2015年4月7日火曜日

職業別の年収ランキング

 毎朝,ネット上のニュースをチェックしているのですが,大学教授の平均年収を報じた記事が目に止まりました。2011年の厚労省「賃金構造基本統計調査」から割り出したもので,その額1112万円だそうです。
http://heikinnenshu.jp/komuin/kyoju.html

 実をいうと,この資料から多くの職業の年収を計算することができます。上記の記事は大学教授に焦点を当てていますが,他の職業はどうなのか。近年,需要が著しく増している保育士や介護職の年収はどれくらいか。こういう関心もあおりでしょう。

 この点については随所で明らかにされていますが,全体構造の中での位置付けも添えた情報は,あまり提供されていないのではないでしょうか。今回は,それをご覧に入れようと思います。タイトルにあるような,職業別の年収ランキング表の作成です。

 まずは,年収の計算方法を説明します。上記の厚労省資料には,(短時間労働者を除く)一般労働者の平均月収と年間賞与額が,職業別に掲載されています。前者は,調査年の6月の平均月収であり,この中には残業代等の手当ても含みます。後者は,調査前年の1年間の年間賞与額です。

 この情報を使って,各職業の推定年収を出すことができます。計算式は,「月収×12+年間賞与額」です。私は,最新の2014年調査のデータを使って,129の職業の推定年収を計算しました。計算に使った数値は,下記サイトの表1から取り出したものです。月収は,「きまって支給する現金給与額」です。
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020103.do?_toGL08020103_&tclassID=000001054146&cycleCode=0&requestSender=estat

 手始めに,6つの職業の計算表をみていただきましょう。医師,大学教授,高校教員,バス運転手,保育士,福祉施設介助員の年収を,先ほど述べた方法で見積もってみました。


 冒頭の記事で取り上げられていた大学教授は,最新の2014年調査のデータでは,月収66万円,ボーナス285万円,推定年収は1074万円です。大学によって違うでしょうが,全体を均した平均はこんなものでしょう。医師はそれよりも高く,1154万円です。開業医が多いので,ボーナスの比重は小さくなっています。高校教員は706万円。小・中学校教員というカテゴリーはないのですが,これよりもちょっと少ないくらいでしょうね。

 下の3つは,少子高齢化・共働き化が進む中,需要が高まってくるとみられる職業ですが,年収はあまり高くないようです。バス運転手は455万円,保育士は317万円,介助員(介護士)は309万円なり。これらの職業の窮状がよくいわれますが,さもありなんです。

 計算の過程についてイメージしていただけたと思いますので,129職業の推定年収のランキング表をご覧いただきましょう。上記と同じやり方で各職業の推定年収を出し,高い順に並べたものです。


 先ほど計算した医師がトップかと思いきや,まだ上がいました。航空機操縦士(パイロット)です。年収1712万円なり。平均でこれですから,ベテランだと2000万超はザラでしょう。

 赤字は上位10ですが,パイロット,医師,大学教授,弁護士,記者,公認会計士など,高度専門職のオンパレードです。ただ,年収1000万超の職業が4つしかないのは,予想外でした。1000万プレーヤーの敷居って,結構高いのですね。

 目ぼしい職業に黄色マークをしましたが,バス運転手やトラック運転手が全職業の平均くらいで,保育士,介護士,タクシー運転手などは,それを大きく下回っています。若者のあこがれである理容師・美容師に至っては,惨状がもっと際立っています。年収263万円です。

 あと一つ,マークをし忘れましたが,塾・予備校講師が396万円と400万円を切っているのが意外です。まあこれはあくまで平均値であり,稼いでいるカリスマ講師と不人気講師の格差が大きい,ということでしょうね。7位の歯科医師なども,格差が大きい職業と聞きます。

 社会には無数の地位があり,各々が受け取る富の量には傾斜がつけられていますが,21世紀初頭の日本社会の現実態は,以上のようなものです。やはり保育士や介護士の位置が気になりますが,我が国と同じく少子高齢化が進んだ他の先進国では,これらの職業の位置付けはどうなっているのか。気になるところです。

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