターです。「安い・早い・誠実」の3拍子がそろった,おススメのお店です。
https://pc-support.unitcom.co.jp/contents/shop/akihabara_support.php

 私は,国際調査のローデータをよく分析しますが,容量がべらぼうに大きいファイルもあります。「PISA 2015」などは,73か国52万人のデータが入ってますので,エクセルに落とすと240MBにもなります。

 8Gでも何とかなりますが,動作が不安定化します。「エクセルは応答していません」というフリーズ状態になるのもしばしば。ユーチューブの動画を並行してかけるのは,まずNGです。しかし16Gに増やしてからは,こういう弊はなくなりました。

 昨日は,OECDの国際成人力調査「PIAAC 2012」について,各国のローデータを一つのファイルに集約する作業に没頭しました。データの容量があまりに大きいため,当局のダウンロードサイトでは,ファイルが国ごとに分割されているのですが,それらを接合したわけです。31か国分で260MBにもなりましたが,パワーアップしたパソコンでは,こういう超大規模ファイルのデータも快適に処理できます。

 これで,「PIAAC 2012」のローデータも存分にしゃぶり尽くすことができます。手始めに以下の2つの作品をつくり,ツイッターで発信したところ,見てくださる方が多いようですので,ブログにも載せましょう。

 1)30~40代の知的好奇心と学生比率
 2)年齢別の知的好奇心の日瑞比較

 1)は,働き盛りの年齢層に限定した国際比較です。「PIAAC 2012」の対象は16~65歳ですが,この幅広い層(成人全体)をひっくるめるのではなく,働き盛りの層に絞ってみました。

 知的好奇心とは,「新しいことを学ぶのは好きだ」という項目に,自分は「非常によく当てはまる」ないしは「よく当てはまる」と答えた者の比率です。学生比率は,分析対象の30~40代のうち,学生である者が占める割合です。こちらは,千人あたりの比率()にしています。

 横軸に知的好奇心,縦軸に学生比率をとった座標上に,データが得られる25か国を配置すると以下のようになります。


 変動が激しい社会では,学校を終えたら勉強は終わりではありません。社会に出てからも知的好奇心を枯らすことなく,絶えず新しいことを摂取し続けないといけません。

 また大学等にもう一度戻って学び直す「リカレント教育」の普及も望まれます。わが国では,閉じた企業内訓練が支配的なのですが,自分の会社だけでなく,どこでも通じる「汎用性」のあるスキルを身に付けるのは,外部の機関における学びも必要になります。職務から離れる「Off-JT」は,斬新なイノベーションを得るきっかけにもなるでしょう。

 しかるに上のグラフによると,日本はどちらも芳しくないようです。働き盛りの知的好奇心は他国と比して低く,学校で学び直している者も少ない。お隣の韓国も似た位置ですが,受験競争が激しいこれらの社会では,子ども期にかけて「勉強は苦行」という刷り込みがなされるのでしょうか。

 対極には,北欧の諸国がありますね。社会福祉のみならず,生涯学習も進んでいるようです。スウェーデン(瑞)では,学生の3分の1は社会人といいますし。

 上記の図は,働き盛りの生活条件(長時間労働)の問題と同時に,子ども期の教育の有様を問うているともいえるでしょう。

 次に,2番目のグラフです。知的好奇心ですが,加齢とともにだんだん萎んできます。これはある意味,生理現象ともいえますが,その傾斜は社会によって違いますし,Aという社会の老人のほうが,Bという社会の若者よりギラギラした好奇心を持っているケースもある。

 先ほどの散布図で対極の位置関係にある日本とスウェーデンについて,年齢別(1歳刻み)の知的好奇心のグラフをつくり,左右に並べると恐ろしい事実が判明します。


 「新しいことを学ぶのは好きだ」という項目に対する反応分布のグラフですが,日本の若者の好奇心は,スウェーデンの老人とほぼ同じであることが知られます。両国のグラフはつながっているように見えます。

 日本人は,スウェーデン人の老後を生きているような感じですねえ。

 子ども期において,知識をがむしゃらに詰め込むのではなく,学ぶのは楽しいことを分からせ,生涯にわたって自発的に学ぶ態度を養わねばなりますまい。これが,21世紀の学校のあるべき姿です。

 私は教育学を勉強する学徒ですが,子どもの教育学(ペダゴジー)よりも,大人の教育学(アンドラゴジー)に関心を持ちます。「PIAAC 2012」は,わが国の成人教育の問題点を浮き彫りにできるデータの宝庫です。

 全対象国をまとめたローデータのファイルができましたので,これを徹底的に分析し,問題提起をしていこうと思います。

1 件のコメント:

  1. 上位大学のボーダーと同世代を母集団にした入学者平均偏差値
    東大理三:82(入学者平均84.5)
    京大医:80(入学者平均82)
    東大:74.5(入学者平均78)
    京大:72(入学者平均74.5)
    一橋:72.5(入学者平均74)
    東工大:70.5(入学者平均72.5)
    阪大:69.5(入学者平均71)
    名大:68(入学者平均69.5)
    東北大、神戸大:67.5(入学者平均は東北大69.5、神戸大69)
    九大:67(入学者平均69)
    慶応大、北大:66.5(入学者平均68.5)
    早大、茶女大:66(入学者平均68)

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