2016年11月16日水曜日

過剰サービスをやめよう

 アマゾンが,食品や日用品の「1時間配達」の範囲を,都内23区に拡大するそうです(プライム会員限定)。遅れた場合は,送料890円は返金とのこと。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/161115/bsd1611151611010-n1.htm

 朗報だと喝采を叫ぶ人もいるでしょうが,私はその逆です。「時間内に届けねば」というドライバーの焦りから,重大事故が起きやしないかと心配になります。

 運送業の過労にも拍車がかかるのではないか。下図は,年間就業日数と週間就業時間の区分け図ですが,全産業に比して,過重労働のゾーンが広くなっています。


 右上のブラックは,「年間300日以上・週60時間以上」働いている,過労死予備軍です。運送業の正社員では全体の9.0%,1割ほどいます。全産業でみた場合の1.2%よりも,はるかに出現率が高くなっています。

 わが国では,仕事に対する要求水準がとても高い。商店の24時間営業,宅配便の無料再配達は当たり前。加えて,都内23区は「1時間配達」などが導入されると。働く人は追い詰められる一方です。

 労働力人口の減少(高齢化)により,このやり方がいつまでも続かないことは明らか。不要な過剰サービスをなくし,「ゆるい」働き方を普及させていくことが求められるでしょう。生活の利便性が落ちても,労働者の精神疾患や過労自殺が頻発する社会よりはずっといい。

 成熟のステージに入っている日本社会は,この方向に進むべきと考えているのは,私だけではないでしょう。

 本日公開のニューズウィーク連載記事では,日本人の労働観が80年代から変わっていないことをデータで示しています。お読みいただけますと幸いです。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/11/post-6339_1.php

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