2015年12月25日金曜日

子ども1人育てるのにいくらかかるか?

 表記の問いですが,子育て中の親御さんなら,誰しも関心のあること。銀行や生命保険会社による,いろいろな試算レポートもあります。しかるに,官庁統計を使って計算したらどうなるでしょう。

 昨日,文科省の『子どもの学習費調査』(2014年度)の結果が公表されました。隔年で実施されている調査で,幼稚園児から高校生の子がいる保護者に対し,子ども1人あたりの年間教育費を尋ねています。授業料,PTA会費,通学費などの学校教育費,学校給食費,そして学習塾費や習い事月謝などの学校外教育費までをも含む,広義の教育費です。

 原資料には,学年ごとの年間教育費の平均値が載っています。幼稚園3歳から高校3年生までを合算すると,高校を卒業させるまでにかかる教育費総額を試算できます。今朝の朝日新聞記事によると,オール公立の場合は523万円,オール私立の場合は1770万円だそうです。後者は前者の3.4倍。

 私は原資料に当たって,学年別の年間教育費を採取し,同じ値になるか追試してみました。下表をご覧ください。


 高校3年生までの累積をみると(右欄),オール公立は523.1万円,オール私立は1769.9万円。なるほど上記の記事でいわれている通りですね。

 これは高校までの総額ですが,大学進学率が50%を超えている今日,大学まで出すにはナンボかも気になります。大学の教育費は,上記の文科省調査には載っていませんが,日本学生支援機構の『学生生活調査』(2012年度)によると,国立大学の年間学費(授業料,学納金,課外活動費,通学費等)は67.4万円,私立は132.0万円となっています。

 大学の全学年とも同じと仮定すると,「幼稚園から高校まで公立,大学は国立のコース」の総額は792.6万円,「幼稚園から大学まで私立」のコースは2297.8万円と見積もられます。大学までオール私立だと,2000万円を超えると。まあ,そうなるでしょうね。

 しかるに,多くの子どもがたどる標準コースは「幼稚園は私立,小学校から高校は公立,大学は私立」というものでしょう。この標準コースの教育費総額は,黄色マークの数値を合算すれば出せます(累積欄の右端)。総計=1136.8万円なり。

 この試算値には大学の初年度納付金が含まれていませんので,実際はもう少し高くなると思われます。しかし,標準コースで1000万超えとは・・・。巷でいわれるウン千万というのはオーバーにしても,「高いなあ」というのが印象です。

 東京では,「幼稚園は私立,小・中学校は公立,高校・大学は私立」というコースも多いでしょうが,これだと総額は1311.5万円です。他にも,「中学から私立」,「大学だけは私立」など,いろいろなバリエーションが想起されます。子育て中のママさん・パパさん,お子さんの想定コースの総額を試算してみてください。

 なお,一口に教育費といっても,その中身は多様です。小学校1年生から高校3年生の学年別に,主な費目の組成が分かるグラフをつくってみました。公立学校の児童・生徒のものです。


 教育費の内訳は,学年によって違います。中学生では,家庭教師・学習塾の比重が高いですね。中3では,教育費全体の6割をも占めます。平均実額は,年間35万円ほどです。1か月あたり3万円ほどでしょうか。

 各学校の1年生で「その他学校教育費」の比重が高いのは,制服費や通学用品費などがかさむためです。

 話がそれましたが,本記事のタイトルの問いに対する答えとして,標準コースで見積もった場合,大学まで出すのに約1137万円かかる,という答えを記しておきます。低く見積もった試算値です。

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