2018年3月11日日曜日

正社員の副業実施率

 収入を増やし,新たなスキルを身に付けてほしい。政府は,正社員の副業を推奨する方針を示しています。副業解禁の動きも広がっているそうですが,正社員の副業実施率は何%くらいなんでしょう。

 毎度使っている『就業構造基本調査』から,該当のデータを計算することができます。やや古いですが,現時点で公開されている最新の2012年調査のデータをもとに,正社員の副業実施率を出してみましょう。
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?page=1&toukei=00200532&result_page=1

 同年10月時点の全国の正規職員は3311万400人で,うち何らかの副業がある者は59万6300人です。よって,副業実施率は1.8%と算出されます。およそ55人に1人です。

 副業といっても農業が多いですので,原資料では「非農林業」の副業がある者の数値も出ています。こちらは36万3200人で,正社員あたりの割合は1.1%となります。

 うーん,いかにも少ない印象ですが,年齢層別の数値を出すと,以下のようになります。


 年齢が上がるほど高くなっていきます。40代後半以降になると2%を超えますが,定年後に備える人も出てくるのでしょう。

 60代になると4%以上になりますが,定年後の再雇用(雇用延長)となると,勤務時間が短くなるので,副業もしやすくなるでしょう。お給料も減らされるので,+αの稼ぎを得ないとやっていけない,というのもあろうかと思います。

 都道府県別の副業実施率も計算することができます。働き盛りのアラフォー年代(35~44歳)の正規職員のうち,副業をしている者,農林業以外の副業をしている者の比率を出してみました。以下は,その一覧です。


 赤字は最高値で,副業実施率2%以上,農林業以外の副業実施率1%以上の数値には黄色マークをつけました。

 トータルの副業実施率が最も高いのは秋田の2.8%で,青森,山形と,東北県が上位3位を占めています。地方県で高くなっていますが,多くは農業でしょう。

 農林業以外の副業率をみると,順位構造がかなり変わり,東京のような大都市も上位に入ってきます。ネットの副業でしょうね。トップは沖縄ですが,当地の副業として,現地の魅力をブログで発信する,特産品をネット販売するなどがあるそうです。

 しかし,今から6年前のデータとはいえ,わが国の正社員の副業実施率がこうも低いことに驚きを禁じ得ません。「副業解禁とはどの口が言った?」という感じです。2017年の調査データでは,値は上がっているかもしれませんが。

 先日公表したニューズウィーク記事でも書きましたが,高齢期の主な働き方はフリーランスです。組織を離れた後は自分で稼ぐ,実に分かりやすい構図です。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/03/post-9699.php

 人生100年の時代,定年後を引退期として過ごすのは経済的にも心理的にも不可能ですが,会社にぶら下がりっぱなしで,自分で稼ぐ術を知らぬ人は,後々苦労することになるでしょう。副業をし,どこででも通用する汎用性あるスキルを身に付けておきたいものです。

 しかるに,今回のデータをみて希望を持った人もおられると思います。逆をとれば,ちょっとした副業をすれば「100人に1人の逸材になれる」と。思い立ったが吉。そこで即実行に移し,継続できる人に対しては,人生は甘いもの。行動あるのみです。
https://twitter.com/badassceo/status/941959272467906560

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