2014年12月23日火曜日

中学校の補助スタッフの不足感

 日本の教員が多忙をきわめていることは周知のところですが,その要因の一つとして,雑務を請け負ってくれる補助スタッフの不足があるといわれます。

 わが国の教員が世界一働いていることを教えてくれた,OECDの国際教員調査「TALIS 2013」では,対象の中学校の校長に対し,「補助スタッフの不足が教育活動の支障になっているか」と尋ねています。この設問への回答を国別に出し,グラフにしてみました。
http://www.oecd.org/edu/school/talis-2013-results.htm

 該当する設問は,校長調査の設問31の項目(i)です。4つの選択肢を提示し,1つを選んでもらう形式です。32か国の中学校校長の回答分布を図示すると,下図のようになります。


 日本は,肯定の回答が多くなっています。最も強い「とても当てはまる」の率は4位ですが,「いくらか当てはまる」までを含めると32か国中トップです。7割以上の校長が,補助スタッフの不足感を露わにしています。

 補助スタッフの不足感を点数化してみましょう。「まったく当てはまらない」を1点,「あまり当てはまらない」を2点,「いくらか当てはまる」を3点,「とても当てはまる」を4点とした場合,各国の平均点がいくらになるかを計算してみました。日本の場合,以下のようになります。

 {(1点×2.6)+(2点×25.0)+(3点×46.9)+(4点×25.5)}/100.0 ≒ 2.95点

 4点満点中,平均点はおよそ3点。かなり高いですね。このスコアを32か国分計算し,値が高い順に並べたランキング図にしてみました。


 日本の2.95点は,32か国の中で最も高いことが分かります。先進国の中ではダントツでトップです。

 中学校校長の主観的な回答ですが,これが真実をついているであろうことは,教員の勤務時間の構造からもうかがえます。日本の教員は勤務時間が世界一なのですが,その中身を解剖すると,ほとんどが授業以外の雑務です。6月26日の記事でみたように,日本の中学校教員の勤務時間に占める,授業時間の比重はわずか32.8%であり,世界で最下位となっています。

 各種の雑務を担ってくれる補助スタッフの不足は,教員をして,己の専門力量を発揮する授業に集中せしめるのを阻害する条件になっていることでしょう。教員の職務を授業だけに限定しろとはいいませんが,教員があたかも「何でも屋」のような状況になっていることは,明らかに問題です。

 文科省もこの問題を認識し,「チーム学校」なる外部人材組織を学校に導入する方針だそうです。この施策が効をなすかどうかは未知数ですが,教員の多忙問題に当局が本腰を入れ始めたことの表れとして,注目されるところです。その成果は,次回の同調査によって可視化されることになるでしょう。

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