前回の続編です。今回は,前回みたニートよりも,もっと「ぶっ飛んだ」暮らしをしている人間の1日をのぞいてみましょう。以下の条件をすべて満たす人種です。
①25~34歳 ②男性 ③単身(一人暮らし) ④無業
25~34歳の男性といえば,バリバリの働き盛りです。にもかかわらず,無業で,かつ結婚もしていない。前回みたニートと違うのは,通学という理由による無業者(=学生)も含まれていることです。たとえば,大学院の学生も,若干,対象に含まれていることと思います。
でも,もっと大きなポイントは,③にあるように「単身(一人暮らし)」ということです。前回みたニートは,未婚者ですが,親との同居者が多いと思われます。今回,スポットを当てるのは,実家を出て一人暮らしをしている単身者です。同居者がいない分,完全にタガが外れ,ハチャメチャな暮らしをしている輩もいるのではないでしょうか。
①から④の条件に合致する単身無業男性が,平日の各時間帯において,何をしているのかを調べました。資料は,2006年の総務省『社会生活基本調査』です。2006年の「10月14日から10月22日までの9日間のうち」の平日1日について,綿密な数字が載っています。下記サイトの表19です。
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001008022&cycode=0
調査対象(サンプル)の数は,32人だそうです。前回みたニートにもまして,希少な人種です。下図は,各時間帯の主行動の組成図です。
深夜の午前3時でも,対象者の半分以上が起きていて,テレビなどを観ています。一方,お昼の12時になっても,対象者の半分以上が寝ています。昼夜逆転の生活をしている者が,半分ほどいることがうかがわれます。
学生も含まれているためか,「学業」という行動も,ちらほら分布しています。また,午後の時間帯において,お医者さんにかかっている者が若干いることも特徴です。心の病などを抱えた者もいることと思います。
25~34歳の単身無業男性は,2006年の『社会生活基本調査』の標本の上では32人ですが,母集団中では,おおよそ8万人ほどと推計されています。同年の25~34歳の男性人口のおよそ0.9%に相当します。だいたい,111人に1人です。はて,多いのか少ないのか…
実をいうと,私自身も,冒頭の①から④の条件をすべて満たしています。職業は,一応は大学非常勤講師ですが,授業がない今の時期は,完全に無業者状態です。まあ私は,テレビなどはあまり観ないので,上図のような過ごし方にはなりませんが,昼夜逆転の生活になることは,多々あります。
やはり,単身(一人暮らし)だからかなあ。結婚すれば,変わるものなのかしらん。