2016年8月18日木曜日

女性からの校長輩出率(都道府県別)

 帯状疱疹が治ったと思ったら,今度は歯痛に苦しんでいます。2年前に神経を抜いた左奥歯の根に膿ができているとのこと。現在,抗生物質を投与して様子見です。

 昨日までは激痛でしたが,やっと抗生物質が効いてきて,ちょっと落ち着いてきました。ブログを何日も放置するのは気分がよくないので,手元にあるネタで記事を書くことにします。

 前々回は,女性が校長になれるチャンスの国際比較をしました。校長の女性比と全教員のそれを照合して,輩出率という指標を計算しました。結果は,日本は最下位。女性から校長が最も出にくい社会です。

 この指標は,国内の時代別・地域別にも出すことができます。教員(校長)の女性比率は,『学校基本調査』からすぐに計算できますので。国内のデータなんていじっても面白くなかろうと思っていましたが,率を出してみると,時代変化や地域差が結構あることに驚きました。ここにて,紹介する価値もあると判断します。

 まずは,時代変化をみてみましょう。男女雇用機会均等法が制定されたのは80年代半ばですが,それより前の時代と現在を比べてみます。私は,1980年と2015年現在について,公立学校の女性校長輩出率を計算しました。

 女性校長輩出率とは,校長の女性比率を,全教員のそれで除した値です。2015年のデータでいうと,公立小学校校長の女性比は19.1%,全教員のそれは62.6%ですので,女性からの校長輩出率は0.305となります。男女に平等にチャンスが開かれている場合は,この値は1.0になりますが,現実はその3分の1であると。

 これは2015年の公立小学校の数値ですが,中高はどうでしょう。また昔はどうか。下表は,結果の一覧表です。


 さすがに,昔に比したら数値は上がっています。35年前では女性校長はほとんどいなかったのですね。比率もさることながら,実数をみても驚かされます。1980年の公立中学校の女性校長は12人,公立高校は6人です(全国で!)。

 しかしそれ以降,男女雇用機会均等法(1985年)や男女共同参画社会基本法(99年)などの法律もでき,女性の社会進出を促す取り組みが進められてきました。指導者層の女性比を増やそうという政策も,よく見られます。それゆえか,学校のトップの女性割合も高まり,ベースを勘案した女性輩出率も上がってきています。

 これは誇っていいことですが,絶対水準はまだまだ低い。先に記したように,校長になるチャンスが男女で平等ならば上表の輩出率は1.0になるはずですが,現実はさにあらず。女性が校長になれるチャンスは,小学校は男性の3分の1,中学校は7分の1,高校は5分の1という有様です。他国と比しても,わが国の女性からの校長輩出率が低いことは,前々回の記事でみた通り。

 なお,この指標は国内の地域によっても違っています。国内の地域比較なんて「どんぐりの背比べ」だろうと思っていましたが,47都道府県の値を出してみると,結構なバリエーションがみられます。

 たとえば2015年の公立小学校でいうと,女性からの校長輩出率は,最高の0.6361(石川)から最低の0.0728(山梨)まで分布しています。女性が校長になれるチャンスは,前者は後者の9倍近くです。

 2015年現在における,女性校長輩出率の都道府県ランキングをみていただきましょう。


 小学校と高校のトップは石川,中学校のトップは神奈川です。この2県は,女性が校長になれるチャンスが相対的に高い。アファーマティブ・アクションのようなことをしているのでしょうか。

 一方,中部の山梨は芳しくない。郷里の鹿児島も,小学校は下から2位です。高校をみると,島根の率は0.0,つまり女性校長ゼロです。何もしないでこうなるならば,人為的なテコ入れ,アファーマティブ・アクションも求められるでしょう。

 あなたの県は,どの辺りですか。資料として,見ていただけたらと思います。ランキングは競争を煽る,レッテル貼りになるなど,否定的な意味合いで取られることが多いのですが,そればかりではありますまい。

 学校の指導者層の属性を多様化しようと,各地域が競うのは結構であり,その集積によって現場もよくなります。それを促すのが,上記のようなデータの公表です。既存統計をちょっといじれば,こういうデータもすぐに出せる,ということをお知りいただきたいと思います。

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