2015年4月29日水曜日

国会議員の組成

 上西小百合議員の除籍騒動がありましたが,彼女は若年女性ということで,国会議員の中ではマイノリティー(少数派)の属性を持っています。

 間接民主制の社会では,政治は国民の代表者たる国会議員に託されますが,望むべくは,この議員集団の組成が,国民全体のそれを反映していることです。調査用語でいうと,抽出された(選ばれた)サンプルが,母集団をきちんと代表していることが望まれます。

 しかるに,わが国の議員集団の組成が,国民全体のそれからかなり乖離していることは,誰もが感じていることでしょう。この肌感覚をデータで裏付けたいと思い,国会議員の公的な属性統計がないかネットで探してみたのですが,見当たりませんでした。

 そこで仕方なく,国会両院のサイトに載っている議員一覧の情報を使って,独自のデータベースを作った次第です。以下のような感じで,両院の議員の基本情報を整理してみました。


 私は,最も基本的な属性である性別・年齢の構成を明らかにしたいと考えました。年齢は,生年の西暦下2ケタを115から差し引いて推し量りました。私と同じ76年生まれの場合,今年は,115-76=39歳となるはずです。

 性別と年齢(5階層)をクロスさせて,両院の議員の組成を明らかにし,それを視覚的な統計図にしてみました。下図は,選出母体(衆院は25歳以上,参院は30歳以上)の人口構成と対比したものです。


 両院とも,ベース人口の組成からかなり隔たっていますね。まず分かるのは,女性の少ないこと。女性比は衆院は9.3%,参院は12.0%です。社会全体では男女半々ですが,指導者層の男女比は「9:1」という有様。ニッポンのジェンダー指数を下げている最大の要素です。

 また若手も,ベース人口に比して比重が小さくなっています。上西議員は,女性で若手という2つのマイノリティー属性を持っているのですが,40歳未満女性の比率は選出母体では11.2%ですが,衆院議員の中ではわずか1.5%です。輩出率は,1.5/11.2 ≒ 0.13であり,他の層に比して格段に低くなっています。子育てママの層でもありますが,この部分の声が届きにくい構造であるともいえるでしょう。

 国を動かす国会議員の組成は,高齢層の男性に偏している。誰もが常日頃思っていることの可視化です。高齢者が投票者の多くを占めれば,選ばれる議員もまた然り。高齢者の意向を,高齢者が施行する社会ということになるでしょうか。

 世論調査のデータでも分かるように,政府への要望事項は,高齢層と若者ではかなり違います。また,同性愛に対する意識一つをとっても分かるように,若者は先進的な意識・価値観を持っています。彼らの意向を取り込めば,社会が変わる可能性は十分にあり。この層がオミットされるのは,問題であるというよりも,モッタイナイことです。

 社会調査の層化抽出の原理に依拠して,議席を層ごとに割り振るという発想,どこかで言われているのかしらん。まあ,さしあたりなすべきは,「迷ったらマイノリティー(女性,若者…)の候補者に入れる」ということでしょうね。駒崎弘樹氏が提案されていますが,私もそれに賛意を表したいと思います。

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