2020年3月12日木曜日

テレワークができる人の率

 コロナウィリス感染防止のため,テレワークが推奨されるようになっています。感染症防止のためとなると,国や企業も本腰を入れざるを得ず,この言葉を含む報道が,この1か月で激的に増えているように思います。

 テレワークとは,ICT機器を使って,自宅やサテライトオフィス等で勤務すことです。tele(離れた場所)とwork(働く)を合わせた言葉であるとのこと。
https://japan-telework.or.jp/tw_about-2/

 なるほど,オフィスでPCに向かい合っている人をみると,「自宅でもできそうだよなあ」と感じます。出版社に勤務する編集者などは,その典型です。仕事の大半は原稿チェックでしょうから,自宅でやってもよし。うるさい電話とかにも出ないくていいし,効率も上がりそうです。

 しかしお店で働く人や,屋外での作業に従事する人は,テレワークは不可能です。テレワーク推奨のニュースをみても,「自分たちには関係ないこと」と思っています。できることは,時差出勤を導入して,通勤ラッシュを避けることくらいです。

 働く人のうち,テレワークができる人って何%くらいなんでしょう。それを明らかにするのは容易ではありませんが,職業別の就業者数から大よその見当をつけることはできそうです。以下の表は,職業大分類の内訳です。会社や役所で働く雇用労働者で,自営やフリーランス等は含みません。


 やや古いですが,2015年10月時点の雇用労働者は4654万人です。このうち,机に座ってPCと向き合うのは,A~Cの職業の人たちでしょう。管理職,専門技術職,事務職です。これら3つの合算は1881万人で,全体の40.4%に相当します。

 4割とはスゴイと言いたいところですが,これらホワイトカラーの全てがTW可能というのではありません。この中にも現場職が多く含まれており,勤務医や学校の教員などは,テレワークは不可能です。

 上記は大雑把な職業大分類による区分ですが,細かい小分類の統計を引っ張り出して,テレワークが可能と思われる職業を拾い出す必要がありそうです。A~Cの職業の小分類を示すと以下のようになります。青色は管理職(A),白色は専門技術職(B),緑色は事務職(C)の小分類カテゴリーです。


 トータルで84の職業がありますが,テレワークが不可能とみられる職業のほうが多そうですね。建築技術者や測量技術者のような現場職,患者と接しないといけない医療関係職,保育士,学校の教員はまず不可能。事務職であっても,細かく見るとオフィスに出てこないといけない職業が多し。

 私の独断ですが,テレワークができるのは赤色の職業ではないでしょうか。2015年の『国勢調査』の職業小分類統計によると,これら34の職業に従事する雇用労働者は800万6740人で,雇用労働者全体の17.2%に該当します。およそ6人に1人です。

 この値は都道府県別に計算することもできます。各県在住の雇用労働者のうち,上表の赤字の職業(テレワーク可能な職業)に就いている人は何%か。高い順に並べたランキングは以下のごとし。


 首都圏の1都3県が上位にあります。首位の東京は24.6%で,他の3県は約2割です。

 雇用労働者の4~5人に1人が自宅で仕事をしてくれれば,最大の感染源といわれる満員電車の弊もだいぶ緩和されそうです。これは2015年のデータで,2020年現在では値はもう少し高いかもしれません。

 以上,テレワークが可能とみられる人の率の試算です。テレワーク推奨の掛け声が大きいですが,それができる人は限られているだろう,という疑問を持つ人もおられるかと思います。出てきた数値をみて,どういう感想を持たれたでしょうか。

 私としては,都市部では結構いるんだなという感想です。情報漏洩やPCのウィルス感染等には注意しないといけませんが,ぜひとも,テレワーク化は進めてほしいと思います。

 そのためにも,未来の労働者を育てる学校の情報化を進めないといけません。休校で在宅している生徒に対し,郵便で課題プリントを届けるという涙ぐましいことをしていますが,学校のサイトを使えば一発。21世紀を担う人材を育てる学校が,こんなことではいけないでしょう。